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粘性【ねんせい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

粘性
ねんせい
viscosity
流体の内部摩擦の1つの現れを粘性という。流体の中に1つの面を考えると,面の近傍で流体の運動が一様でないとき,面に平行な方向に力が働く。この力を粘性力,流体を粘性流体という。また,粘性力が速度勾配に例するとき,流体をニュートン流体,単位面積あたりの粘性力と速度勾配との比を粘性率または粘性係数という。

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デジタル大辞泉

ねん‐せい【粘性】
ねばる性質。ねばりけ。
流体の内部に働く抵抗。流体の速度が流れの中の各点で異なるとき、速度をならして一様にしようとする性質

出典:小学館
監修:松村明
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岩石学辞典

粘性
運動している流体の内部に速度勾配がある場合に,速度を一様にするような向きの接線応力が現れる性質[長倉ほか : 1998].粘性は液体状態または固体状態で物質の内部摩擦(internal friction)で,主として組成温度関数である.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

ねんせい【粘性 viscosity】
流れの速さの違いをならして一様にしようとする流体の性質。例えば円形容器に入っている水では,容器を中心軸のまわりに回転させてやると,外側から回り始め,それが内側に及んで,全体として剛体のように回転するようになる。これは回転速度の異なる水の部分どうしが,粘性によって互いに速度を一様にしようとする向きに力を及ぼすためである。粘性を有する流体を粘性流体viscous fluid,粘性をもたない流体を完全流体というが,実在の流体は超流動状態の液体ヘリウムを除けば,多かれ少なかれ粘性をもっている。

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大辞林 第三版

ねんせい【粘性】
ねばる性質。ねばりけ。
流体の流れでは、流体中の面に対して接線応力が働き、流れに対する抵抗が生ずる。この性質または生ずる抵抗のこと。内部摩擦。 工学字彙四版(1902年)に英語 viscosity の訳語の一つとして載る

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

粘性
ねんせい
viscosity
液体や気体の流れでは、流速の分布が一様でない場合、速度差をならして一様にしようとする性質が現れる。これを流体の粘性という。一般に水や空気のようなさらさらした流体は粘性が小さく、ひまし油やグリセリンのような液体は粘性が大きい。[今井 功]

粘性率

粘性の大きさを定量的に表すために粘性率coefficient of viscosityが定義される。たとえば、2枚の平行な平板の間に流体を入れ、一方の板を固定し他方を速度Uで動かすと、流体は引きずられてずり運動をおこす。板の間隔をhとすると、速度勾配(こうばい)U/hである。この場合、固定平板は流体によって引きずられ、運動平板は引き戻される方向に力を受ける。普通の流体では、その力の大きさは速度勾配に比例する。すなわち、板の単位面積当りに働く力をτとすると、τ=ηU/hの関係が成り立つ。この比例係数ηを粘性率という(粘度あるいは粘性係数ともよばれる)。板の表面のみならず流体内部の各点でも、板に平行な面の両側の流体部分は単位面積当りτ=ηU/hの大きさで面に平行な方向の力を及ぼし合っている。τを「ずり応力」という。一般に、流れの方向にx軸、それと直角にy軸をとり、流速をuとすると、∂u/∂yは速度勾配で、τ=η∂u/∂yの関係が成り立つ。これを「ニュートンの粘性の法則」という。
 一般に物体の運動はニュートンの運動法則、すなわち、質量×加速度=力(m×aF)によって支配されるから、流体の運動には、質量に関連して「密度」ρ、力に関連して粘性によるずり応力が重要である。しかし、運動そのものを支配するのはηとρの比ν=η/ρである。νを動粘性率kinematic viscosityという。なお、粘性の作用を無次元の形に表すためにレイノルズ数R=ρUl/η=Ul/νが使われる。ただし、Uは流れを表す代表的な速度、lは代表的な長さである。[今井 功]

粘性率の単位

粘性率の単位は、国際単位系(SI)ではパスカル秒(Pas=Ns/m2)、CGS単位系ではポアズ(P=dyns/m2)である。両者は、1P=100cP=0.1Pasの関係にある。気体では粘性率は温度とともに増加し、液体では逆に減少する。また、気体では圧力によってほとんど変化しないが、液体では圧力とともに増加する。なお、動粘性率の単位は、国際単位系ではm2/s、CGS単位系ではストークスStで、1St=1cm2/s=10-4m2/sの関係にある。[今井 功]

粘性と流体の運動

粘性を考慮して流体の運動を議論する場合、流体は粘性流体viscous fluidであるという。水や空気のように粘性の小さい流体では、粘性を無視した取扱いが可能である。このとき流体は完全流体perfect fluidあるいは非粘性流体inviscid fluidという。粘性は流体のずり変形を妨げる性質であるが、気体には膨張・収縮を妨げる性質もある。これは気体の体積粘性volume viscosityとよばれ、音波の減衰などの原因になる。氷河や地殻のような固体の流動的な変形運動の場合にも粘性が現れる。その粘性率は液体に比べてはるかに大きい。普通の液体ではずり応力と速度勾配の間に比例関係τ∝∂u/∂yが成り立つが、高分子やコロイドの溶液では成り立たないものがある。前者をニュートン流体、後者を非ニュートン流体という。[今井 功]

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精選版 日本国語大辞典

ねん‐せい【粘性】
〘名〙 ねばる性質。ねばっこさ。流体内部で速度の異なる部分の間に、流速がならされるように応力が生じる性質。〔工学字彙(1886)〕

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化学辞典 第2版

粘性
ネンセイ
viscosity

流体が流動するとき,これに対して現れる抵抗.流動する流体の内部の隣接する2層の間に速度差があるとき,両者の間に生じる摩擦力にもとづく.[別用語参照]粘度

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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栄養・生化学辞典

粘性
 ⇒粘度

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