Rakuten infoseek

辞書

絶句【ぜっく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

絶句
ぜっく
Jue-ju
中国,古典詩の詩体の一つ。最も短い形式で1首が4句から成るもの。この名称は六朝時代末期からあり,「断句」とも呼ばれているところから,古詩の最小単位である1解の4句で「絶ち切った」詩という意に考えられる。したがって元来は古詩としてつくられたものを意味したが,唐に入って近体詩の規則が定まるにつれ,その韻律に合せてつくられるようになり,今日ではむしろ1首4句の近体詩をさす。1句の字数によって五言絶句七言絶句と呼ばれ,まれに六言絶句がある。各句は起句承句転句結句から成り,起句でうたい起し句でそれを承 (う) け,転句で一転して結句で結ぶという,最も標準的な1首中における役割をそれぞれが示す。平仄 (ひょうそく) で厳格に守らねばならないのは偶数番目の文字で,そのほか「下三手」 (1句の下3字がすべて平声) ,「孤平」 (平声1字が孤立し,上下に仄声の文字がくる) が比較的強い禁忌であるなど,すべて近体詩の規則と同じであるが,対句は必須の条件ではない。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

ぜ‐く【絶句】
《「ぜっく」の促音の無表記》「ぜっく(絶句)2」に同じ。
「おのおの―など作りわたして」〈松風

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

ぜっ‐く【絶句】
[名](スル)
話や演説の途中で言葉に詰まること。また、役者が台詞(せりふ)を忘れてつかえること。「感情が高ぶって絶句する」
漢詩の詩体の一。起・承・転・結の4句からなり、1句が5字の五言絶句と7字の七言絶句とがあり、いずれも平仄(ひょうそく)と押韻のきまりがある。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

ぜっく【絶句 jué jù】
中国詩の詩体の一つ。4句で完成するもので,五言絶句,六言絶句,七言絶句の3種類がある。絶句ということばは,元来は古詩,もしくは古楽府(がふ)の長編の詩の中から連続する4句をとりあげて独立させ,その部分のみを朗誦する形にしたものであって,そうした絶句の例としては《玉台新詠》(梁の徐陵の撰)の中の〈古絶句四首〉を求めることができる。 やがて唐代になると,始めから4句で完成する詩形として絶句が作られるようになった。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

ぜっく【絶句】
( 名 ) スル
話や台詞せりふの途中で言葉につまること。 「突然の知らせにしばし-する」
漢詩の近体詩の一種で、起・承・転・結の四句からなる定型詩。五言絶句と七言絶句とがある。唐代に、韻律を整えた近体詩として成立し、律詩とともに典型的な詩形となった。その平仄ひようそく法が律詩の前半または後半と同じであるところから、「小律詩」とも呼ばれる。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

絶句
ぜっく
中国古典詩の詩体の一つ。四句からなるもので、最小の詩体である。一句の字数が五字の「五言(ごごん)絶句」、七字の「七言(しちごん)絶句」の2種がある。六言のものもあるが、一般的にならなかった。絶句の名称は、律詩(りっし)(八句の詩)に半絶したもの、一句一絶の意など、諸説があって定まらない。五言絶句の源は、六朝(りくちょう)の晋(しん)・宋(そう)のころ、揚子江(ようすこう)の下流・中流地域に流行した「子夜歌(しやか)」「西曲歌」などの民歌である。
【子夜歌】
 落日出前門 日暮れに門先に出て
 瞻矚見子度 子(きみ)の来るのを望み見る
 冶容多姿鬢 あで姿なまめかしく
 芳香已盈路 良い匂い、路に満ちる
【西曲歌・襄陽楽】
 朝発襄陽城 朝襄陽のまちを出て
 暮至大宿 暮れに大で泊まる
 大諸女児 大の娘たちは
 花艶驚郎目 あでやかで郎(きみ)を驚かす
 上のように男女の愛情を軽妙な表現で歌ったものが多く、日本の端唄(はうた)、都々逸(どどいつ)のような趣(おもむき)をもつものである。これがやがて文人の注意をひき、斉(せい)・梁(りょう)以後盛んにつくられるようになった。民歌風のものからしだいに重み、深みを増したものとなり、唐に入って韻律の規格も整い、近体詩の一つとして形を定めた。
 また七言絶句は、七言の体のすべてがそうであるように、五言の発展に便乗した形で、六朝末から唐にかけて急激におこり、初唐の末には体が定まった。そして五言、七言ともに盛唐に至って最高潮に達したが、とりわけ七言絶句はもっとも普遍的な体として盛行した。絶句は最小の詩体であるだけに、着想、感覚、表現に研ぎ澄まされた鋭さが要求され、また言外の情という、文字の外に漂う余韻を重んずる。
【王維鹿柴(ろくさい)
 空山不見人 空山人を見ず
 但聞人語響 但(た)だ人語の響きを聞く
 返景入深林 返景深林に入り
 復照青苔上 復(ま)た照らす青苔の上
わずか20字のなかに幽玄の世界がとらえられ、詩人の悠々たる心境が余韻となって漂う。絶句は一字一字が吟味され、一句一句が緊密に構成される。起承転結の構成法も、もっとも効果を発揮する方法として、自然に定まったものである。唐代の絶句の集成に、宋の洪邁(こうまい)の『万首唐人絶句』101巻(うち75巻が七言絶句)がある。[石川忠久]
『高木正一著『近体詩』(『中国文化叢書4 文学概論』所収・1967・大修館書店)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

ぜ‐く【絶句】
〘名〙 (「ぜっく」の促音「っ」の無表記) =ぜっく(絶句)
源氏(1001‐14頃)松風「おのおの、絶句など作りわたして、月、花やかにさし出づるほどに」

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

ぜっ‐く【絶句】
〘名〙
① 漢詩の近体詩で、一首が起・承・転・結と呼ばれる四句からなるもの。一句の字数によって五言(ごごん)絶句、七言絶句という。古詩の最小単位である四句で断ちきったところからこの名があるとされ、唐代にいたってそれに近体詩の韻律をあてはめたもの。ぜく。
※菅家文草(900頃)四「読開元詔書、絶句」
※太平記(14C後)一二「寒夜の即事を言(こと)ば明に五言の絶句(セック)にぞ作せ給ける」 〔滄浪詩話‐詩体〕
② (━する) 途中で、ことばがつまって出なくなること。芝居の台詞(せりふ)や演説・朗読などの際に、途中でつまってことばが出なくなること。
※鹿苑日録‐永祿九年(1566)一〇月一二日「午刻与松岩北野。神前安閑無事、不詩作。雖然予也口絶句。可笑」
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉三「『師とも父とも敬愛する我駒井先生』と読み出すと、声が震へて、眼前に霧がかかって、暫し絶句した」

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

絶句」の用語解説はコトバンクが提供しています。

絶句の関連情報

他サービスで検索

「絶句」のスポンサー検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE GROUP, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.