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立体化学【りったいかがく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

立体化学
りったいかがく
stereochemistry
化合物の立体構造の決定,立体構造と化学的,物理的性質を研究する化学で,有機化学の重要な一分野である。また無機窒素化合物や錯体の分野でも重要である。有機化学では 1874年 J.H.ファントホフおよび J.A.ル・ベルの提唱した四面体説に始り,光学活性と立体配置との関係,不斉合成,反応と立体障害,構造の安定性などについて研究が進められてきた。一方 20世紀に入って回転異性の研究に始り,立体配座の決定および構造と反応との関係が研究された。また最近では興味のある立体構造を有する多くの化合物が合成され,研究されている。研究対象はすべての有機化合物から高分子化合物に及んでいるが,特に脂環式化合物,糖類,アミノ酸の立体配置および立体配座,共役二重結合を有する化合物の平面性についての研究がよく知られている。研究方法としては旋光度測定や化学反応のほか,赤外,紫外スペクトル,核磁気共鳴,電子スピン吸収,双極子能率,X線回折法旋光分散などの物理的解析法が用いられている。なお有機構造化学は有機化合物の立体化学を意味すると考えてよい。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

りったい‐かがく〔‐クワガク〕【立体化学】
化合物の立体構造や、それに関連する現象などを研究する化学の一分野。

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監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

立体化学
 分子の三次元構造とその性質を専門とする化学の分野.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

りったいかがく【立体化学 stereochemistry】
分子内の原子または多原子イオンの相対的位置関係を三次元的に考え,おもに立体異性に関する諸問題を研究する化学の一分野。分子構造を三次元的に考える必要性はL.パスツール酒石酸塩の結晶に関する研究(1848)によって明らかにされたが,化学構造の理解が不十分であったため,研究は発展しなかった。1874年J.H.ファント・ホフとJ.A.ル・ベルが炭素正四面体説を提案し,パスツールの発見を理論的に説明するのに成功した。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

りったいかがく【立体化学】
分子を構成する原子・原子団の空間的な配置や立体異性、およびそれらの違いが反応に及ぼす影響などについて研究する化学の一分野。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

立体化学
りったいかがく
stereochemistry
分子内の原子や原子団の空間的配置を研究する化学の一分野。立体異性の問題、あるいは原子や原子団の空間的配列と化合物や化学種の反応性、物理的性質などとの関連が研究の対象となる。
 有機化合物については、フランスのパスツールによる酒石酸の異性体の発見(1848)がその端緒である。これからやがて炭素原子の四面体説(ファント・ホッフ、ル・ベル)、不斉炭素原子概念の導入によって基礎ができ、ドイツのH・フィッシャーによる糖類の構造など環式化合物の立体構造、立体配置、立体配座などが広く研究されてきた。
 無機化合物に関しては、ドイツのハンチArthur Hantzsch(1857―1935)やウェルナーによって錯イオンを中心として基礎が築かれた。種々の配位構造に基づいた異性現象の研究が蓄積されてきた。
 有機化学、無機化学の両分野ともに、分子構造を物理化学的方法によって精密に解析することが可能となってから立体化学の研究は急速に発展し、X線による絶対構造の決定のほか、赤外・ラマンスペクトル・紫外・可視の吸収スペクトルや旋光分散、核磁気共鳴などが利用されるようになった。逆にこれらの手法によって、いままで単純と思われていたものが案外に複雑な立体構造のものと判明したものも少なくない。水島三一郎、森野米三による回転異性体の発見などもその一例である。
 ポリプロピレンなどの立体規則性の研究も立体規制合成法も、立体化学の基礎なくしてはありえなかったのである。研究手法の増加によりますます対象の広がりつつある分野といえよう。[山崎 昶]
『竹内敬人著『立体化学入門』(1980・講談社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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