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脳動脈瘤【のうどうみゃくりゅう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

脳動脈瘤
のうどうみゃくりゅう
cerebral aneurysm
脳の動脈に発生する動脈瘤。多くは脳底部の比較的太い動脈に生じ,先天性であるが,高血圧の人に多く,まれに細菌性や外傷性のものがある。クモ膜下出血の原因の半数以上を占めるといわれる。これは脳動脈瘤が破裂すると,血液がクモ膜下腔に流出するからである。出血による脳血管の収縮や再出血があるときは,予後が悪い。再出血を予防するために,動脈瘤にクリップをかける手術 (クリッピング) が行われる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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朝日新聞掲載「キーワード」

脳動脈瘤
脳の動脈にできる風船のようなふくらみで、破裂するとくも膜下出血になる。未破裂動脈瘤はこれが破れる前に見つかったもの。診断技術の進歩で多く見つかるようになったが、実際には成人の5%ほどにあると考えられる。破裂率は年に1〜2%。治療は(1)慎重に経過を追う(2)クリッピング術(3)血管内手術がある。手術は脳梗塞など合併症の危険を伴うことから、現行脳ドックと手術に対して批判的な医師も多い。
(2006-02-16 朝日新聞 朝刊 青森全県 1地方)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

のうどうみゃく‐りゅう〔ナウドウミヤクリウ〕【脳動脈×瘤】
脳の動脈の壁にできたこぶのこと。動脈硬化高血圧などが原因。破裂すると蜘蛛膜下出血などを引き起こす。大きさや部位によって手術やカテーテルによる治療が必要とされる。

