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生検【せいけん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

生検
せいけん
biopsy
試験切除あるいはバイオプシーともいう。生体から検体 (組織切片など) をとって行う病理組織学的検査法で,死体解剖による剖検に対するもの。病変 (たとえば) の確定診断,あるいは疾病の予後判定をするために必要不可欠のものとされており,すべての臓器に適用される。肝臓腎臓の穿刺生検法,胃カメラを用いる胃生検骨髄生検など,皮膚切開を要しない場合 (針生検) だけを,特に生検ということもある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

せい‐けん【生検】
生体から細胞・組織を外科的に切り取ったり針を刺して取ったりして調べ、病気の診断を行う方法。バイオプシー。生体組織診断生体材料検査

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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世界大百科事典 第2版

せいけん【生検 biopsy】
医学用語。バイオプシーとも呼ばれる。生体の臓器あるいは組織の一部を取り出して,病理組織学的に診断を確定することをいう。この際,臓器あるいは組織の病変が均等に存在する場合は,そのいずれの部分を取り出しても診断は妥当であるが,病変が臓器あるいは組織内で均等に存在せず,部分的に限られて存在する場合には問題となる。すなわち,その個所を採取できた場合は正しい診断を下しうるが,そうでない場合は誤った診断を下す可能性がある。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

生検
せいけん

生きている人間、すなわち生体から組織の一部を採取し、その組織学的形態像から病気の診断を行う方法で、バイオプシーbiopsyともいう。皮膚生検のように体表から生検を行う場合には、その方法は比較的簡単であるが、体内の臓器から生検をする場合には、ファイバースコープを代表とする内視鏡を介して生検する。たとえば食道、胃、小腸および大腸のような消化管では、ファイバースコープによる直視下生検が行われている。また、肝臓に対しては腹腔(ふくくう)鏡直視下に行う肝生検のほか、内視鏡を使わない盲目的な肝生検も行われている。なお、胃癌(がん)とくに早期胃癌の診断には胃生検が不可欠である。また、従来生検が困難であった膵臓(すいぞう)に対しても、膵生検が試みられるようになった。

[竹本忠良]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

せい‐けん【生検】
〘名〙 病気を確定するために、生体から組織の一部を切りとって検査する方法。リンパ節、肝臓、腎臓、皮膚、筋肉、癌組織などについて行なう。バイオプシー。

