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●胆道感染症
出典:内科学 第10版
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それぞれの用語は原書刊行時(2013年)の時点での最新のものです.常に最新の内容であることを保証するものではありません。また,権利関係の都合で一部表示できない図や画像があります。
加齢とともに
①腹痛、悪心、嘔吐
通常、
②発熱
38℃以上の発熱が現れます。
③黄疸
結石が胆道内に移動し内腔を閉塞すると、胆汁が肝臓内にたまって
④シャルコーの三徴候
胆道感染症の重症型である「急性
①血液検査
白血球増多、胆管結石ではGOT、GPTをはじめ胆道系酵素の上昇、直接型ビリルビンの上昇が認められます。
②腹部単純X線検査、腹部CT検査
カルシウム含量の多い胆石は石灰化像としてみられます。CTは石灰化の有無やその程度の判定に利用されます。
③腹部超音波検査
低侵襲(体をあまり傷つけない)で容易に実施でき、
④そのほかの画像診断
内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)、経皮的経肝的胆道造影(PTC)、経静脈性胆管造影、MR胆道造影など
通常、症状の有無、胆石の存在場所、胆石の性状、合併症などを考慮して治療法を決定します。
胆石症では、経口胆石溶解療法、体外衝撃波結石破砕療法(ESWL)、経皮経肝胆嚢内視鏡による切石術、胆嚢摘出術などを行います。経口胆石溶解療法の適応条件は、コレステロール胆石であること、カルシウム成分の少ないこと、大きさは直径15~20㎜以下、胆嚢機能が保たれていること、などです。
胆管炎では胆道減圧術として、経皮経肝胆管ドレナージ(PTCD)、内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)、内視鏡的逆行性胆道ドレナージ(ERBD)、内視鏡的経鼻胆道ドレナージ(ENBD)などを行います。
急性閉塞性化膿性胆管炎の時は、緊急ESTを行って結石を除去するか、E RBDまたは緊急PTCDを行います。
胆嚢炎は保存的療法でいったん改善することもあります。胆管炎では急性閉塞性化膿性胆管炎を併発した場合には、緊急胆道ドレナージによる胆道減圧術あるいは緊急手術の絶対的適応となります。
高崎 優
出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
胆道とは肝臓で作られた胆汁が十二指腸に流れる通り道のことであり、胆嚢と胆管からなります。その胆道に生じた感染症のことを胆道感染症といいます。
胆汁の流れが良好な場合に胆道感染症を起こすことはまれですが、
①急性胆嚢炎
胆嚢の出口が結石やがんで閉塞することで起こります。脂っこい食事が引き金になったり、胃の手術後に起こることもあります。
②急性胆管炎
胆管内の結石や、胆管もしくは胆管周囲のがんやリンパ節などにより胆管が閉塞することで起こります。また胆管の出口には、腸管からの逆流を防止する役割をしている
①急性胆嚢炎
発熱と右上腹部痛を認めます。時に右肩の痛みを訴えることもあります。激痛を訴えて、腹部全体が硬くなっている時には、胆嚢が破れて腹膜炎を起こしている可能性があります。
②急性胆管炎
寒気を伴う発熱と
詳細な問診(脂っこい食事習慣など)とともに、発熱や右上腹部痛がないか確認します。血液検査では、白血球の増加や炎症反応、肝機能障害がないかを調べます。画像診断では、急性胆嚢炎の場合、腹部超音波検査で胆嚢の
急性胆管炎では、腹部超音波検査で胆管の拡張や胆管結石の有無を調べます。閉塞の原因が結石なのかがんなのかを調べるために、造影CTを行うこともあります。胆管および胆嚢を調べるMRI画像も重要な検査となります。
腹部超音波検査やCT、MRIでも診断がつかない場合でも臨床経過から胆道感染症が疑われる場合には、内視鏡などを用いて直接胆管や胆嚢にチューブを挿入して原因を調べることもあります。
①急性胆嚢炎
炎症の程度に応じて、抗生物質による治療を行う方法、胆嚢に針を刺して感染した胆汁を抜く方法、胆嚢を直接手術で取る方法があります。急性胆嚢炎の患者さんの90%は胆石をもっており、内科治療で一時的に改善しても再発する危険性があるため、最終的には手術をおすすめすることになります。手術の時期については、発症時に行う場合と、炎症が落ち着いた後に行う場合があります。
②急性胆管炎
軽症の場合には抗生物質による治療を行うこともありますが、中等度以上の場合には感染した胆汁を抜くための治療が必要です。重症の胆管炎では、適切に感染した胆汁を抜かないと死に至ります。
胆汁の排泄方法としては、内視鏡を用いてチューブを挿入する方法(ERCP)、おなかの表面から肝臓内の胆管にチューブを挿入する方法(PTCD)、手術で開腹してチューブを挿入する方法があります。感染が落ち着いてから、胆管炎の原因となった病気(結石、がん)の治療を行います。
発熱を伴った上腹部痛、黄疸に気づいたら、内科や外科を受診してください。そのまま放置し重症化すると死に至ることがあります。とくに高齢者では重症化しやすいため、注意が必要です。
佐々木 隆
出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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