出典:小学館
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家庭医学館

のうどうみゃくりゅう【脳動脈瘤 Cerebral Aneurysm】
[どんな病気か]
 脳の動脈の壁の一部分が、こぶや風船のようにふくらんでくる病気です。
 動脈の内側からかかる圧(血圧)に耐えきれなくなって、動脈のふくらんだ部分が破裂(はれつ)(脳動脈瘤破裂(のうどうみゃくりゅうはれつ))すると、くも膜下出血(まくかしゅっけつ)(「くも膜下出血」)になります。動脈の壁に生まれつき弱い部分があって、血圧に押されて徐々にこぶのようにふくらんでくる場合がほとんどと考えられていますが(先天性)、脳の動脈の動脈硬化(どうみゃくこうか)、脳の動脈への細菌の感染、頭部外傷などが原因でおこることもあります(後天性)。
[症状]
 ふつうは脳動脈瘤ができても、なんの症状も現われないのがふつうですが、まれに、大きくなった脳動脈瘤に動眼神経(どうがんしんけい)が圧迫され、片側のまぶたが下がる(眼瞼下垂(がんけんかすい))などの症状が現われることがあります。しかし、大部分はなんの前ぶれもなく、突然破裂します。
●脳動脈瘤が破裂したときの症状
 バットで殴(なぐ)られたような激しい頭痛、嘔吐(おうと)、けいれん、意識障害などのくも膜下出血の症状(「くも膜下出血」)が突然、おこります。また、くも膜下出血をおこしてしばらくは元気だった人が、数日後に急に具合が悪くなり、手足のまひ、ろれつが回らないなどの言語障害が現われてくることがあります。これは、出血のために脳の血管がきゅーっと細くなり(脳血管れん縮(しゅく))、脳に十分な血液が流れなくなっている(脳虚血(のうきょけつ))ときの症状です。
 さらに、時期が経過してから、認知症、歩行困難、尿失禁(にょうしっきん)などがおこってくることもあります。これは、くも膜下出血のために脳脊髄液(のうせきずいえき)の流れが悪くなり、脳脊髄液がたまって脳室が大きくなった正常圧水頭症(せいじょうあつすいとうしょう)の症状です。
[検査と診断]
 CTでくも膜下出血を確認したら、脳動脈瘤を探すために脳血管撮影が行なわれます。
 脳に血液を送っている動脈は4本(2本の内頸動脈(ないけいどうみゃく)と2本の椎骨動脈(ついこつどうみゃく))あり、脳動脈瘤が多発していることもあるので、4本すべてを調べなければなりません。動脈に造影剤を注入するので多少の苦痛をともないますが、動脈瘤を探すために脳血管撮影は、必要な検査です。
 最近はMRIを用いた脳血管撮影が行なわれるようになって、未破裂の状態で見つかる脳動脈瘤が増えています。
[治療]
 破裂した脳動脈瘤からの出血は一時的に止まっても、そのまま放置すると、再出血し、生命にかかわる危険が高いのです。脳動脈瘤は、いつ破裂するかわからない時限爆弾のようなものなのです。したがって状態が許せば、再出血をおこさないうちに手術をしたほうがよいのです。
◎動脈瘤が破裂したときの治療
●手術
 手術を行なう最大の目的は、再出血の予防です。
 開頭して、動脈瘤の根もとにクリップという金具をかけるクリッピングがもっとも確実な治療です。
 動脈瘤の形などに問題があって、クリッピングができないときは、動脈瘤全体を特殊なのりでかためることもあります(コーティング)。
●手術の予後
 血腫(けっしゅ)(血液のかたまり)、脳室の拡大、脳浮腫(のうふしゅ)に対する処置を手術のときに行なうことは可能ですが、出血によって破壊された脳の部分を手術で治すことはできません。このため、出血の程度によって、予後が大きく変わってきます。
 軽症の場合は、約4週間で退院でき、社会復帰も可能となります。重症の場合には、からだの片側のまひや失語症(しつごしょう)(脳卒中の後遺症とリハビリテーションの「脳卒中でみられる言語障害」)などの後遺症(こういしょう)が残り、数か月のリハビリテーションが必要になることもあります。また、不幸にして寝たきりになることもまれではありません。
●手術ができないときの治療
 状態があまりにも悪い、あるいは状態がしだいに悪くなる、脳血管がれん縮(しゅく)をおこしているなどの場合には、手術ができません。この場合は、絶対安静を保ち、血圧や脳圧を下げる薬を使用して、状態が落ち着くまでようすをみるのがふつうです。
●血管内手術
 最近は、切らずに脳動脈瘤を治そうという血管内手術が普及してきました。大腿部(だいたいぶ)の動脈から直径0.5mmほどの細い管(カテーテル)を脳動脈瘤まで送り、この中を通して、プラチナのコイルを瘤内につめ、破裂しないように塞(ふさ)いでしまいます。これまでおもに手術のできない部位の脳動脈瘤に行なわれてきました。まだ、長期的な結果が出ていませんが、カテーテルやコイルの改良も進み、将来は開頭手術にかわる治療法になることが予想されます。
●正常圧水頭症(せいじょうあつすいとうしょう)をおこしたときの治療
 脳室と腹腔(V‐Pシャント)、あるいは腰髄(ようずい)くも膜下腔と腹腔(L‐Pシャント)を人工の管(シャント)で連結させて腹腔に髄液を流し、脳室に脳脊髄液がたまらないようにする手術を行ないます。
◎未破裂の脳動脈瘤の治療
 手術をせずに放置して破裂した場合の危険性と、手術をした場合のリスク(手術成績や合併症など)の兼ね合いを慎重に検討し、手術をするかどうか判断します。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

のうどうみゃくりゅう【脳動脈瘤 cerebral aneurysm】
動脈瘤の一種。脳動脈壁の3層のうちの中膜欠損部位が瘤(こぶ)状にふくらんだもので,おもに主幹脳動脈近傍に発生する。ほとんどの脳動脈瘤は先天性と考えられているが,まれに細菌性,梅毒性,動脈硬化性動脈瘤も存在する。動脈瘤壁は薄く,破れてくも膜下出血をきたす。症状として悪心,嘔吐を伴った激しい頭痛で発症し,重篤な意識障害も起こりうる。好発年齢は40~50歳代である。第1回目の発作(動脈瘤破裂)による死亡率は10~15%であるが,第2回目の発作では40~45%と増大する。

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