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結節性紅斑【けっせつせいこうはん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

結節性紅斑
けっせつせいこうはん
erythema nodosum
鳩卵大ぐらいまでの滲出性,結節性の紅斑皮下に対側性に多発する状態。下肢に好発するが,ときに前腕伸側にも生じる。女性例は男性の5倍ぐらいあり,ことに若い女性に多い。個々の皮疹は局所熱感を伴い,自発痛,圧痛がある。しばしば発熱関節痛,全身倦怠感などの全身症状を伴う。潰瘍化することはなく,治癒すればは残らない。病因は各種の感染アレルギーや薬剤アレルギーに起因するもの,ハンセン病 (らい) などの特定病期に現れるものなど,さまざまである。ベーチェット病でも本症と類似の皮疹がみられる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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家庭医学館

けっせつせいこうはん【結節性紅斑 Erythema Nodosum】
[どんな病気か]
 両下肢(かし)、とくに下腿(かたい)にできやすい大小さまざまの紅斑です。女性に多くみられます。紅斑は皮膚表面から軽く隆起し、境界が不鮮明にみえます。触れると熱感があり、深いところにしこりがあるのがわかります。圧迫すると痛みがあります。発熱、関節の腫(は)れや痛みをともなうこともあります。重症の場合は入院も必要です。
[原因]
 一種のアレルギー反応ですが、その原因としては、溶血性(ようけつせい)レンサ球菌(きゅうきん)、結核菌(けっかくきん)、らい菌、真菌(しんきん)などの感染症、経口避妊薬(けいこうひにんやく)などの薬剤など、さまざまのものがあります。また、サルコイドーシス、ベーチェット病、スウィート病、潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)、クローン病の症状として生じることもあります。
[治療]
 寝て安静を保つことがもっともたいせつです。検査の結果が出るまでは、非ステロイド抗炎症薬を使用します。原因がわかれば、原因を排除する治療を行ないます。たとえば、原因が薬剤であればその使用を中止し、結核であれば抗結核薬を使用します。また、ベーチェット病が見つかればコルヒチン製剤を使用します。
 なお、原因疾患によりますが、通常は副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン薬は使用しません。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

けっせつせいこうはん【結節性紅斑 erythema nodosum】
下腿伸側(すねの前面側)に生じ,皮下結節を伴う鮮紅色の紅斑を主徴とする皮膚疾患。思春期前後から35歳くらいまでの男女に多くみられ,春秋に多い。現在では単一の疾患というよりも症候群として考えられている。通常,発熱・関節痛などの全身症状を前駆症とし,主として下腿伸側に対側性に鳩卵大までの,ときにそれより大きい皮下結節を伴う発赤を生じ,わずかに皮膚面より隆起する。境界は不鮮明で炎症がつよく,水腫のように腫張する。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

結節性紅斑
けっせつせいこうはん
おもに下腿(かたい)伸側に生ずる境界不鮮明な急性炎症性紅斑で、同部位の浮腫(ふしゅ)性腫脹(しゅちょう)、熱感、圧痛、ときに自発痛を伴い、触れると皮下に境界不鮮明なしこりを認める皮膚疾患。発熱、頭痛、関節痛、倦怠(けんたい)感などの全身症状を伴うことも多い。紅斑の大きさはエンドウ豆大から鶏卵大ぐらいで、下腿ばかりでなく、まれには前腕伸側に生ずることもある。また、両側性に多発する場合も多い。皮疹(ひしん)は数週間で軽い色素沈着を残して消褪(しょうたい)するが、皮下のしこりを残すこともある。再発しやすい。自潰(じかい)することはない。女性に多い。原因としては溶連菌の感染アレルギーが重視されているが、薬剤アレルギーや妊娠のほか、結核、ハンセン病、サルコイドーシスなどによる場合もある。しかし、特定の病因がなくて発症する例も少なくない。治療は安静にして消炎鎮痛剤を内服するほか、原因を追求して除去することがたいせつである。[大路昌孝]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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六訂版 家庭医学大全科

結節性紅斑
けっせつせいこうはん
Erythema nodosum
(皮膚の病気)

どんな病気か

 下腿(かたい)(膝から足首まで)に円形ないし不規則形の紅斑が多発し、触ると硬いしこりと圧痛のある病気で、病理学的には皮下脂肪組織を中心とする炎症です。

原因は何か

 細菌、ウイルス、真菌などの感染アレルギーが主な原因と考えられています。そのほか、薬剤によるもの、内臓の悪性腫瘍、ベーチェット病結核(けっかく)サルコイドーシスクローン病などに伴うものがあります。

症状の現れ方

 若年から更年期の女性の下腿前面に好発します。圧痛、時に何もしなくても痛みを伴う直径1~5㎜の硬いしこりのある紅斑が多発します(図9)。重症の場合は太ももや腕にまで広がることがあります。しばしば発熱、全身の倦怠感(けんたいかん)、関節痛などの全身症状を伴います。通常、2~4週で消えますが、反復することがあります。

検査と診断

 皮膚の生検(皮膚を数㎜切り取って調べる検査)を行い、皮下脂肪組織を中心とする炎症であることを確認します。病理組織学的な特徴から、バザン硬結性(こうけつせい)紅斑、結節性多発動脈炎(けっせつせいたはつどうみゃくえん)スウィート病、深在性エリテマトーデスウェーバー・クリスチャン病などと区別します。血液検査では白血球の増加、赤沈やCRPなどの炎症反応の亢進がみられます。

治療の方法

 ベッドで安静にしていることが最も重要です。薬物療法としては非ステロイド性消炎鎮痛薬やヨードカリの内服が一般的ですが、重症例では副腎皮質(ふくじんひしつ)ステロイド薬の内服も行われます。基礎疾患がある場合はその治療が重要です。

病気に気づいたらどうする

 類似の症状を示す病気が多数あるので皮膚科専門医を受診し、皮膚生検により確定診断を受けることをすすめます。

末木 博彦

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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