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【せい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典


せい
holiness
宗教の基本的概念の一つ。第一義的には神または絶対者,もしくはそれに類する神格の本質的属性であり,消極的には一切の不完全やけがれ,特に倫理的欠陥,罪の欠如をさし,積極的にはほかのいかなるものをもこえたその絶対性,特に万物規範としてのその完全性をさす。このような超絶性は,人間に戦慄感と同時に深い魅力をも生じさせる。神以外の人間や事物も,この第一義的聖との関連において聖といわれる。

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ひじり
「日知り」といわれるように天皇をさす。また「ひじりを立てる」というように,容易ならざる堅固な道心を要する語。聖人,上人ともいった。仏教では高僧の呼称でもあるが,また一般民間の僧のこともいった。初期には苦行的性格が強く,持経者的,呪験者的なものをはじめ,慈善救済,勧進,遊行説経,隠遁,起塔造像写経,霊地霊寺巡歴,肉食妻帯,念仏者など,また呉服を背負って行商する者など,1つの概念では包みきれない多様なものを意味したのが特徴。民衆に仏教を説いた空也をはじめ,東大寺勧進の重源新義真言宗を開いた覚鑁 (ばん) ,関白九条兼実の祈祷師仏厳,専修念仏を唱えた法然らも聖であった。とにかく仏教を民衆のものにした功績は高く評価されている。

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デジタル大辞泉

せい【聖】
[名・形動]
神聖でおかすことのできないこと。清らかで尊いこと。また、そのさま。「なる神」「なる川」
知徳がきわめてすぐれ、理想的であること。また、その人。ひじり。
(濁酒を賢とするのに対して)清酒。
saint》キリスト教で、聖者の名に冠する語。セント。「パウロ」

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せい【聖】[漢字項目]
[音]セイ(漢) ショウ(シャウ)(呉) シン(唐) [訓]ひじり
学習漢字]6年
〈セイ〉
知恵や人徳がすぐれている。また、そのような理想的人物。「聖賢聖人聖哲亜聖四聖先聖大聖
その道に特に秀でた人。「歌聖画聖楽聖詩聖書聖俳聖
天子。また、天子に関する物事に冠する語。「聖恩聖算聖断列聖
おごそかで犯しがたい。けがれがない。「聖域聖火神聖
キリスト教で、神聖な事柄に冠する語。「聖餐(せいさん)聖書聖夜聖霊
〈ショウ〉仏教で、高徳の僧。ひじり。「聖人(しょうにん)
[名のり]あきら・きよ・さと・さとし・さとる・たから・とし・まさ
[難読]祝聖(しゅくしん)

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ひ‐じり【聖】
世の模範と仰がれる、知徳の高い人。聖人。
その道で特に技量にすぐれ、模範とされる人。「歌の
高徳の僧。また一般に、僧に対する敬称。
寺院に所属せず、山中などにこもって修行する僧。行者。修験者。
諸国をめぐって勧進乞食(こつじき)などをして修行する僧。高野聖遊行聖(ゆぎょうひじり)などのこと。
天皇を敬っていう語。
「橿原の―の御代ゆ生(あ)れましし神のことごと」〈・二九〉
《中国で清酒を「聖人」と称した故事から》清酒の異称。
「酒の名を―と負せし古の大き聖の言のよろしさ」〈・三三九〉

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世界大百科事典 第2版

ひじり【聖】
知徳のすぐれた天子神通力をえた仙人,学徳の秀でた僧,物ごとを極めた達人などに対する尊称。とくに平安時代以降,僧位僧官につかず,世を捨て仏道にはげんだ隠遁求道の僧,祈禱・予言・卜占・死者の葬祭にあたった民間仏教者を指す。ひじりは漢字〈聖〉の和訓であるが,その語源は〈日知り〉または〈火治り〉とされる。日のように天下のことを知る人,天文暦数に通じ日の吉凶を知る人,神聖な火を管理する人などの意である。火は霊魂シンボルであるから,霊魂のことをつかさどる宗教者を指しているとみてよい。

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大辞林 第三版

せい【聖】
( 名 )
ひじり。聖人。
〔Saint〕 聖人の名に付ける語。 「 -ヨハネ」
非日常的で冒しがたい宗教独自の価値。神聖。日常的・一般的現象の価値である「俗」と対置される。
清酒。中国で濁酒を「賢」というのに対していう。
( 形動 ) [文] ナリ 
けがれがなく、清らかで尊いさま。 「 -なる土地」

