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空想【くうそう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

空想
くうそう
(1) fantasy 心理学的には,比較的非現実的でかつ創造的な想像活動の一形式。直面している現実の課題状況を直接解決しようとするような目的性をはっきりともたずに,そのときの感情や欲求,その他,気まぐれな内的状態によって方向づけられて,新しい観念や心像をつくりだす働きのこと。 (2) fancy 文学では中世以来想像とほぼ同義に用いられるが,区別される場合は,創造的芸術活動として位置づけられる。ロマン主義時代にいたって,創造の源泉を理性以外に求める必要が生じると,空想への関心が高まった。イギリスでは 19世紀初頭 S.T.コールリッジが,空想を統一原理なしに心象を並べる力と定義し,心象を融合・統一する創造作用としての想像 (想像力) と峻別して下位の精神活動とした。

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デジタル大辞泉

くう‐そう〔‐サウ〕【空想】
[名](スル)現実にはあり得ないような事柄を想像すること。「空想にふける」「空想家」

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

くうそう【空想 fantasy】
現実とはかけ離れて新しく作り出された独特の想像のこと。類縁の言葉に夢想白昼夢妄想幻想などがある。空想は非現実的,創造的,独自的などの特徴をもつ思考の表象作用であるが,多分に視覚的・画像的傾向がある。正常成人の覚醒思考でも見られるが,夢や薬物中毒その他の精神病的状態で顕著であり,天才,精神遅滞,幼児,未開人の思考にもみられる。空想は音楽,絵画,文学などの芸術や哲学,宗教から発明,発見などの科学的分野にまで関連しうる。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

くうそう【空想】
( 名 ) スル
現実にはありそうにもないことをあれこれ頭の中で想像すること。 「 -にふける」 「未来の生活を-する」
〘仏〙 「空見くうけん」に同じ。 〔 (1) 類義の語に「想像」があるが、「想像」は何らかの根拠に基づいて新たな物事を思い浮かべる意。それに対して「空想」は現実を離れて気ままに物事を思い浮かべる意。 (2) 漢籍では「わだかまりのない考え」の意。明治後期に英語 fancy や fantasy の訳語として広まる。尾崎紅葉「多情多恨」(1896年)にある〕

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

空想
くうそう
fantasy
現実ではない虚構の世界をあれこれ思いめぐらすことであるが、空想には二つの異なる側面がある。その一つはまったく非現実的で「幻想」illusionとよばれるものに近く、他の側面はより現実的で「想像」imaginationとよばれるものに近い。幻想の意味で空想が取り上げられるときには、現実に満たすことのできない願望を空想活動によって満たすものと考えられる。この意味では、空想と願望は密接な関係をもっている。投影法的な心理検査法の一種である主題統覚検査(TAT:Thematic Apperception Test)では、ある状況を描いた刺激図版を提示して空想的物語をつくらせるが、これは空想のなかに願望がよく現れることを利用して、心理的検査を行おうとするものである。昼間に抱く白昼夢とよばれる幻想においても、夜の夢においても、願望は幻想的ないしは幻覚的に充足されている。だから、夢は願望を充足するものといわれる。
 これに対して、想像とよばれる空想では、空想そのものが構想力をもつことが強調され、過去経験の単純な再生や再認とは区別される。また、現実に縛られた考えしかできず、想像力がないからいい考えが浮かんでこないというときには、想像力は創造力をも意味しており、現実から空想に逃避するのでなく、空想によって現実を把握しようとする働きがある。幻想と想像は空想の両極端をなすものであり、空想のなかにはこの二つの特徴が含まれている。だから心理治療の観点からいえば、空想は症状として現れるものであると同時に、症状をつくりだすことによって治癒しようとする試みであるということができる。精神分析は、方法論的にいえば空想の研究であるということができる。[外林大作・川幡政道]
『フロイト著、高橋義孝訳「詩人と空想すること」(『フロイト著作集3』所収・1969・人文書院) ▽チャールズ・ライクロフト著、神田橋条治・石川元訳『想像と現実』(1979・岩崎学術出版社) ▽ジャン・ラプランシュ、J・B・ポンタリス著、福本修訳『幻想の起源』(1996・法政大学出版局) ▽ロナルド・ブリトン著、松木邦裕監訳、古賀靖彦訳『信念と想像 精神分析のこころの探求』(2002・金剛出版)』

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精選版 日本国語大辞典

くう‐そう ‥サウ【空想】
〘名〙
① (━する) 実際にはありそうもないこと、実現しそうもないことなどをあれこれ想像すること。
※当世商人気質(1886)〈饗庭篁村〉五「空想といふものの貴といのは幾らか実地に似寄りて立派な普請をする下図のやうなものなればこそなれ」
※郊外(1900)〈国木田独歩〉二「例の如く空想にふけり乍ら歩いた」
② 仏語。空(くう)に執着する考え。空見。〔摩訶止観‐五・下〕

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