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祖谷【いや】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

祖谷
いや
徳島県西部,吉野川上流の支流祖谷川流域をいう。広義には谷川の支流松尾川流域の「小祖谷 (おいや) 」も含まれ,ともに剣山国定公園に属する。民俗学的には祖霊信仰の地で,イヤはオヤ,ウヤマウと関連し,祖の字をあてる。高峻な山岳に囲まれ,四国山地を流れる祖谷川が深い峡谷を刻んでいる。上流域は交通が不便で,かつては日本三秘境の一つに数えられた。壇ノ浦の合戦に敗れた平家残党がこの地に入り,隠遁生活を送ったと伝えられ,平家にまつわる伝説が多い。善徳にあるかずら橋は,サルナシ (猿梨)のつるを材料とし,昔の手法を伝えた長さ約 45m,幅約 1.5mの吊橋で,国の重要有形民俗文化財に指定されている。大正初期以来自動車道路の建設,電源開発,森林資源の開発が進み,三好市池田とのバス便も増え,秘境の観は薄れた。下流に渓谷美に優れた祖谷渓がある。ソバコンニャクが名物。

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デジタル大辞泉

いや【祖谷】
徳島県三好(みよし)市の祖谷川・松尾川両流域一帯の称。平家落人(おちうど)伝説を伝える集落が多い。

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世界大百科事典 第2版

いや【祖谷】

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大辞林 第三版

いや【祖谷】
徳島県西部、吉野川支流の祖谷川と松尾川流域一帯の呼称。日本三大秘境の一つとされ、平家落人伝説を伝える。祖谷渓いやだににかかる蔓橋かずらばしは有名。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

祖谷
いや
徳島県西部、吉野川上流部の祖谷川および松尾川流域をいう。また松尾川流域は小祖谷(おいや)とよばれる。行政的には三好(みよし)市の南半部(旧、東祖谷山村。旧、西祖谷山村)の範囲をさす。典型的な挙家(きょか)離村。祖谷川は三好市西祖谷山村の善徳(ぜんとく)までは西流して縦谷をなし、次いで北流してV字形の横谷をつくる。祖谷渓の深い谷は10キロメートルに及び、長い間外部を隔絶し、平家一族の隠田集落(おんでんしゅうらく)とされ秘境をなしてきた。1585年(天正13)から1590年の祖谷山一揆(いっき)ののち蜂須賀(はちすか)氏の支配を受けるようになった。藩は政所(まんどころ)を置き、配下に8家の御屋敷(おやしき)を置いた。古い慣習を残しており、正月14日のカイツリの行事、名付け親や隠居の制度、ユイ(イイ)とよばれる相互扶助のしきたりなど、祖谷特有の伝承文化が多い。また、忌みことばや神代踊(じんだいおどり)(国指定重要無形民俗文化財)にも秘境性をのぞくことができる。東祖谷歴史民俗資料館、平家屋敷民俗資料館では祖谷の歴史や文化が紹介されている。国指定重要有形民俗文化財の蔓橋(かずらばし)は祖谷川に架かる吊橋(つりばし)で、全長45メートル、幅1.5メートル、水面からの高さ15メートル。シラクチカズラでつくられているが、かつてはこうした橋が、祖谷や木頭(きとう)で多くみられたという。祖谷と吉野川流域低地とは、小島峠、桟敷(さじき)峠、水ノ口(みずのくち)峠で連絡していたが、大正初期に祖谷川に沿う街道が完成した。また1974年(昭和49)西方の大歩危(おおぼけ)からの有料道路(1998年無料開放、主要地方道西祖谷山山城線)が開通した。ソバ、ヒエ、コンニャクなどを産し、ミツマタの栽培も行われる。「いや」は、おや、うやまうと関連した語源で、祖霊信仰の土地である。[高木秀樹]

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精選版 日本国語大辞典

いや【祖谷】
(おや(祖)の変化した「いや」に祖谷をあてたもの) 徳島県西部、吉野川支流の祖谷川、松尾川流域一帯の呼称。大正初期に交通が開けるまでは他地域との往来が少なく、日本三大秘境の一つに数えられた。住民は平家の子孫といわれ、平家伝説が豊富。伊屋。祖谷山。

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