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白拍子【しらびょうし】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

白拍子
しらびょうし
平安時代末期から室町時代初期にかけて行われた歌舞の一種およびその歌舞を演じた舞女。白拍子とはもと拍子の一種の名称であったとされるが,これに歌舞がつき,寺社の延年の一部として舞われるとともに,この歌舞を専業とする遊女も現れた。この白拍子と呼ばれた遊女たちは,立烏帽子水干に太刀を差した男姿で舞を舞ったので男舞とも呼ばれた。今様朗詠などを歌い,鼓で拍子をとった。祇王祇女仏御前静御前,千手前,亀菊などが白拍子の名手として名を残している。

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デジタル大辞泉

しら‐びょうし〔‐ビヤウシ〕【白拍子】
(「素拍子」とも書く)雅楽声明(しょうみょう)で、笏(しゃく)拍子扇拍子だけで歌うこと。
平安末期から鎌倉時代にかけて流行した歌舞。また、それを演じる遊女。今様などを歌い、水干立烏帽子(たてえぼし)佩刀(はいとう)の男装で舞ったので男舞といわれた。のちの曲舞(くせまい)などに影響を与えたほか、にも取り入れられた。
江戸時代、遊女のこと。

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世界大百科事典 第2版

しらびょうし【白拍子】
平安時代末期から室町時代にかけて行われた,宴席用の歌舞の一つ。またそれを職業とする女をいう。遊女が多かったことから,一時期遊女の代表的別称となった。僧侶や童児が寺院などで演ずることもあった。田楽・猿楽と同時上演されることも多く,そのため次期の大和猿楽などに吸収,摂取された。起源については,《平家物語》巻一の祇王の章は,鳥羽院(1129‐56)のとき,島の千歳,和歌の前の2人が舞ったのが始まりとし,《徒然草》第225段では,藤原通憲(みちのり)(信西入道)が,磯の禅師(静御前の母)に舞わせたのを最初としている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

白拍子
しらびょうし
平安時代末期におこり鎌倉時代にかけて盛行した歌舞、およびその歌舞を業とする舞女をいう。名称の起源は、声明道(しょうみょうどう)や延年唱歌(えんねんしょうが)、神楽歌(かぐらうた)の白拍子という曲節にあるとか、舞楽(ぶがく)を母胎にする舞にあるとかの諸説がある。『平家物語』には鳥羽(とば)天皇の御代に島の千歳(せんざい)と和歌の前という舞女が舞い始めたとあり、『徒然草(つれづれぐさ)』には信西(しんぜい)が磯(いそ)の禅師(ぜんじ)という女に教えて舞わせたとある。源義経(よしつね)との物語で有名な白拍子静御前(しずかごぜん)は磯の禅師の娘とされているが、平清盛(きよもり)の寵愛(ちょうあい)を得た祇王(ぎおう)・祇女(ぎじょ)・仏御前(ほとけごぜん)や、千手(せんじゅ)、後鳥羽(ごとば)天皇の寵姫亀菊(かめぎく)などの名はいずれも白拍子の名手として知られている。白拍子を歌うことを「かぞえる」といい、今様(いまよう)、和歌、朗詠などのほか、「法隆寺縁起白拍子」のような寺社縁起も歌った。伴奏は扇拍子・鼓拍子を用い、水干(すいかん)・烏帽子(えぼし)・鞘巻(さやまき)姿で舞ったので男舞(おとこまい)といわれた。白拍子の舞は後の曲舞(くせまい)などの芸能に影響を与えたほか、能の『道成寺』ほかにも取り入れられ、その命脈は歌舞伎(かぶき)舞踊(『京鹿子娘道成寺(きょうがのこむすめどうじょうじ)』など)にも受け継がれていった。[高山 茂]

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