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管弦楽【かんげんがく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

管弦楽
かんげんがく
orchestra
各種の楽器を組み合わせて行なう合奏の一形態。各パートが原則として 1人の奏者による室内楽と区別され,また弦のみ,あるいは管のみの合奏とも異なる。管弦楽で演奏される楽曲には,交響曲交響詩組曲協奏曲劇音楽などがある。管弦楽の組織は,通常 (1) 弦楽器,(2) 木管楽器,(3) 金管楽器,(4) 打楽器の 4群に分けられ,その編成法は作品の要求に応じてさまざまに変化し,木管楽器の数を基準として,2管編成,3管編成などの呼び方がある。現代の管弦楽は,イタリアのオペラの隆盛に伴って興ったが,古典派の時代に入って 2管編成が定着した。のち後期ロマン派から 20世紀初頭にかけて編成が極度に拡大したが,第1次世界大戦後は再び小規模な編成を目標とした作品がつくられる傾向がある。管弦楽を演奏する団体をオーケストラという。

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デジタル大辞泉

かんげん‐がく〔クワンゲン‐〕【管弦楽】
洋楽で、種々の管楽器弦楽器打楽器の組み合わせによる大規模な合奏。また、その楽曲。オーケストラ。

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世界大百科事典 第2版

かんげんがく【管弦楽 orchestra】
オーケストラ〉の訳語で,通常,弦楽器,木管楽器,金管楽器,打楽器の4群の合奏を意味するが,オーケストラは〈弦楽オーケストラ〉(弦楽器のみの合奏)や〈管楽オーケストラ〉(管楽器のみの合奏)といった用いられ方もする。小人数(2名から10名程度)で1人が1声部を担当する室内楽や,特殊な編成の楽器によるバンドと対立した意味で使われる。管弦楽団orchestraと交響楽団symphonic orchestraの呼称は,漠然と区別されて使われているが,大規模でオーソドックスな交響曲を演奏することを目的にした交響楽団は,約100名内外の演奏家によって構成され,およそ次のような楽器群と楽器数によって編成されている。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

かんげんがく【管弦楽】
種々の管楽器・弦楽器・打楽器を組み合わせた洋楽の大規模な合奏。普通、各声部に複数の奏者のいるものをいう。オーケストラ。
で演奏する楽曲。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

管弦楽
かんげんがく
種々の楽器で音楽作品を演奏するために集まった、比較的大人数の合奏体。オーケストラorchestraともいう。各パート1人ずつで奏される室内楽、管楽器のみによる合奏団は管弦楽とはよばないが、弦楽だけの合奏団にはこの名称を適用するのが通例になっている。[美山良夫]

歴史

古代ギリシアの、扇状に広がる観客席をもつ劇場の中央底部の半円形の平土間がオルケストラとよばれ、そこで合唱付きの演劇が行われた。やがて舞台が設けられ、劇が舞台上に移ると、オルケストラには合唱ないし楽隊が残った。のちに、その場所で演奏する楽隊をオルケストラ(オーケストラ)とよぶようになる。ルネサンス時代に古代演劇再興の一環として多くの音楽劇がつくられた際に、器楽合奏団が編成された。17世紀初めのオペラの誕生とともに、合奏団の位置・役割が高められた。1607年初演のモンテベルディ作曲のオペラ『オルフェオ』では、多種の管楽器・弦楽器からなる40名ほどの合奏団が使われた。
 17、18世紀の管弦楽は、おもに次の三つの場所で育成された。
(1)宮廷 各地の宮廷は直属の楽団を所有した。しかしその規模や楽器編成はそれぞれ大幅に異なり、作曲家は各楽団の状況にあわせて作曲した。
(2)劇場 劇場で上演・演奏されるオペラ、オラトリオなどの伴奏をする楽団。
(3)教会 ミサに際し、また礼拝におけるカンタータの演奏に際しては、器楽合奏が独立で、あるいは伴奏として用いられた。
 18世紀の中ごろになると、市民を聴衆にする公開の演奏会が催されるようになり、それとともに管弦楽の編成の拡充、交響曲や協奏曲など新しい楽曲のジャンルの発展がみられた。今日の管弦楽の楽器編成、演奏形態の基礎は19世紀の前半にできあがった。[美山良夫]

