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肥満【ひまん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

肥満
ひまん

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵

肥満
体脂肪率」のページをご覧ください

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

デジタル大辞泉

ひ‐まん【肥満】
[名](スル)からだが普通以上にふとること。「肥満しないように運動する」「肥満体」
[補説]日本肥満学会では、体重と身長から割り出される体格指数が25.0以上の場合を「肥満」としている。→体格指数

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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とっさの日本語便利帳

肥満
体脂肪の過剰に蓄積した状態。成人の体脂肪率は標準約一八%で、これを超えた状態を肥満という。体脂肪を直接測る方法はかなり煩雑で、一般に(1)のような判定基準を用いる。また、体格指数として測定されるBMI(2)が二五以上の場合も肥満。
(1)肥満度(%)=〔(体重-標準体重)÷標準体重〕×一〇〇 ※標準体重=身長(m)2×二二
(2)BMI=体重(kg)÷身長(m)2

出典:(株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」

栄養・生化学辞典

肥満
 脂肪組織が過剰に増えている状態.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

ひまん【肥満 obesity】
皮下に過剰に脂肪が蓄積した状態。肥満は文明病とされ,発展途上国では一部の特権階級を除いてほとんどみられないが,欧米など先進国では40歳を超えると3~4割の肥満者が存在するといわれている。日本でも高度成長期の1970年以降増えつつあり,40歳以上で約3割の人が標準体重より20%以上の過剰体重を示すようになった。最近では重症の小児肥満も多くなり,社会的・教育的問題になっている。肥満が今日問題にされているのは,法定伝染病結核のような感染症が栄養状態の改善や療の進歩によりほとんど死に至らない病気になったのに対し,糖尿病高血圧脳卒中心臓病などの成人病が死亡の主因となり,肥満がその発病誘因として大きく関与しているからである。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

ひまん【肥満】
( 名 ) スル
体が肥えふとること。 「 -しやすい体質」
〘医〙 体脂肪が体重の30パーセント以上を占める状態。一般に、体重が標準体重より10~30パーセント多い場合をいうことが多い。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

