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異化【いか】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

異化
いか
dissimilation
同一の,または共通点をもった,すなわち類似した2つの音素が,互いに隣接するか近い位置にある場合,その一方がより共通点の少い別の音素に変化する歴史的現象をさす。同化の反対。同一 (または類似) の要素を繰返し調音する労力を避けようとして生じる。ラテン語 per_egr_īnus「畑 agerを通って行く人」→ロマンス祖語 * pel_egr_īnus「異邦人」のようにr-r→l-rと先行音素が変るのを「逆行異化」 regressive dis.,ラテン語 ar_bor_em→スペイン語 ar_bol_「木」のように,r-r→r-lと後続音素が変るのを「順行異化」 progressive dis.という。タビビト→タビトのように一方の音節が脱落すること (「重音脱落」 haplology) もある。

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異化
いか
catabolism
カタボリズムともいう。生物が栄養物質を分解して,その際解放される自由エネルギーを利用する反応の総称。同化の対語。異化反応の産物は,概して出発物質よりも簡単な化合物である。たとえばブドウ糖が出発物質のとき,産物は,解糖において乳酸,アルコール発酵においてエタノール,呼吸において二酸化炭素 (炭酸ガス) と水である。したがって,異化反応の生物学的目的は反応生成物自体にあるのではなく,得られるエネルギーにある。エネルギーは主としてアデノシン三リン酸の形で,化学エネルギーとして確保される。

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デジタル大辞泉

い‐か〔‐クワ〕【異化】
[名](スル)
dissimilation》音変化の一種。同じ音、あるいは調音上類似している音が一語の中にあるとき、一方が別の音に変わる現象。「ナナカ(七日)」が「ナヌカ」または「ナノカ」、「ボノーニア」(地名)が「ボローニア」となるなど。
生物が外界から摂取した物質を体内で化学的に分解して、より簡単な物質に変える反応。これによってエネルギーを得る。カタボリズム。異化作用。⇔同化
心理学で、差異の著しい二つの性質や分量を接近させることで、その差異がさらにきわだつこと。
ロシアフォルマリズムの手法の一。日的で見慣れた題材を異質なものに変化させること。シクロフスキーらの提唱した語。
異化効果

出典:小学館
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栄養・生化学辞典

異化
 異化作用ともいう.同化(anabolism)の対語.摂取した食物の成分をCO2やH2O,尿素などの最終産物に分解していく作用,高分子物質を低分子物質へ分解する作用などをいう.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

いか【異化】
一般に同化に対する語。生物学(〈同化作用〉の項目を参照),心理学でもこう呼ばれる現象があるが,ここでは文芸的な術語だけを扱う。本来はブレヒト演劇で用いた〈異化効果Verfremdungseffekt〉に由来する。英語でalienation,フランス語でdistanciation,中国語では間離化,陌生化とも訳されているが,語義からいえば作品の対象をきわだたせ,異様(常)にみせる手続をいう。文学的な技法としては古くから用いられており,ブレヒトはロシア・フォルマリズムの用語からもヒントを得たという。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

いか【異化】
スル dissimilation
ある程度違う二つの要素が近接する場合、双方の共通点が減じ差異が一層増大すること。互いの区別が際立つこと。 ⇔ 同化
生体内の物質交代において、複雑な化合物(同化物質)を、より単純な物質に分解する反応。これにより生物はエネルギーを得る。カタボリズム。異化作用。 ⇔ 同化
ドイツ Verfremdung 日常馴れ親しんでいる文脈から物事をずらして、不気味で見慣れぬものにすること。ブレヒトの異化効果が典型で、一種の目ざましの作用を意味する。 → 異化効果
ある音素が隣接する音素に影響されて、より類似性の少ない性質のものに変化すること。ラテン語 marmor がフランス語 marbre となる類。 ⇔ 同化

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

異化
いか
生物体が、化学的に複雑な物質をより簡単な物質に分解する過程をいう。逆に、生物体がより簡単な物質から化学的に複雑な物質を合成する過程を同化という。異化作用は、食物として摂取した物質の細胞外(消化管内など)消化に始まり、この段階で、炭水化物、タンパク質、脂質はそれぞれ主としてブドウ糖、アミノ酸、脂肪酸とグリセリンなどに分解され、吸収される。これらの物質は、次に細胞内に取り込まれ、さらに分解されたり、生体物質合成の原料として使われる。生命活動のエネルギー源として重要なのはブドウ糖と脂肪酸で、細胞内で水と炭酸ガスにまで分解され、このとき放出される多量の結合エネルギーは、分解過程に共役(きょうやく)したアデノシン三リン酸(ATP)合成反応によりATPの高エネルギーリン酸結合の形で効率よく保存される。アミノ酸やグリセリンなども分解の中間産物がブドウ糖や脂肪酸の分解経路に入って同様に分解される。エネルギー獲得、すなわちATP形成は主としてミトコンドリアで行われるが、そのミトコンドリアは細菌類、藍藻(らんそう)を除くすべての細胞に存在する。異化作用の最終段階は酸素による酸化反応であり、呼吸により生体内に取り入れた酸素が用いられる。これを細胞呼吸という。運動、増殖、そのほか細胞の生活活動、生命維持に必要なエネルギーはすべて異化作用により獲得され、ATPとして細胞活動を支える諸反応に利用される。[嶋田 拓]

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精選版 日本国語大辞典

い‐か ‥クヮ【異化】
〘名〙
① 心理学の用語。差異の著しい二つの性質または分量を接近させるとき、両者の差異がさらにきわだつこと。

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