楽器配置と編成

今日の標準的な管弦楽団は約100名の奏者からなる。これらの楽器と奏者は、演奏に際し、舞台上に、楽器のグループごとに分けて配置される。配置法は何種類もあるが、現在もっとも一般的に用いられているのがの(1)に示した方法で、1925年にアメリカで始まった。それまではの(2)に示したバイオリンが指揮者を挟んで左右に向かい合うように並ぶ方法が多く用いられた。この方法は、現在ではウィーン・フィルハーモニーなど限られた管弦楽団でしか採用されていない。
 各楽器奏者の人数はに示したとおりである。これは各管楽器に3名の奏者をもち、それに相応した弦楽器奏者の数を備えた3管編成の管弦楽団の編成である。3管編成とは、フルート3のうちピッコロが1、オーボエ3のうちイングリッシュ・ホルンが1、クラリネット3のうちバス・クラリネットが1、ファゴット3のうちコントラファゴットが1といったように、同属の楽器を3管用いるものである。これはあくまで標準的なもので、曲によって人数は変化する。たとえばハイドンやモーツァルトの交響曲では各管楽器は2本以内であり、それに応じて弦の人数も減らされるし、また近代・現代の特別に大きな編成、特殊な楽器が必要とされる作品の演奏のためには、エキストラの奏者が加えられる。[美山良夫]

種類

管弦楽団は、編成や目的によっていくつもの種類に分けられる。前述の編成・配置は、現在わが国でもっとも一般的なコンサート・オーケストラについて説明したものであるが、これ以外に次のような特殊な編成をとるものがある。
(1)室内管弦楽団 通常10名から十数名のほとんど弦楽器からなり、これにチェンバロが加わった楽団で、バロック音楽、弦楽合奏用に書かれた近代・現代曲を演奏する。
(2)管楽オーケストラ 一般には管弦楽という邦語には該当しないが、ドイツ語やフランス語では、種々の管楽器の合奏にブラスオルケスターBrassorchester(ドイツ語)、オルケストル・ダルモニーorchestre d'harmonie(フランス語)のように、オーケストラの語を用いている。
 また、管弦楽は演奏目的から次のように分けられる。
(1)コンサート・オーケストラ 定期演奏会を中心に一般の演奏活動を行う管弦楽団で、交響曲、協奏曲などがプログラムの柱となる。
(2)歌劇場管弦楽団 名称のように、かつては宮廷や王室、現在は国家により運営されることが多い歌劇場(オペラ・ハウス)に所属する管弦楽団で、オペラ、バレエの公演に参加するのがおもな任務だが、スケジュールの合間にコンサート・オーケストラとして活動する例も多い。
(3)放送管弦楽団 文字どおり放送局に所属する楽団で、大半が第二次世界大戦後に設立された。財政的に安定しているため優秀な奏者が集まりやすく、一般の演奏会では取り上げられない現代音楽、珍しい作品、新進の音楽家との協演など、積極的な運営が行われやすい。[美山良夫]

日本の管弦楽団

式典の際に宮内省雅楽部管弦楽団が演奏したり、軍楽隊の演奏は明治時代から行われていたが、常設の管弦楽団活動は1926年(大正15)1月~6月に、近衛秀麿(このえひでまろ)と山田耕筰(こうさく)の指揮で12回の予約定期演奏会を行った日本交響楽協会(日響)が最初である。これから分裂して同年10月、近衛を中心とする新交響楽団(新響。NHK交響楽団の前身)が結成された。第二次世界大戦後、しだいに各地に管弦楽団が設立され、2001年現在30団体ほどが活動を続けている。また、水戸室内管弦楽団など各地に室内オーケストラが設立されたが、世界各地で活躍する演奏家が定期的に集まって公演する形式が大半である。1990年代からオリジナル楽器による演奏(作品が生まれた時代の楽器や奏法を再現して演奏)を目ざしたオーケストラの活動も目だってきた。[美山良夫]
『A・カース著、小泉功訳『第18世紀のオーケストラ』(1957・鹿鳴閣) ▽C・H・マーリンク、大崎滋生共著『オーケストラの社会史――ドイツのオーケストラと楽員たちの歩み』(1990・音楽之友社) ▽みつとみ俊郎著『オーケストラとは何か』(1992・新潮社) ▽G・ヤコブ著、宗像敬訳『管弦楽技法』(1998・音楽之友社) ▽音楽之友社編・刊『名門オーケストラを聴く!――CDでたどるその栄光の歴史と名盤』(1999) ▽近衛秀麿著『オーケストラを聞く人へ』新装版(1999・音楽之友社) ▽鈴木織衛編『オーケストラを読む本――もっと知りたいオーケストラの話』(2000・トーオン) ▽L・オベール、M・ランドスキ著、小松清訳『管弦楽』(白水社・文庫クセジュ)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

かんげん‐がく クヮンゲン‥【管弦楽】
〘名〙
雅楽で、舞がなく単に楽器だけを合奏すること。管弦。
② 西洋音楽の一つ。種々の管楽器、弦楽器、打楽器による合奏。また、その楽曲。オーケストラ。
※時事新報‐明治二三年(1890)五月一三日「式部職楽隊欧州管絃楽にて大祭の曲を奏し」
[補注]「管弦楽」は「管絃楽」の書き換え。

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