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脳卒中【のうそっちゅう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

脳卒中
のうそっちゅう
cerebral apoplexy
脳の循環障害によって急激に意識障害に陥り,運動障害や言語障害を伴う疾患群をいう。多種多様な疾患が含まれるが,原因別に,脳出血脳梗塞 (→脳軟化症 ) ,クモ膜下出血に大別される。脳梗塞には脳塞栓 (脳栓塞) と脳血栓が含まれる。脳卒中は日本における死亡原因では,癌や心臓病とともに多く,積極的に予防対策が進められている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵

脳卒中
脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、一過性脳虚血発作の総称。脳梗塞は、脳の血流量が低下したり脳組織の酸素が不足したりして脳細胞に障害が起こること。その原因により、脳血栓症、脳塞栓症などに分かれる。脳血栓症の大部分は動脈硬化症によって起こり、半数に一過性脳虚血が見られる。睡眠中や安静時に起き、目覚めた時に症状に気付くことが多い。特徴的なのは、症状が段階状に進行することで、意識障害のほか、身体の片側の麻痺などを示し、知覚・視覚障害なども見られる。脳出血は、脳の血管が動脈硬化によってもろくなり、血圧が一時的に高くなると、動脈が破れて出血が起こることである。多くの場合、意識消失、深い昏睡、半身麻痺などを起こす。くも膜下出血は脳を覆っているくも膜と脳軟膜の間に出血することで、動脈瘤(りゅう)や動脈硬化などがあると一時的な血圧の上昇によって動脈が破れる。突然の激しい頭痛に襲われたり、一時的な意識障害に陥る。予防のためには、規則的な生活、疲労やストレスの軽減、十分な水分摂取、適度な運動、熱い風呂に入らない、便秘をしない、食べ過ぎない、酒を飲みすぎない、たばこを吸わない、などが大切である。
(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

朝日新聞掲載「キーワード」

脳卒中
脳梗塞、脳出血、くも膜下出血に大別される。患者数では、脳梗塞が6割以上を占める。初期症状は顔のゆがみや腕のしびれ、言葉のもつれなど。脳卒中による死亡者数は年約13万人で、がん、心疾患に続いて多い。手足のまひ、言語障害など後遺症が残ることも多いため、早期治療からリハビリ、在宅支援へと切れ目なく病右施設が連携し、患者を支える仕組みが必要な病気都道府県が病院ごとの得意治療を明示する新医療計画では、対象となる四つの病気の中で最も早く体制を築くよう求められている。
(2008-03-24 朝日新聞 朝刊 3総合)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

のう‐そっちゅう〔ナウ‐〕【脳卒中】
脳動脈の障害により急激に意識を失って倒れ、運動・言語などの障害が現れる疾患の総称。脳出血蜘蛛膜下(くもまくか)出血脳梗塞など。卒中。→脳血管障害

出典:小学館
監修:松村明
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編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

脳卒中

出典:朝倉書店
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生活習慣病用語辞典

脳卒中
脳血管疾患 (脳血管障害) のことで、大きく脳梗塞と脳出血に分類されます。

出典:あなたの健康をサポート QUPiO(クピオ)
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世界大百科事典 第2版

のうそっちゅう【脳卒中 cerebral apoplexy】
脳血管の病的過程により急激に意識障害と運動麻痺をきたしたものをいい,単に卒中apoplexyともいう。したがって脳卒中は一つの症候群であり疾患名ではない。脳血管障害では意識障害や運動麻痺を必ずしも示すとは限らないが,広義に解釈して急性型の脳血管障害という意味で用いることも多い。また,中風(ちゆうふう∥ちゆうぶう)または中気という言葉が脳卒中と同義に用いられることもあるが,一般には,卒中発作後,後遺症として半身不随(片麻痺)などの運動麻痺を残した状態をいうことが多い。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

のうそっちゅう【脳卒中】
脳の血管の障害により、突然意識を失って倒れ、手足などに麻痺まひをきたす疾患。脳梗塞・脳出血・蜘蛛膜下くもまくか出血などに見られる。一般には、脳出血と同義に用いられることがある。卒中。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

