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翻案【ほんあん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

翻案
ほんあん
adaptation
用語。新しい形式や目的に合うように作品を作り変えること。たとえば小説を劇に,劇をミュージカルに仕立て直すことなど。古典劇では,時代によって異なる観客の好みに合せるため,または原作の今日性をきわだたせたり,原作を用いて現代の問題を扱うために改作,翻案されることがある。また外国文学移植の場合は,原作に忠実な「翻訳」に対して,筋や事件は原作に従いながら,地名人名風俗人情などを自国のものに置き換える場合などをいう。

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デジタル大辞泉

ほん‐あん【翻案】
[名](スル)既存の事柄の趣旨を生かして作りかえること。特に小説・戯曲などで、原作の筋や内容をもとに改作すること。また、そのもの。「舞台を日本に置き替えて翻案する」

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世界大百科事典 第2版

ほんあん【翻案】
文学作品の筋や仕組みを換骨奪胎して別の作品に改作することであるが,とくに外国作品を自国風に書き改めることを指す。平安朝漢詩文では典拠をほかに仰いだことを誇示する傾向が強かったが,明治以降には日本文学の致富発展の意図で翻案が多く試みられた。政治小説の類に翻案が顕著である。尾崎紅葉もまた多数の翻案作品を書いた作家の一人で,《夏小袖》(1892)でモリエール守銭奴》を翻案したが,原作の喜劇特有の風刺も批評精神もとりあげられず,会話の滑稽味を強調する江戸風茶番劇に仕立てられ,紅葉そのひとの創作に近いものになっている。

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大辞林 第三版

ほんあん【翻案】
スル
小説・戯曲などの、原作を生かし、大筋は変えずに改作すること。 ハムレットを江戸時代の話に-する -小説
事実を仮構すること。 証拠のあるものを-することは出来まいから/雪中梅 鉄腸

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日本大百科全書(ニッポニカ)

翻案
ほんあん
文学作品で、原作の筋(すじ)、内容を別の作品に書き改めることで、英語のadaptationのこと。『竹取物語』や『源氏物語』などにインド・中国に由来する物語もあるが、西洋からはホメロスの『ユリシーズ』が『百合若(ゆりわか)大臣』(作者不詳)として初めて室町時代に翻案されたという。明治以後、とくに西洋の作品を日本風に改作することが盛んになった。社会、事件、人物などを日本化するが、固有名詞を日本語に改めるだけでは翻案でない。原作のおもかげをとどめながらも、異相を呈し、別の作品としての生命力をもつ作品の場合すでに翻案の域を越えているが、原作の筋と仕組みをそのまま移し変えたにすぎないような作品は剽窃(ひょうせつ)である。翻案とはその中間に位置する作品である。翻案の場合、ときには原作の精神や主要な部分が欠落したり変容したりすることも少なくない。
 明治初期には政治小説の類に翻案が多かったが、尾崎紅葉(こうよう)はとくに優れた翻案作品を残した作家である。紅葉の『夏小袖(こそで)』(1892)はモリエールの『守銭奴』の翻案であるが、日本化の過程で原作の喜劇性は薄れ、会話の滑稽(こっけい)味が強調されて江戸風の茶番狂言の趣(おもむき)が濃くなっている。原作の人物の性格描写や風刺・批判精神が取り上げられず、紅葉その人の創作を思わせる作品となっているのである。これは『隣の女』(1893)でも同様で、原拠のゾラの小説『一夜の恋ゆえに』の自然主義小説特有の暗黒面は省かれて、紅葉一流の市井の日常生活的な風俗描写になっている。作者のなかには翻案であることを隠さない者もいた。その一人、福地桜痴(おうち)は『あはれ浮世』で、これがユゴーの『レ・ミゼラブル』の翻案であることを明記した。大衆文学では翻案作品はきわめて多く、岡本綺堂(おかもときどう)の『半七捕物帳』はコナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ』に着想を得ていることは有名である。純文学でも翻案は少なくない。[富田 仁]
『吉武好孝著『明治・大正の翻訳史』(1959・研究社出版) ▽中島健蔵・太田三郎・福田陸太郎編『比較文学――目的と意義』(1971・清水弘文堂)』

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図書館情報学用語辞典

翻案
改作の一種で,わかりやすくするために,“外国の小説,戯曲などを,筋や事件は原作のままとして,人情,風俗,地名,人名などを自国のものに”(『日本目録規則1987年版改訂3版』用語解説)改めること.翻案者は,『日本目録規則1987年版改訂3版』では,著者と同じく主な著作関与者として扱われている.

出典:図書館情報学用語辞典 第4版
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精選版 日本国語大辞典

ほん‐あん【翻案】
〘名〙
① 前人が作っておいた趣意を言いかえ作りかえること。また、事実を作りかえて言うこと。
※太平記(14C後)七「一首の古歌を翻案(ホンアン)して」
② 自国の古典や外国の小説、戯曲などの大体の筋・内容を借り人情、風俗、地名、人名などに私意を加えて改作すること。
※都新聞‐明治三六年(1903)九月六日「沙翁の『ハムレット』を翻案せるもの」

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