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網膜【もうまく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

網膜
もうまく
retina
眼球壁の最内層で,硝子体に接する透明な薄。発生学的にはの一部が突出して発育した組織。光を感じる視部と,光を感じないで,毛様体虹彩の内部をおおう盲部とがある。視部は,脈絡膜内側にあり,眼球後極部近くのくぼみ (中心窩) は視覚の最も鋭敏な場所で,付近が黄色に見えるので黄斑と呼ぶ。視部は脈絡膜に接して色素上皮層,その内方に錐状体・杆状体層,外境界膜,外顆粒層,外網状層,内顆粒層,内網状層,神経細胞層,視神経線維層,内境界膜の 10層があって硝子体を包む。この錐状体は明光を,杆状体は弱光を感じる視細胞。光が眼内に入ると,神経の興奮が後極の視神経乳頭に集って脳に伝えられて,視覚となる。

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デジタル大辞泉

もう‐まく〔マウ‐〕【網膜】
眼球を覆う最も内側の膜。目の最も重要な部分で、外界の光を受けて像を結ぶ。視細胞視神経の末端とが分布していて、視細胞から刺激が視神経によって脳に伝えられ、色や明暗を識別する。
[補説]神経網膜網膜色素上皮で構成される。

出典:小学館
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栄養・生化学辞典

網膜
 眼球壁の最も内側にある膜で,視細胞があって,光を感知して脳へ伝える役割をする.

出典:朝倉書店
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生活習慣病用語辞典

網膜
眼球の内壁を覆う膜のことで、カメラに例えるとフィルムにあたり、とらえられた情報が視神経により伝えられ、色や光を識別します。

出典:あなたの健康をサポート QUPiO(クピオ)
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世界大百科事典 第2版

もうまく【網膜 retina】
眼球壁を構成する膜の一つで,最内層の部分。眼底から毛様体,虹彩の裏面までをおおう。毛様体,虹彩の裏面の部分を網膜盲部,脈絡膜部分を視部という。しかし,眼科学では単に網膜といえば,光を受けて視力を得る視部を指す。盲部と視部の境界はのこぎり状である。網膜は外側より,(1)色素上皮層,(2)視細胞層,(3)外境界膜,(4)外顆粒層,(5)外網状層,(6)内顆粒層,(7)内網状層,(8)神経節細胞層,(9)神経繊維層,(10)内境界膜,の10層で構成される。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

もうまく【網膜】
眼球内壁をおおう膜。視覚器の主要部で、多数の視細胞とそれに連絡する視神経が分布する。ヒトでは外界の光がこの膜上で像を結ぶと、視神経がその刺激を大脳皮質の視覚中枢へ伝える。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

網膜
もうまく
retina
眼球壁のもっとも内側の膜で、人間の目をカメラに例えたとき、フィルム(感光膜)に相当するものが網膜である。すなわち、角膜を通り瞳孔(どうこう)(ひとみ)を通過して水晶体と硝子体(しょうしたい)を通った光線は、網膜へ像を結ぶことによって見る対象の知覚が始まる。しかし、網膜はフィルムとは比較にならないほど精巧な構造と働きをもった感光膜であり、視細胞のほか、双極細胞、神経節細胞などの神経細胞が複雑に絡み合ってできている。
 網膜は場所によって厚さが違うが、平均すると約0.2ミリメートルの厚さをもった透明な膜である。実際に感光膜としての働きの中心になる感覚細胞、すなわち光を感ずる視細胞は、光の進行からみると膜のいちばん奥に位置している。網膜の感光度は周囲の明るさに応じて変化し、暗いところでは感度が上がり、明るいところでは感度が下がる。この点ではフィルムよりもテレビカメラの撮像管に似ている。しかし、撮像管は明暗に応じて感度を切り替える必要があるが、網膜の感度は無段階に自動的に変化するので、撮像管よりさらに精巧である。また、網膜のこの感光度の変化の幅をフィルムの感度と比較してみると、明るいところでISO(イソ)50ぐらいのフィルムとして働いているが、夕方の薄暗いところではISO400ぐらい、真っ暗なところで感度がもっとも上がるとISO5000のフィルムに相当するようになる。さらに網膜がフィルムと違う点は、網膜が部位によって解像力を異にするということである。すなわち、網膜の中心の黄斑(おうはん)では解像力が非常に鋭く、中心を離れると解像力が急速に落ちていく。1.2とか1.5という視力は、この中心部の解像力である。
 前述の視細胞には錐体(すいたい)と桿体(かんたい)との2種類があり、鋭い視力や色の感覚と関係があるのは錐体で、暗いところで感度が上がることと関係のあるのが桿体である。したがって、部位によって視力が違うのは、この錐体の分布密度と関係している。すなわち、視力のもっとも鋭い黄斑の中心部には錐体だけが存在し、ここから離れるにしたがって錐体の密度は低くなっていく。また、網膜にある錐体の数は約700万個、桿体の数は1億個以上である。これに対し、網膜で受け取られた情報を大脳へ伝える視神経の神経線維の数は約100万本である。したがって、網膜の中心部の錐体は一つの細胞と1本の神経線維が連絡しているが、中心から離れるにつれて数多くの視細胞が一つの働きのうえの単位をつくって1本の神経線維と連絡している。このことも、網膜の中心の解像力が優れていることと関係がある。
 網膜に外界の像が写り視細胞が刺激されると、細胞から電気信号(パルス)が視神経へ送られる。網膜の像が写って視神経を通って大脳へ刺激が伝わる過程を、テレビカメラで像を撮ってビデオテープに記録する過程と比較すると、目からの情報の伝わり方がよくわかる。すなわち、視神経から先では情報が電気信号に変換されて運ばれるわけで、これはテレビカメラの撮像管に写った像が電気信号に変換されてビデオテープに記録される過程によく似ている。また、網膜の中でも神経細胞どうしの連絡があるので、これも視神経へ信号が送られる前に網膜の中で画像情報処理が行われているということができる。
 網膜を検眼鏡で観察すると、網膜は透明なので、その奥にある網膜色素上皮層と脈絡膜との色調によって橙赤(とうせき)色に見える。さらに、透明な網膜の中を走る血管、網膜の中心部である黄斑、視神経の出口である視神経乳頭が認められる。[松井瑞夫]

網膜の疾患

網膜にも種々な疾患が発生する。網膜血管病、網膜の炎症、網膜剥離(はくり)など網膜自体の疾患も多いが、高血圧や糖尿病などの全身疾患のときに網膜の血管を中心にいろいろな変化が現れる。
 なお、かつて網膜の炎症性疾患を網膜炎と総称していたが、眼病理学の進歩とともに網膜炎を網膜症または網膜変性症、あるいは病因を示す疾患名に改められつつある。たとえば、糖尿病性網膜炎を糖尿病性網膜症(糖尿病網膜症)、色素性網膜炎を網膜色素変性症と改称したのも一例である。また、従来の網膜炎はぶどう膜炎の一部とみられるようになっている。[松井瑞夫]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

もう‐まく マウ‥【網膜】
〘名〙
① 眼球の内面を覆う膜。ここに光の感受装置があり、この刺激が脳に伝わって物体の像となる。
※重訂解体新書(1798)二「網膜 涅多・弗力乙斯(ネット・フリイス)蘭」
② 大網(だいもう)①の古称。腸間膜にあたる胃の後胃間膜の一部。「解体新書」では腸膜としている。
蘭学逕(1810)「胃と共にするは短脉を以し、net (網膜)左腎と共にし、且少し横隔と共にするは膜に由る」

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