脳卒中
のうそっちゅう
cerebral apoplexy
急激に意識を失って倒れ、半身不随に陥るのが典型的な症状である疾患の総称で、脳血管障害の同義語として使われることが多い。卒中とは卒然(突然)邪気や邪風に中(あた)るという意味で、卒中風の略とされており、中気や中風ともよばれた。またapoplexyの語源はギリシア語で、殴られて倒れる状態を意味する。かつては、ほとんどが脳出血であったことから、脳溢血(いっけつ)ともよばれていた。
 脳卒中の種類は1969年(昭和44)当時の文部省総合研究班(班長冲中重雄(おきなかしげお))により、脳梗塞(こうそく)(脳血栓、脳塞栓)、頭蓋(とうがい)内出血(脳出血、くも膜下出血)、脳梗塞を伴わない一過性脳虚血発作、高血圧性脳症に分類された。その後、幾度かの変遷があって、一過性脳虚血発作は、局所性神経脱落症状が普通数分続き、24時間を超えることなしに痕跡(こんせき)を残さず治り、血管病変を有する患者にみられ、しばしば再発する傾向があると定義され、低血圧に伴う一過性脳虚血発作は除外された。
 一方、アメリカのミリカンMillikanらが1975年に発表した脳卒中の診断基準で、病期による分類をしているのが注目される。すなわち、一過性脳虚血発作のほかに、神経症状変動期として症状が悪化または軽快しつつある時期をあげ、悪化進行しているものを進行型発作progressing strokeとした。また神経症状固定期として、局所症状が24時間以上持続するが3週以内に消失するものを可逆性脳虚血症状reversible ischemic neurological deficit(RIND)といい、局所症状が3週以上固定して存在するものを狭義の完成型発作completed strokeとした。
 なお、脳卒中は、わが国では癌(がん)、心臓病とともに死亡率が高い疾患の一つで、1999年度(平成11)の年間死亡者数は約13万9000人で、4分間に1人が死亡する割合となる。また脳出血と脳梗塞の割合は、従来は脳出血が多かったが、1974年から逆転して脳梗塞死が脳出血死より多くなってきている。[荒木五郎]

発作時の看護

かつては、脳卒中で倒れたらその場を動かさないことが原則とされたが、現在では可能な限り早く脳外科とCT(コンピュータ断層撮影)装置のある病院に運ぶことが原則となっており、倒れて6時間以内が勝負といわれている。CTでは4、5分間で診断が下される。一般に脳卒中の発作時に医師がいる例はほとんどないので、居合わせた人はなるべく次のような事項を調べて医師に報告することが望まれる。
(1)いつ、どんな症状がおこったか
(2)発症したとき、頭痛、めまい、吐き気、嘔吐(おうと)があったかどうか
(3)意識障害があったかどうか、あった場合はその程度、たとえば、名前を呼んだら反応があったか、大きな声で呼んだらどうか、つねってみると目を覚ますかどうかといったこと
(4)呼吸や脈は規則正しいかどうか、1分間にどのくらいか
(5)高血圧、糖尿病、心臓病の治療中だったかどうか、どんな薬を服用していたか
などである。ただし、あわてて体をゆすったりしてはいけない。[荒木五郎]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

のう‐そっちゅう ナウ‥【脳卒中】
〘名〙 脳の血管に、出血、血栓、塞栓が起こったために現われる症状。多くは突然に発症する半身麻痺(まひ)で、重症の場合には意識を失い、早期に死亡する。右大脳の循環障害時には左の半身麻痺を、左大脳の場合には右の半身麻痺を起こす。卒中。
渋江抽斎(1916)〈森鴎外〉「これは脳卒中(ナウソッチュウ)で右半身(ゆうはんしん)不随になってゐます」

出典:精選版 日本国語大辞典
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六訂版 家庭医学大全科

脳卒中(脳血管障害)
のうそっちゅう(のうけっかんしょうがい)
Stroke (Cerebrovascular disease)
(脳・神経・筋の病気)

脳卒中とは

 脳卒中という言葉は一般的な用語であり、医学用語ではありません。正式には脳血管障害といいます。脳卒中の卒は卒倒(そっとう)(突然倒れる)の卒で“突然に”の意味、中は中毒(毒にあたる)の中で“あたる”という意味ですから、脳卒中とは脳の病気で突然に何かにあたったようになる(倒れる)ことを意味します。