ひ‐まん【肥満】
〘名〙 (形動) からだが肥えふとること。
古今著聞集(1254)一八「いかにもこの御肥満その故にてぞ候らむ」

出典:精選版 日本国語大辞典
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内科学 第10版

肥満(症候学)
概念
 肥満は身体に脂肪が過剰に蓄積した状態である.肥満による合併症がすでに存在するか,またその発症あるいは増悪にかかわり,医学的管理の必要性があるものを肥満症(obesity)と定義する.肥満の指標として,体重(kg)÷(身長(m))2で求めるbody mass index(BMI)が用いられ,BMI 25以上を肥満とする.臨床的には,肥満に伴う合併症を併発しやすい内臓脂肪蓄積型肥満が重要視されている.
病態生理
1)エネルギーバランス:
肥満をもたらす基礎疾患の有無によって,明らかな原因がない単純性肥満(原発性肥満)と症候性肥満(二次性肥満)に分けられる.肥満の90%以上を占める単純性肥満は,摂取および消費エネルギーのバランスがくずれ,余分なエネルギーが脂肪として貯蔵されることによって生じる.エネルギー摂取過多の要因としては,過食や間食など食物摂取の過剰がある.エネルギー消費系としては,基礎代謝,運動(身体活動),食事誘導性熱産生によるものが,それぞれ60~75%,15~30%,10%の割合で関与している.エネルギー消費系の要因としては,運動不足が最も大きい.基礎代謝や熱産生による消費系はホルモンや自律神経系で自動的に調節される.
2)遺伝要因:
肥満遺伝子(ob gene)は脂肪蓄積に伴って脂肪組織で特異的に発現が亢進し,レプチンを産生する.レプチンは食行動調節中枢が存在する視床下部に運ばれ,同部のレプチン受容体と結合し,摂食を抑制するとともに,自律神経系を介し,末梢でのエネルギー消費を亢進させる.レプチン産生異常あるいはレプチン受容体異常に基づく肥満発症家系が少数例ではあるが報告されている.一般的な肥満症患者では,レプチンの産生や受容体に異常はなく,脂肪蓄積増加を反映して血中レプチン値が増加している.レプチン値が高いにもかかわらず肥満が是正されていないため,肥満症患者にはレプチン抵抗性があると考えられる.
 β3-アドレナリン受容体は脂肪組織に存在し,交感神経系を介する熱産生と脂肪分解に重要な役割を果たしている.このβ3-アドレナリン受容体遺伝子のミスセンス変異がヒトでも比較的多く存在することがわかり,肥満症やその合併症発症との関連が明らかにされている.
 以上より,肥満発症に遺伝的要因が存在することは確実である.しかし,親子間など家族内発症については,食生活や食習慣などが類似しているという後天的要因も関与しており,遺伝的要因だけでは説明できないことも多い.
3)食行動調節系:
食行動は,摂食中枢である視床下部外側野(lateral hypothalamic area: LHA),満腹中枢である視床下部腹内側核(ventromedial hypothalamic nucleus:VMH)および室傍核(paraventricular nucleus:PVN),レプチン受容体を豊富に有する弓状核(arcuate nucleus:ARC) などによって構成される神経回路網によって調節されている.これらの中枢に存在するニューロン群が食行動に連動して血液中で増減するグルコースなどの代謝産物やレプチンなどのレベルをモニターし,食行動に反映させる.PVNには摂食抑制物質である副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(corticotropin releasing hormone:CRH)が存在し,レプチンによって促進性の制御を受けている.ARCは摂食促進物質であるニューロペプチドY(neuropeptide-Y:NPY)やアグーチ関連蛋白(agouti-related protein:AgRP),摂食抑制系であるpro-opi­omelanocortin(POMC)系ニューロンが存在し,レプチンによってそれぞれ抑制性と促進性の調節を受けている.その他ノルアドレナリン,セロトニン,ヒスタミンなどのモノアミン類も食行動やエネルギー代謝の調節物質として作動している.
 胃や肝臓の内臓由来の内因性情報,環境温度など体性感覚によってもたらされる外因性情報も,視床下部に入力しており,視床下部はそれらの情報を統合的に処理することによって,動物の食行動をより適切なものへと導いている.また食行動の動機づけや,意志,欲求,記憶,認知など,より高次の脳機能に関与する大脳皮質連合野や大脳辺縁系からの情報入力もある.ストレス過食など,ヒトの肥満症発症につながる問題食行動にはこの調節系の影響が大きい.
4)代謝動態:
肥満に伴うインスリン抵抗性には,脂肪組織より分泌されるTNF-αやレジスチンなどのアディポサイトカインが関与している.肥満症で増加する遊離脂肪酸(free fatty acid:FFA) も,脂肪毒性を介してインスリン作用を抑制する.インスリンの作用低下は,やがて耐糖能異常,糖尿病の発症へと結びつく.一方,アディポネクチンは脂肪組織特異的に発現する蛋白で,抗動脈硬化作用,抗糖尿病作用を有する.肥満に伴ってアディポネクチンが減少することも,インスリン抵抗性や動脈硬化の増悪につながる.
 食事性脂肪から合成されたカイロミクロンや,肝で合成されたVLDLの主成分である血液中のトリグリセリド(TG)は,リポ蛋白リパーゼ(lipoprotein lipase:LPL)によりFFAに分解される.この段階で脂肪細胞内に取り込まれたFFAとグルコースによって,脂肪細胞内でTGが合成される.この過程で,インスリンはLPL活性およびグルコースの細胞内取り込みを促進することにより,脂肪合成に促進的に働く.脂肪分解の過程では,脂肪細胞内に蓄積されたTGがホルモン感受性リパーゼ(hormone sensitive lipase:HSL)によってFFAとグリセロールに分解される.インスリンは,HSL活性を抑制することで脂肪分解に抑制的に働く.したがって,高インスリン血症は基本的には脂肪合成促進,脂肪分解抑制作用を介し,脂肪蓄積を増大させる方向で働くことになる.肥満症では,過剰エネルギー摂取による原料供給と脂肪組織からのFFAの動員増加があり,肝臓でのTGおよびVLDLの過剰産生,過剰分泌が起こる.一方,末梢組織のインスリン抵抗性が増大すると,LPL活性はむしろ低下し,TGの異化障害が加わって,高トリグリセリド血症,高VLDL血症をきたすことになる.
合併症
1)代謝系:
高インスリン血症,2型糖尿病,耐糖能異常,脂質異常症,高尿酸血症および痛風を認める.
2)メタボリック症候群:
内臓脂肪蓄積型肥満に脂質異常症(高トリグリセリド血症または低HDL血症),高血糖,高血圧のうち2つを合併した病態をメタボリック症候群と診断する.心筋梗塞など動脈硬化性疾患の危険因子として注目されている.
3)循環器系:
高血圧,冠動脈疾患,脳血管障害,肥満関連腎臓病などがある.
4)呼吸器系:
睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome),肥満低換気症候群が問題である.
5)消化器系:
脂肪肝,胆石症の合併が多い.
6)その他:
変形性膝関節症,股関節症などの整形外科的疾患,女性では無月経などの月経障害や妊娠合併症(妊娠糖尿病,妊娠高血圧症候群,難産)がある.胆道癌,大腸癌などの悪性疾患の発生率も高い.
診断
 BMIが一般的に用いられ,BMI 25以上を肥満と定義する.インピーダンス法などを用いた体脂肪率の測定では,男性で25%以上,女性で30%以上を肥満と判定することが多い.腹部CT断面像による蓄積内臓脂肪の判定(脂肪面積が100 cm2以上のものを内臓脂肪型肥満と診断) も重要だが,簡便法として臍レベルでの腹囲測定を行い,男性85 cm以上,女性90 cm以上を内臓脂肪蓄積型肥満とする.
鑑別診断
 おもな症候性肥満症を表2-23-1に示す.[浅原哲子・小川佳宏]

文献
石川勝憲ほか:肥満の見分け方.臨床症状シリーズ7.肥満(上田英雄,他編),南江堂,東京,1979.日本肥満学会:肥満症治療ガイドライン2006.肥満研究,12: 2006.吉松博信:脳と食欲制御.臨床糖尿病学,内分泌・糖尿病科,20: 76-90, 2005. 

出典:内科学 第10版
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