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ひじり【聖】
〔「日知り」の意〕
高徳の僧。高僧。また、一般に僧の敬称。
寺院に属さず、遁世とんせいして修行に励む仏教者。また、特に妻帯しない修行者。
高野聖・遊行聖・勧進聖など、布教や勧進を行うため、各地を遍歴する僧。多くは下級の僧で、民衆の信仰と結びついていた。
徳の高い人。聖人。
ある方面についての知識・技量がひときわすぐれている人。 「柿本人麿なむ、歌の-なりける/古今 仮名序
天皇の尊称。 「玉だすき畝傍うねびの山の橿原の-の御代ゆ/万葉集 29
〔中国で清酒を「聖人」と称したことから〕 清酒の異名。 「酒の名を-と負せし古の大き聖の言の宜しさ/万葉集 339
〔笈おいを負った高野聖に姿が似るところから〕 呉服の行商人。聖方。

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精選版 日本国語大辞典

しょう シャウ【聖】
〘名〙 (「しょう」は「聖」の呉音) 学識や人格がひじょうにすぐれていること。けがれなく、清らかであること。また、その人。ひじり。聖人。
往生要集(984‐985)大文一〇「垂凡入一レ聖之時、此位中有一類之人、聞法甚難」

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せい【聖】
〘名〙
知徳の最もすぐれて、万世の師表となること。また、その人。ひじり。
※正法眼蔵(1231‐53)山水経「しるべし、山は賢をこのむ実あり、聖をこのむ実あり。帝者おほく山に幸して賢人を拝し、大聖を拝問するは、古今の勝躅(しょうちょく)なり」 〔書経‐大禹謨〕
② (形動) 清浄、尊厳でおかしたり、けがしたりし難いこと。また、そのさま。神聖。
※青春(1905‐06)〈小栗風葉〉秋「無数の其の星屑は、一つ一つ聖なる活きた光を胸に沁ませて」
③ (sanctus saint の訳語) ローマ‐カトリック教会から列聖された者(聖人)の名に冠する語。また、プロテスタントでは聖者号はないが、聖書中の主な人々を聖ペテロ、聖パウロなどと呼ぶ。
※洋楽手引(1910)〈前田久八〉音楽の発達「聖(セイ)ヨハネの歌の中の」
④ 清酒の異称。濁酒を「賢」というのに対する。
※洒落本・蕩子筌枉解(1770)羅相作「聖(セイ)とはまんぐゎんじすみだ諸白の類」 〔杜甫‐飲中八仙歌〕

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ひ‐じり【聖】
〘名〙
① 徳が高く神のような人。知徳がすぐれ、世の模範と仰がれるような人。聖人。
※徒然草(1331頃)一二二「人の才能は、文あきらかにして、聖の教を知れるを第一とす」
② 天皇の尊称。
※書紀(720)大化二年八月(北野本訓)「最霊之間に聖、人主(きみ)(た)り。見を以て聖主(ヒシリ)の天皇、天に則(のと)りて」
③ 仙人。神仙。やまびと。
※書紀(720)雄略二二年七月(前田本訓)「浦島の子〈略〉蓬莱山(とこよのくに)に到りて仙衆(ヒシリ)を歴(めく)り覩(み)る」
④ その分野で、ぬきんでてすぐれている人。その道で卓越した人。達人。
※古今(905‐914)仮名序「柿本人麿なむ、歌のひじりなりける」
⑤ 徳をつんだ僧。高徳の僧。聖僧。大徳。
※宇津保(970‐999頃)蔵開中「このみうしろでの広ごりかかるに見つきてこそは、われはひじりになりにたれ」
⑥ 一般に僧侶の敬称。出家。法師。
※枕(10C終)三三「その事するひじりとものがたりし」
⑦ 寺院にはいらず、私的に修行している隠遁僧。また、修験集団などに属し、修行して験力を得た僧。行者。修験者。
※源氏(1001‐14頃)蓬生「同じき法師といふ中にもたつきなく、この世を離れたるひしりにものし給ひて」
⑧ 諸国をめぐって勧進したり、乞食(こつじき)をしたりして修行する僧。また、特に高野聖やそれの転じた時宗の遊行聖(ゆぎょうひじり)のこと。ひじりかた。
※金刀比羅本保元(1220頃か)下「紀伊守範道と云者、道心を発(おこし)出家遁世して蓮誉と名乗、諸国一見の聖(ヒジリ)と成たりけるが」
⑨ (中国で酒を禁じられた時、清酒を「聖人」と称した故事による) 清酒の異称。
※万葉(8C後)三・三三九「酒の名を聖(ひじり)と負せし古の大き聖の言のよろしさ」
⑩ 呉服行商人のこと。その姿が笈(おい)を背負った高野聖に似ていたところからいう。ひじりかた。〔随筆・嬉遊笑覧(1830)〕

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ひじ・る【聖】
〘自ラ四〙 (「ひじり(聖)」の動詞化) ひじりのようになる。ひじりらしくふるまう。また、僧になる。
※貞享版沙石集(1283)四「父に似て聖るべからず」

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