 これは中国から渡ってきた言葉ですが、西暦760年の日本の書物にすでに見られますから、この病気は日本でも長い歴史をもっていることがわかります。近代医学が発展する前から、人々は卒中という病気があることをある程度理解していたことの証拠でもあります。

脳血管障害の分類

 脳梗塞(のうこうそく)脳出血(のうしゅっけつ)くも膜下出血(まくかしゅっけつ)の3つが代表的な脳血管障害です。

 図1に示すように、脳の血管が動脈硬化や、ほかの部位から流れてきたもの(栓子(せんし)といいます)によってふさがってしまうと血流が途絶えてしまいます。その結果、その先の脳組織に血液や血液によって運ばれてくる酸素、ブドウ糖などの栄養物が来なくなり、脳組織が死んでしまうのが脳梗塞です。

 一方、脳の深部の細い血管に高血圧や加齢によって小さなこぶがたくさんでき、これが急に血圧が上昇した時などに破裂して脳のなかに血腫(けっしゅ)ができるのが脳出血、脳の表面の太い血管に動脈瘤(どうみゃくりゅう)ができてそれが破裂し、脳を包む3枚の膜(外から硬膜(こうまく)、くも膜、軟膜(なんまく))のうち、くも膜と軟膜の間(すなわちくも膜の下)に出血が起こるのがくも膜下出血です。

 そのおのおのについてはあとで詳しく説明します。

 脳卒中は日本の国民病のひとつではありますが、その死亡数は年々減る傾向を示しています。しかしそれは主に脳出血による死亡が減っているからで、脳梗塞くも膜下出血による死亡はあまり減っていません。

 むしろ死亡率が下がっているわりには発症率が下がっていないので、実際に病院にかかっている患者さんの数は増えています。

 日本におけるある日の調査では、その日に入院中、あるいは外来を訪れた148万人の脳卒中の患者さんのなかで、脳梗塞が約75%、脳出血が15~20%、くも膜下出血が5~10%という結果が出ています。日本で脳卒中で悩む患者さんの4分の3が脳梗塞であることがわかります。

原因は何か

 脳卒中を起こす最大の原因は、高血圧と加齢だといわれています。しかしそのほかにもたくさんの原因が知られており、それらは危険因子と呼ばれています。もちろん、脳梗塞脳出血くも膜下出血かによって危険因子は多少違います。

 脳出血高血圧と加齢に加えて、出血性素因(血が固まりにくいこと)や動脈硬化などが危険因子になります。くも膜下出血は動脈瘤の存在と高血圧が最も強い危険因子です。

 いちばん数の多い脳梗塞の原因はさまざまです。高血圧、加齢のほかに糖尿病、心臓病、脂質異常症、肥満、喫煙、多量飲酒、ストレス、脱水、炎症、血液凝固系異常(けつえきぎょうこけいいじょう)(血が固まりやすいこと)や遺伝のほかに、まれに抗(こう)リン脂質抗体(ししつこうたい)症候群、高インスリン血症や高ホモシスティン血症などが原因になります。

検査と予防

 危険因子の多くは簡単な検査でわかります。健康診断や人間ドックでこれらの因子が見つかれば、早めに生活習慣の改善や治療をすることが脳卒中の予防につながります。加齢や遺伝は治療できませんが、同時に存在する他の危険因子をしっかり治療すれば、脳卒中の予防に十分役立ちます。

 脳ドックなどで行うMRI検査で偶然、無症状ではあっても、脳梗塞(かくれ脳梗塞とか無症候性脳梗塞(むしょうこうせいのうこうそく)という)が見つかることがあります。私たちの調査では、このような人は将来、本当の脳卒中になりやすいのです。

 また、破裂する前の動脈瘤が見つかることもあります。この時は、ただ心配するだけではなく、早急に専門の医師(神経内科医、脳外科医、脳卒中専門医など)に相談してください。いろいろな予防法があります。

病気に気づいたらどうする

 軽い症状でも脳卒中らしいと感じたら、1分でも1秒でも早く専門医のいる病院へ行くことです。そのためには、家族に脳卒中の危険因子を多くもつ高齢者がいる場合は、万一の場合、近くのどこの病院に運べばよいかを普段から考えておくとよいと思います。

 脳卒中は恐ろしい病気ですが、施設の整った専門医のいる病院に1分でも早く連れていくことで、死を免れたり後遺症を少なくすることができます。

篠原 幸人

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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