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田舎教師【いなかきょうし】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

田舎教師
いなかきょうし
田山花袋長編小説。 1909年発表。作者の義兄太田玉茗住職の埼玉県羽生建福寺に下宿していた青年の日記をもとに構想された。林清三は,夢多き多感な青年だが,貧困ゆえに田舎の小学校教師として生計を立てざるをえなかった。文学への夢もむなしいものに変っていくとともに生活も乱れてくる。そして,日露戦争の勝利に沸立つ世間をよそに肺を病み,寂しく死んでいく。一青年の閉ざされた暗い半生を,作者の主張する平面描写によって描いた傑作である。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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朝日新聞掲載「キーワード」

田舎教師
「四里の道は長かった」という書き出しで始まる田山花袋の長編小説で、1909(明治42)年10月20日に出版された。羽生を舞台にして明治時代高等小学校教壇に立つ青年教師の生涯を描いた。
(2009-11-06 朝日新聞 朝刊 埼玉東部 1地方)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

いなかきょうし〔ゐなかケウシ〕【田舎教師】
田山花袋の小説。明治42年(1909)刊。自我に目覚めながら、貧しさのため片田舎で苦悩のうちに死んでゆく代用教員の悲劇を、モデルの日記と実地踏査をもとに描く。自然主義文学の代表作の一つ。

出典:小学館
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デジタル大辞泉プラス

田舎教師
藤田正による戯曲。1956年、第2回新劇戯曲賞(のちの岸田国士戯曲賞)の候補作品となる。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

いなかきょうし【田舎教師】
田山花袋の長編小説。1909年(明治42)左久良書房刊。人間の持つ真実を描こうとした花袋が田舎教師小林秀三をモデルに,林清三という人物を造型し,創作したものである。“真”に迫るために“事実”を尊重し,徹底した伝聞調査をおこなっている。日露戦争従軍から帰った花袋は義弟の太田玉茗の寺,埼玉県羽生の建福寺で,秀三の真新しい墓標を見て激しく心を動かされ,〈平面描写〉の手法でその生涯を絵巻物のように描いた。中学校を出る時は,近代化されていく明治の青年として,野望に燃え,恋に血をわかし,文学に将来をかけたのであるが,家が没落したうえに,生来病弱な清三はついに結核におかされ,遼陽陥落の日に24歳(事実は21歳)で死んだ。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

いなかきょうし【田舎教師】
小説。田山花袋作。1909年(明治42)刊。近代日本興隆期に、貧しさ故に寒村の小学校代用教員として孤独と絶望のうちに死んでいった青年の生涯を描く。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

田舎教師
いなかきょうし
田山花袋(かたい)の長編小説。1909年(明治42)左久良書房刊。埼玉県の旧制熊谷中学校を卒業するときは、激しい野望に燃え、ローマン的空気のなかで、文学に将来をかけようとした林清三も、埼玉県羽生(はにゅう)在の弥勒(みろく)尋常高等小学校の代用教員として落とされて行くときには早くも挫折(ざせつ)感と貧困にさいなまれ、同人雑誌の発行、植物研究、音楽学校受験、雲の研究などすべての努力もしょせん無駄な努力と知った。生来病弱であった清三は、ついに結核に冒され、遼陽(りょうよう)陥落の提灯(ちょうちん)行列の声を聞きながら、短い生涯を閉じたのである。ツルゲーネフやゴンクールの「印象描写」を取り入れ、花袋自身の従軍の体験と、日露戦争下の日本の底辺にいる青年の姿を客観的にとらえようとした作である。[小林一郎]
『『田舎教師』(岩波文庫・旺文社文庫・角川文庫・新潮文庫)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

いなか‐きょうし ゐなかケウシ【田舎教師】
[1] 〘名〙 田舎の学校に勤めている教師。
※小春(1900)〈国木田独歩〉三「自分は田舎教師(ヰナカケウシ)として此所に一年間滞在して居た」
[2] 小説。田山花袋作。明治四二年(一九〇九)刊。志をいだきながら、貧しさのために苦悩する片田舎の代用教員を描く、日本自然主義文学の代表作の一つ。

出典:精選版 日本国語大辞典
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