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稲架【ハサ】

デジタル大辞泉

はさ【稲架】
《挟(はさ)む、の意。「はざ」とも》竹や木を組んだ、刈ったを掛けて乾かす設備。稲掛け。 秋》「―の道朝夕きよくなりにけり/林火

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世界大百科事典 第2版

はさ【稲架】
刈り取った稲束を乾燥するための木組み。手刈りまたはバインダーで刈取り・結束した稲束の乾燥法には,大別して地干し,立干し干し(かぼし)および棒掛けの4種類がある。このうち架干しのために用いられるのが稲架である。稲刈り直後のもみは約20%の水分を含むが,乾燥後のもみの水分は15%程度まで減少し,脱穀・調製やその後の貯蔵に好適となる。稲架には地方により種々の形式があり,その呼称も,はざ,いねかけ,いなぎ,いねぎ,かかけ,おだ,あし,だてなど多様である。

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大辞林 第三版

はさ【稲架】
〔「はざ」とも〕
刈り取った稲をかけて乾かす設備。いねかけ。はで。はせ。はぜ。 [季] 秋。 《 ひろ〲と-の日なたの日のにほひ /長谷川素逝 》

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はせ【稲架】
〔「はぜ」とも〕

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日本大百科全書(ニッポニカ)

稲架
はさ
(いね)を収穫時に刈り取ったあと、脱穀までの間乾燥する方法の一つを架干(はさぼ)しといい、架干ししている状態または架干しのための構造物を稲架という。刈り取った稲は束ねてから乾燥するが、その方法には地干(じぼ)し、積干(つみほ)し、杭干(くいほ)し、架干しなどがある。
 地干しは田面に置いて乾かすもので、平(ひら)置き、倒立置き、寄(よせ)置き(いわゆる島立(しまだ)て)などがあり、もっとも簡単な方法である。田面が乾いた所で行われるが、田の乾きぐあいで置き方を異にする。全国的にわずかずつみられる。
 積干しは鳰(にお)またはコヅミなどといわれる方法で、稲束の穂のほうを内側にして円錐(えんすい)状あるいは角柱状の小山に積む。堆積(たいせき)の片面だけに穂をそろえる片積みもある。この方法は、米と藁(わら)をゆっくり乾燥させて、急乾燥による品質の劣化を防ぐもので、地干しの欠点を改良した方法である。秋に田面のよく乾燥する瀬戸内海沿岸地域をはじめ、北九州、中部地方、東北地方の一部などでみられる。
 杭干しは棒掛けともいい、田の畦(あぜ)に棒杭を一定の間隔に立て並べ、各杭の地面から数十センチメートルの所に止め木を直角につけ、それを台にして、杭を中軸に稲束を穂先を外にしてかけ重ねる。掛け方には十字掛けと螺旋(らせん)掛けとがある。棒の高さは地域により異なり、1~2メートルの低い地方から2~3メートルに及ぶ高い地方もある。また地方によって1本の棒杭にかける稲束数がほぼ決まっている場合が多い。近畿地方以東北海道までの東日本、とくに東北地方に多い。次に述べる架干しより資材が少なくてすむ。
 架干しはハサ、イナキなどとよばれ、横に渡した竹、棒、綱などに稲束をかける。田面が湿っている場合や湿田地帯でも稲束の乾燥ができ、全国的に雨の多い地域で広く行われる。架が1段だけの単段架はもっとも簡単な構造で、長いものは100メートルにも及び、直列のほかにジグザグ形やコの字形などもある。地域によっては2~3段のもの、さらに10~15段という高い壁状の構造につくる地方もあり、後者は北陸・山陰地方に多くみられる。多段架は田の上につくるほか、稲束を運んで住居の周りにつくる場合もある。多段架には垂直架と傾斜架とがある。傾斜架は稲をかける架面が60~70度の傾斜をもつもので、変形として両斜面の屋根形などもみられる。新潟地方ではあらかじめ畦にハンノキを一定間隔で栽植しておき、下枝を払ってその幹を支柱として多段架を組む。最近は鉄パイプやコンクリート杭も用いられている。稲架面に四角い風穴をあけて倒伏を防ぐなど、地域によって伝統的な特色のある稲架がみられる。
 日本では稲が穂刈りから茎刈りに変わった奈良時代(8世紀ころ)からすでに地干しだけでなく積干しも行われ、また841年(承和8)にはもっと有効な架干しを奨励した記録が残っている。乾燥方式は米の品質に及ぼす影響が大きく、普通20~30日かけてゆっくり十分に乾燥させると品質、味覚がよい米に仕上がるといわれる。最近はコンバインが普及して、立毛のままで生(なま)脱穀するようになったので、いままで日本の秋の風物詩だった稲架は急速に姿を消しつつある。また籾(もみ)の人工火力乾燥施設が普及したことや、作業の省力化の動向から、稲架の形を簡略するようになり、伝統的な稲架が少なくなってきている。[星川清親]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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