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辞書

【イ】

デジタル大辞泉

い【移】
律令制で、直属関係にない役所の間で取り交わした公文書。送る側の役所の名称に次いで「移」と書き、その下に相手方の名称を書いた。移文

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い【移】[漢字項目]
[音](呉)(漢) [訓]うつる うつす
学習漢字]5年
他の所へ動かす。位置が変わる。「移行移住移転移動移民転移
うつり変わる。「推移遷移変移
文書を回す。「移牒(いちょう)
[名のり]のぶ・や・よき・より・わたる

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世界大百科事典 第2版

い【移】
古代に公式令で定められた公式様文書(くしきようもんじよ)の一つ。中務,式部等八省間および直接の統属関係にない官司相互に用いられた文書である。様式は初行に〈移〉の字をはさんで差出官司名と宛先官司名を書き,本文書止めは通常〈故移〉で,官司間が〈因事管隷〉する(仕事上仮に管轄下に入っている)場合は〈以移〉とし,日付の次に当該官司の長官,日下(につか)に主典が署名した。統属関係にないといっても,省被管の寮司が直接他省(司)に移を送ることはできず,まず所管省に上申して,その省より他省(司)に移を伝達するのが原則であった。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

い【移】
律令制において、直属関係にない役所間で取り交わす公文書。末尾に「故移」または「以移」と記す。移し文。 → ちよう

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)


大宝令(たいほうりょう)・養老(ようろう)令に規定のみえる文書様式で、上下支配関係のない役所間で出す文書。省と省、国と国、同省内の寮と寮、また独立官庁である春宮坊(とうぐうぼう)、衛府(えふ)などと省の間、このほか、寺院・造寺司(ぞうじし)などと省・寮との間で使われた。移はたとえば、始めに「刑部省移式部省(ぎょうぶしょういすしきぶしょう)」と書き、本文の終わりを「故移(ことさらにいす)」または「以移(もっていす)」で結んだ。寮が他省に事を伝える場合は、上級の省に解(げ)を出し、その省がその事柄を移で他省に伝えた。移は平安時代に衰えた。[百瀬今朝雄]

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動植物名よみかた辞典 普及版

移 (ウツシ)
植物。ツユクサ科の一年草,薬用植物。ツユクサの別称

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精選版 日本国語大辞典

い【移】
〘名〙 令制で、直属関係にない官司間で取り交わす公文書。被官の司は解(げ)をもって所管に申し、所管から他司に向かってこの文書を出す。
※石崎直矢氏所蔵文書‐天平勝宝八年(756)正月一一日・美濃国司移案「美濃国司移、造東大寺司」 〔唐六典‐尚書省・都事〕

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うつし【移】
〘名〙 (動詞「うつす(移)」の連用形の名詞化)
① 事物、心などを別の所に動かすこと。「口うつし」「心うつし」「袖うつし」などのように、名詞に付けて造語要素として使う場合が多い。
② 草木の花の汁などを、紙にすりつけて、その色をしみこませること。また、その染料や紙。うつしばな。うつしがみ。
万葉(8C後)八・一五四三「秋の露は移(うつし)にありけり水鳥の青葉の山の色づく見れば」
③ 薫物(たきもの)や花の香を、衣服などにしみこませること。また、その香。
※宇津保(970‐999頃)蔵開中「あをにびのれうのはかま、〈略〉今日のうつしは、ざかう、薫物、薫衣香」
※宇津保(970‐999頃)内侍督「ふきあげの浜にて得給へりしつるぶちにまさる御馬なし、それにうつし置きて」
⑤ 「うつしうま(移馬)」の略。
※宇津保(970‐999頃)内侍督「中将、うつしに乗りて、車の轅近く添ひて立つ」
⑥ 木製の椀。御器(ごき)。〔日葡辞書(1603‐04)〕
⑦ 植物「つゆくさ(露草)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
※浜荻(久留米)(1840‐52頃)「うつし 草の名、此花を紙につくれば其色うつる故名とす。つゆ草」

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うつろい うつろひ【移】
〘名〙 (動詞「うつろう(移)」の連用形の名詞化)
① 居場所をかえること。家うつり。転居。
※源氏(1001‐14頃)玉鬘「須磨の御うつろひのほどに」
② 物事の状態が移り変わっていくこと。また、盛りを過ぎて衰えること。
※宇津保(970‐999頃)楼上上「これこそあらはなるうつろひなれ。左大将殿のいかめしうて二方もてかしづき給ふに、おのれが劣るべき」

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うつろ・う うつろふ【移】
〘自ハ四〙 (「移る」の未然形に反復・継続を表わす助動詞「ふ」の付いた「うつらふ」が変化したもの)
[一] 位置がだんだんに変わっていく。
① 居場所が変わっていく。移動し続ける。また、移住する。
※万葉(8C後)一一・二八二一「木の間より移歴(うつろふ)月のかげを惜しみ徘徊(たちもとほ)るにさ夜ふけにけり」
※徒然草(1331頃)三〇「中陰のほど山里などにうつろひて」
② 心が他の方に移っていく。心変わりする。
※万葉(8C後)一二・三〇五九「百(もも)に千(ち)に人は言ふとも月草の移(うつろふ)こころわれ持ためやも」
[二] 状態がだんだんに変わっていく。
① 移り変わっていく。栄えていたものが衰えていく。
※万葉(8C後)六・一〇四五「世の中を常なきものと今そ知るならの都の移徙(うつろふ)見れば」
※当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉七「およそ容貌(かほかたち)の花の色は、老行くままに衰凋(ウツロ)へども」
② 色が変わっていく。
(イ) 色が薄くなる。褪(あ)せる。また、変色する。
※万葉(8C後)一八・四一〇九「紅は宇都呂布(ウツロフ)ものそつるばみのなれにし衣(きぬ)になほしかめやも」
※紫式部日記(1010頃か)寛弘五年一〇月十余日「世におもしろき菊の根をたづねつつ掘りて参る。色々うつろひたるも、黄なるが見どころあるも、さまざまに」
(ロ) 驚きなどで顔色が変わる。
※源氏(1001‐14頃)賢木「御かほの色もうつろひて」
(ハ) 色づく。染まる。特に、紅葉する。
※古今(905‐914)秋下・二五三「神無月時雨(しぐれ)もいまだ降らなくにかねてうつろふ神なびの森〈よみ人しらず〉」
③ 花が散る。
※万葉(8C後)一七・三九八二「春花の宇都路布(ウツロフ)までに相見ねば月日よみつつ妹待つらむそ」
④ なくなる。消える。
※万葉(8C後)一七・三九一六「橘のにほへる香かもほととぎす鳴く夜の雨に宇都路比(ウツロヒ)ぬらむ」

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うつろわ・す うつろはす【移】
[1] 〘他サ四〙
① 居場所を変わらせる。移り住ませる。
※源氏(1001‐14頃)松風「ひむがしの院つくりたてて、花ちる里ときこえし、うつろはし給ふ」
② 色を変える。
※栄花(1028‐92頃)根合「侍従、上は薄き蘇芳、裏は色々うつろはしたり」
[2] 〘他サ下二〙 状態を変える。衰えさせる。
※類従本元永元年十月二日内大臣忠通歌合(1118)「露、霜などの紅葉をそめ、草木をうつろはするは」

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ゆつ・る【移】
〘自ラ四〙 うつる。多く、時間が経過する意に用いられる。
※万葉(8C後)四・六二三「松の葉に月は由移(ユつり)ぬ黄葉の過ぐれや君が逢はぬ夜そ多き」

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ゆつろ・う ゆつろふ【移】
〘自ハ四〙 =うつろう(移)

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