Rakuten infoseek

辞書

能管【のうかん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

能管
のうかん
日本の楽器の一種。能の囃子に用いられる管楽器で,歌舞伎の囃子にも用いる。雅楽竜笛 (りゅうてき) とほぼ同じ形態,構造であるが,管長および指孔の間隔が不定。指穴は7穴の竹製の横笛であるが,いくつかの短い管をつないで,樺 (かば) または籐 (とう) で巻いて漆で留め,内側と穴の周囲は朱漆を塗る。管内の歌口と頭部の境目に蜜ろうを詰め,これによって音を調節。指穴は歌口に近いほうから,普通,干 (かん) ,五,上,夕 (しゃく) ,中,六,下と呼ぶが,その音律は不定。一種の無調音的な性格もあって,同じ旋律の形を演奏しても,流儀,個人差によって実際の音の異同がはなはだしい。同じ指孔の開け方でも,セメ,フクラの2種の音が出せるが,必ずしもオクターブとはならない。また,ヒシギという特殊な高く鋭く強い音を出すことができる。これらの特色は歌口と歌口にいちばん近い指穴の管内部に「喉 (のど) 」という短い竹管が差込まれていることから生じる。旋律は類型的なパターンから組合され,能の舞の部分に現れる基本的なフレーズに,呂,呂ノ中,干,干ノ中の組合せがあり,これが繰返されたものを「地」という。能における流儀に,森田流一噌流 (いっそうりゅう) などがある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

のう‐かん〔‐クワン〕【能管】
能に用いる、7指孔で長さ約39センチの横。4~6本の短い管をつなぎ、また、吹き口と指孔の間には別の管(喉(のど))をはめ込む。歌舞伎囃子(ばやし)や民俗芸能にも用いられる。能笛(のうてき)。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

のうかん【能管】
日本の横笛の一種。能・狂言においては唯一の旋律楽器であり,歌舞伎囃子,江戸の里神楽,京都の祇園囃子などでも用いられる。能の分野では単に〈笛〉と称することが多く,演奏家も笛方(ふえかた)と呼ばれる。竜笛(りゆうてき)を祖とし,外観や内径の変化はよく似ているが,後述のように管内に喉(のど)(または管(くだ))のある点が異なり,それは能管の最大の特徴でもある。 素材は女竹(めだけ)で,煤竹(すすだけ)を良材とする。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

のうかん【能管】
能の囃子はやしで用いる横笛。七孔で長さは約39センチメートル。外見は雅楽の竜笛りゆうてきに似るが、音は強く鋭い。歌舞伎囃子でも用いられる。能笛。管。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

能管
のうかん
日本の管楽器の一種。竹製の横笛で、能や狂言の囃子(はやし)に用いられることからこの名がある。歌舞伎(かぶき)の下座(げざ)音楽や長唄(ながうた)囃子、また江戸の里神楽(さとかぐら)や京都の祇園(ぎおん)囃子などの各種の民俗芸能にも用いられる。外観や全体の音高が雅楽の竜笛(りゅうてき)に似ているので、竜笛から変化したものと考えられるが、内部構造は竜笛とはまったく異なり、その変化の経緯は不明である。全長約39センチメートル、7孔で、歌口(うたぐち)と指孔の部分以外は外側を樺(かば)または籐(とう)で巻いて漆をかけ、管の内側と歌口および指孔の周囲は朱漆で塗り固めてある。構造上竜笛ともっとも異なる点は、歌口と第1指孔との間に「喉(のど)」とよばれる細く短い管が挿入してあることで、これによって倍音構造がきわめて不規則となり、この楽器独特の鋭い音色と特徴的な音律とが生み出される。[千葉潤之介]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

のう‐かん ‥クヮン【能管】
〘名〙 能楽に用いる横笛。指孔が七つで長さは一尺三寸(約三九センチメートル)。外見は、雅楽の横笛(おうてき)に似るが、管の内側の歌口と指孔の間に別の管(喉(のど))がはめ込まれ、音色が異なる。のちには長唄の囃子(はやし)や里神楽などにも用いられた。能笛(のうぶえ)
※落語・阿七(1890)〈三代目三遊亭円遊〉「琴、胡弓、能管(ノウクヮン)、木管、篠と云ふので御座いまして」

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

能管」の用語解説はコトバンクが提供しています。

能管の関連情報

他サービスで検索

「能管」のスポンサー検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE GROUP, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.