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相互扶助【そうごふじょ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

相互扶助
そうごふじょ
mutual aid
ロシアの P.A.クロポトキンが唱えた生物学,社会学,倫理学を貫く原理ダーウィンの進化論のうち,生存競争の原理のみを強調することへの批判として,生物界には生存競争以上に相互扶助の原理が働いていることを立証しようとしたもので,1902年に刊行された『相互扶助論』は,彼のこのような理論の集大成である。彼は,相互扶助を一般にいわれるように種の存続繁殖のためにだけ行われるものではなく,もっと根源的な自己保存の本能,つまり食欲や睡眠と並ぶ本能的欲求であるとし,これを社会的本能,あるいは社会性と名づけた。さらにこの見地を人間社会にもあてはめ,相互扶助こそが人間社会の進歩と発達を推進した原動力であると説いた。彼はこのことを通じて,資本主義社会が人間社会の進歩と発達にとって決して望ましいものではないことを立証し,現代の競争社会に対するアンチテーゼとして提起しようとしたのである。また,正義とか愛という道徳観念も,相互扶助として現れた社会的本能あるいは社会性によって培われたものとしてとらえ,倫理学の体系としてまとめようとしたが,これは未完に終った。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

そうご‐ふじょ〔サウゴ‐〕【相互扶助】
互いに助け合うこと。互助。「相互扶助の精神」

出典:小学館
監修:松村明
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大辞林 第三版

そうごふじょ【相互扶助】
互いに助け合うこと。互助。
ダーウィンの生存競争説に反対したクロポトキンの理論の中心概念。生物や社会は競争や闘争によってではなく、自発的な協同によって進歩するという考え。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

相互扶助
そうごふじょ
mutual aid英語
gegenseitige Hilfeleistungドイツ語
entr'aideフランス語
資本主義社会以前の奴隷制社会、封建制社会における基礎的単位である共同体のなかでの血縁集団、近隣集団などの集団による共同体的規制を利用しながらの互いの助け合いをいう。資本主義社会より前の社会にあっては、人間は、自然に働きかけ、生産物を獲得し、これを消費することによって生活するという経済過程を、共同体を形成することによって実現してきた。共同体とは、一般に、農業を基本産業とし、自給自足的で閉鎖的な、小規模な人間集団であって、各人間はその有機的秩序の一構成員とされており、独立した個人としては生存していない。経済活動は、共同体の全構成員が従わなければならない強制=共同体的規制によって行われる。有機的秩序の一構成員として共同体の全構成員が従わなければならない共同体的規制が、相互扶助機能をも持ち合わせていたのである。
 封建制社会の基礎は農村にあり、村落共同体的規制が働き、共同地の利用を中心に相互扶助的な自給自足の生活が営まれていた。農村に存在していた多少の商品経済は都市を形成し、商人、手工業者はギルド(ツンフト)とよばれる共同体を組織し、ギルド的規制のもとで生産活動に従事した。ギルドは相互扶助機能を発展させ、種々の援助を行った。資本主義社会は、商品経済が支配的であり、共同体的関係は破壊され、たとえ残存したとしても社会的には無視しうるものになっており、国家による相互扶助が社会保障として現代資本主義社会では展開されている。[横山和彦]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

そうご‐ふじょ サウゴ‥【相互扶助】
〘名〙
① 互いに助け合うこと。
② 生存競争を生物および人間社会の進化の要因とするダーウィン主義に反対して、生存競争よりもむしろ自発的な相互の助け合い、協同関係を進化の要因とした社会学説。クロポトキンによる。〔新らしい言葉の字引(1918)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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四字熟語を知る辞典

相互扶助
互いに助け合うこと。

[使用例] その相互扶助の精神は、少くも吾々文学者の間にはないことだね[里見弴*今年|1919~27]

[使用例] かつての自由山行のの中で、国家権力の強制によって山を追われ、定住民にとけ込むことをやむなくされた人々のの相互扶助組織だ[五木寛之戒厳令の夜|1976]

出典:四字熟語を知る辞典
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