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織部焼【おりべやき】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

織部焼
おりべやき
安土桃山時代末期,岐阜県土岐市付近で始り,江戸時代を通じて愛知県瀬戸市一帯で焼かれた瀬戸焼の一種。茶人古田織部の指導によって創始されたといわれる。狭義には安土桃山時代の美濃焼をいい,主として九尻元屋敷 (土岐市泉町九尻) で焼かれた。その後,天明年間 (1781~89) から瀬戸北島で再興されたが,まもなく磁器の普及に押されて衰退幕末には尾張赤津で春岱が桃山期の織部を模して世に知られた。織部焼は志野焼と明確に区分できない部分があるが,概して次のような特色がある。器表に草画体の簡素な絵文様を描き,青緑色の (うわぐすり) をかけた絵織部と呼ばれる作品が最も多い。その他,器表の一部または全面に青緑色釉をかけた青織部,黒色釉をかけた黒織部,赤土と白土を継ぎ合せて作り,白土のほうに青釉,赤土のほうに白泥で文様を描き,鉄釉の線描きを加えた鳴海 (なるみ) 織部,その赤土の部分だけ独立させた赤織部などの種類がある。文様は写生風,異国風,幾何学的なものなど多様。器形も多岐をきわめる。器質は焼成の火度が低くやや軟らかい。安土桃山時代末期~江戸初期の作品にすぐれたものが多い。

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デジタル大辞泉

おりべ‐やき【織部焼】
桃山時代美濃地方で産した陶器。その名は茶人古田織部好みの奇抜な形・文様の茶器を多く産したことによる。釉(うわぐすり)の色により青織部・赤織部・黒織部などがある。

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世界大百科事典 第2版

おりべやき【織部焼】

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大辞林 第三版

おりべやき【織部焼】
美濃系の窯で産する陶器の一。天正年間(1573~1592)に古田織部の指導により創始。形・文様の斬新さで知られる。青織部・黒織部・志野織部などがある。織部。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

織部焼
おりべやき
美濃(みの)国(岐阜県)東部の美濃窯で焼かれた創造性豊かな陶器。同地は平安時代以来の製陶の伝統があるが、室町末期に至って大きな展開をみせ、とくに新興の「わび」の器、茶の湯の道具に供すべく、茶人の趣向をもった茶具を焼造し始めた。その延長上に桃山時代後半の慶長(けいちょう)(1596~1615)初年から創作され始めたのが織部焼で、作風・意匠のうえに当時の茶道界のリーダー古田織部好みといわれる特色があるため、この名称でよばれる。代表的な美濃窯の一つである土岐(とき)市久尻(くじり)元屋敷窯で九州の唐津焼(からつやき)から導入された連房式登窯(のぼりがま)を用いて多量に焼き始められ、また秀作もここで多く焼造された。また亜流の様式のものが可児(かに)市弥七田窯、多治見(たじみ)市笠原(かさはら)町の念仏、稲荷(いなり)、西などの諸窯、瑞浪(みずなみ)市の大川東窯など周辺の窯で、江戸初頭から中期にかけて焼造され続け、江戸後期になるとその伝統を瀬戸の陶工たちが再興している。
 織部焼の造形、意匠上の特色は、従来の円形を中心とする形の概念を徹底的に打ち破った自在な「形姿」と、描き込まれる文様やその構成が固定の概念にまったく拘束されないという破天荒な「意匠性」の2要素から成り立っている。こうした方向はすでに先行する志野陶にも示されていたが、織部焼はこの新機軸を貫徹したといえる。不整形が基本となるため、成形には型が繁用され、装飾には緑釉と鉄絵が活躍する。緑釉だけのものは総織部、鉄絵併用は鳴海織部(なるみおりべ)、志野風の色濃い鉄絵は志野織部、黒釉のかかった織部黒、黒釉に鉄絵を加えた黒織部など多様な作風が繰り広げられ、桃山時代の創意ある時代精神をよく示す美術品となっている。製品は茶碗(ちゃわん)、花いけ、水指(みずさし)などよりは、懐石道具類にその力量がよく表れている。[矢部良明]
『竹内順一編『日本陶磁全集16 織部』(1976・中央公論社)』

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精選版 日本国語大辞典

おりべ‐やき【織部焼】
〘名〙 美濃の古陶窯で作る陶器。茶人古田織部の好みに従った陶器をいう。銅釉を用いる。茶器、懐石に用いられ斬新な器形と文様で知られる。青織部、赤織部、黒織部、黄織部、志野織部、伊賀織部、唐津織部などがある。織部。
※俳諧・俳諧一葉集(1827)「唐に独の茶数奇有けるが〈似春〉 織部焼なる秦の旧跡〈芭蕉〉」

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旺文社日本史事典 三訂版

織部焼
おりべやき
古田織部の意匠に基づく陶器
尾張・美濃地方で焼かれ,文禄・慶長(1592〜1615)のころが全盛期で,寛永(1624〜44)ごろまで続けられた。意匠の美しさと変化に富み,黒褐色または明るい緑色の釉薬 (うわぐすり) を用いるのが特徴である。

出典:旺文社日本史事典 三訂版
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