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脚韻【きゃくいん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

脚韻
きゃくいん
end rhyme
韻文において,文末の語句,語尾が同音や類音によって前後の詩行と呼応した音楽的効果をもつもの。頭韻に対していう。日本では明治期以後,ヨーロッパのさまざまな詩歌様式が混入したため,日本語における頭韻・脚韻は,やや強引に法則に従う傾向がある。西洋式のアイアンブ(弱強格の韻脚)やソネットでの脚韻には厳密な法則があり,韻文詩における語調の呼応は音楽と踊りの調和のように勇壮さや優美さをもたらす。漢詩文,文語定型詩(→定型詩),口語自由詩(→自由詩)の変遷を考えると,現代では頭韻・脚韻の押韻詩(→押韻)はきわめて少なく,世界的にも散文詩への移行が顕著である。日本の場合は五七調七五調の韻文が無意識下に流れ,上代歌謡や『万葉集』等から現代短歌(→短歌),俳句にその定型性が受け継がれている。近代,現代詩の脚韻・頭韻の一例としては次のような作品があげられる。「地上にするどく竹が生え,/まっしぐらに竹が生え,/凍れる節々りんりんと,/青空のもとに竹が生え,/竹,竹,竹が生え。」(萩原朔太郎月に吠える』〈1917〉の「竹」の一部)。「竹」,「生え」の「エ」の音が病的な衝迫感をつのらせる。「かっぱらっぱかっぱらった/とってちってた/かっぱなっぱかった/かっぱなっぱいっぱかった/かってきってくった」(谷川俊太郎『ことばあそびうた』〈1981〉の「かっぱ」の一部)。「カ,パ,タ」の音と促音便の軽快感。頭韻と脚韻の呼応におもしろさがある。

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デジタル大辞泉

きゃく‐いん〔‐ヰン〕【脚韻】
詩歌で、句末・行末に同音の語をおくこと。漢詩では一定の句末に同一の韻字を用い、西洋の詩では近接する行末に同一音ないし類似音をそろえる。「脚韻を踏む」→頭韻(とういん)

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世界大百科事典 第2版

きゃくいん【脚韻】

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

きゃくいん【脚韻】
漢詩で、句末や行末を同じ韻にすること。 -を踏む
ヨーロッパ諸国語で、類音・同音の反復が詩行の最後の音に行われるもの。厳密な意味での韻。頭韻や中間韻と区別する際に用いる。 → 頭韻

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

脚韻
きゃくいん
end rhyme
詩の行末の音節が一致していることを脚韻を踏むという。定型詩には、連続して踏んだり、交互に踏んだりなど、さまざまな脚韻構成が用いられる。脚韻には完全韻と不完全韻とがある。完全韻のうち、行末の強勢のある音節が一致しているものを男性韻masculine rhymeとよび、雄渾(ゆうこん)な調子を表し、行末の音節に強勢がない場合を女性韻feminine rhymeとよび、優雅な調子を表すのに使われる(例、男性韻――scan/man、女性韻――muntain/funtain)。不完全韻のうちには、行末の音節のうち母音だけ一致したものを母韻assonanceとよび、子音だけ一致したものを子韻consonantal rhymeとよぶ(例、母韻――tide/mine、子韻――set/sleet)。ほかにもさまざまな近似韻があるが、それらは複雑な効果をねらって用いられる。英詩では行末の音節がその前の子音まで同一なものを同音韻とよび、完全韻には含めない(例、site/sight)。[新倉俊一]

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精選版 日本国語大辞典

きゃく‐いん ‥ヰン【脚韻】
〘名〙 詩歌などの句末や行末に同じ響きの語を繰り返す押韻法。漢詩では、句の終わりにふむ韻。ヨーロッパの諸国語では、行末の最後の単語あるいは音節に同じ母音または同じ母音と子音を置くこと。日本語ではその効果がうすいといわれ、あまり試みられない。尾韻。⇔頭韻
※新美辞学(1902)〈島村抱月〉二「押韻の法は種々あれど、仮りに大別して頭韻、脚韻の二とすべし」

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