出典:精選版 日本国語大辞典
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内科学 第10版

生検(神経学的検査法)
(1)
末梢神経生検(nerve biopsy
) 末梢神経生検には一般的に腓腹神経(sural nerve)が選ばれる.腓腹神経は第4,5腰髄および第1,2仙髄後根神経節に細胞体をもつ第一次感覚ニューロンと,交感神経節後ニューロンの軸索からなり,坐骨神経・総腓骨神経から分岐して下腿後面から外踝後方をまわり,足背外側へと至る皮神経である.腓腹神経が選択される理由は,①ヒトでは運動神経を含まないため,術後に運動麻痺をきたさないこと,②下肢遠位部にあり,各種ニューロパチーで侵されやすい(つまり所見が出やすい)こと,③解剖学的破格が少ないこと,④感覚神経伝導検査との対比ができること,⑤過去の症例の蓄積があり,比較対照が容易であること,の5点に集約される.
 外踝後方で外踝上縁より約2横指上方,アキレス腱との中間の部位に縦方向に3~4 cmの切開を加えて採取する.生検の詳細については他書にゆずるが,同一の切開創から短腓骨筋の生検も可能である.切離した腓腹神経の標本作製にあたっては通常のパラフィン包埋だけでは不十分で,エポン包埋(光顕用のトルイジンブルー染色と電顕用超薄切片の両方が作製できる)とときほぐし標本の2種類は最低作る必要がある.特に,トルイジンブルー染色を施したエポン包埋切片は美しい髄鞘染色となり,現在では末梢神経を光顕的に観察するにあたっての国際的標準である.
a.腓腹神経生検所見
 腓腹神経生検で得られる情報は,第一次感覚ニューロンおよび交感神経節後神経の遠位端に近い部分での軸索および髄鞘の変化であることを常に念頭におく.腓腹神経の有髄線維成分はすべて感覚線維であり,健常成人では有髄線維密度はほぼ6000~10000/mm2の間にある.直径分布ヒストグラムでは大径線維(直径7~12 μm)・小径線維(直径1~4 μm)の二峰性分布を示す.無髄線維成分は感覚線維と交感神経節後線維(割合は7:3程度といわれる)によって構成されており,個々の線維の直径は0.1~2.0 μmの間にある.健常成人では無髄線維密度はだいたい20000〜40000/mm2の間にあることが多く,直径分布ヒストグラムでは0.8〜1.2 μm近辺にピークをもつ一峰性分布を示す.
 軸索変性と脱髄がニューロパチーの代表的な病的過程である(図15-4-21).急性の軸索変性であればミエリン球(myelin ovoid)の多発が,慢性の軸索変性であれば有髄線維密度の減少が前景に立った変化となり,急性の脱髄であれば髄鞘を有しない軸索(naked axon)やミエリンをマクロファージが貪食している像(軸索は保たれている点がミエリン球と異なる),慢性反復性の脱髄であれば髄鞘の菲薄な線維やオニオンバルブ(onion bulb)形成がそれぞれ主体となる病的変化となる.慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(chronic inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathy:CIDP)などの炎症性ニューロパチーでは,神経内鞘への細胞浸潤がみられることがある.また,神経内鞘の浮腫が高頻度に観察され,間接的に炎症の存在を示唆する.
b.腓腹神経生検が適応となる疾患
 末梢神経生検が診断的に大きな価値を有し,常にその適応を念頭におくべき疾患は以下のとおりである.
 ⅰ)血管炎に伴う虚血性ニューロパチー
 各種膠原病に伴う血管炎では小動脈が病変の主座となる.この大きさの動脈は末梢神経幹にとっては終動脈であるため,炎症によって閉塞すると末梢神経の梗塞をきたし,ニューロパチーを発症する.小動脈のフィブリノイド変性や血管周囲の細胞浸潤を観察するにはパラフィン包埋のH-E染色が適しており,血管炎のもう1つの重要な所見である弾性板の破綻の有無を確認する目的でvan Gieson染色などを追加する.血管炎は検体内のすべての小動脈に一様に存在するわけではない.1枚の標本で明らかな所見が得られなかった場合は可能な限り多数のブロックを切って血管炎を探す必要がある.同時に採取した短腓骨筋にのみ血管炎の所見が認められることもしばしば経験する. 本症は急性ないし亜急性の軸索変性が基本的病変であるので,有髄線維は密度の減少とともに多数のミエリン球を認める.血管炎に基づくニューロパチーでは神経束ごとに,また,同一神経束内でも部位によって病変の程度に差があることが多い.これは,栄養血管の閉塞によって梗塞に陥った部位と梗塞を免れた部位の混在と考えれば理解しやすく,血管炎の存在の間接的な証拠となる重要な病理所見である.
 ⅱ)サルコイドニューロパチー
(sarcoid neuropathy
) サルコイドーシスの約5%に末梢神経障害を合併するといわれているが,ニューロパチーのみが症状の場合の診断は難しい.生検で神経上膜にサルコイド結節がみつかることがしばしばある.この場合も短腓骨筋の同時生検は有用である.
 ⅲ)アミロイドニューロパチー
(amyloid neuropathy
) 末梢神経障害を示すアミロイドーシスはAL型と家族性アミロイドポリニューロパチー(familial amyloid polyneuropathy:FAP)である.末梢神経幹はアミロイドの沈着しやすい部位の1つであるため本症での末梢神経生検の診断的意義はいまだに高く,Congo-red染色で赤染し,偏光顕微鏡でグリーン/オレンジ色の偏光を放つアミロイド物質を光顕的に認め,電顕でアミロイド細線維を確認すれば診断が確定する.同時に生検した短腓骨筋や皮膚にのみアミロイドが観察されることもしばしば経験する.小径有髄線維と無髄線維が選択的に脱落するのが大きな特徴で,これは本症で臨床的にみられる自律神経障害や温痛覚の低下と合致する病理所見といえる.
 ⅳ)Hansen病
 発展途上国ではいまだに重症ニューロパチーの重要な原因疾患である.感覚神経の障害がきわめて強く,腓腹神経内の神経線維がまったく消失してしまうような例もまれではない.神経束内にMycobacterium leprae
を認めることがあり,抗酸菌染色による光顕的観察と電顕的観察が必要である.
 ⅴ)その他の疾患
 上記の4疾患に比べると診断的な価値はやや落ちるが,CIDP,n-ヘキサン中毒によるニューロパチー,巨大軸索性ニューロパチー,遺伝性圧脆弱性ニューロパチー(hereditary neuropathy with liability to pressure palsies:HNPP),Fabry病,Krabbe病などで特異性の高い変化がみられることが多い.
c.腓腹神経生検の合併症
 腓腹神経支配領域の全感覚脱失は必発であるが,その範囲は症例により異なり,ほとんど関知できないような場合もある.Dyckら(1992)は生検施行1年後の患者について調査を行っているが,60%は無症状,30%に軽度の違和感・異常感覚が残存し,10%に患者を悩ますような強い異常感覚・錯感覚が出現したと記載している.いったん切除した神経は再生しない.生検の適応については十分に検討を加えたうえで,術後合併症の可能性についても患者に十分に説明したうえで行うべき検査法である.
(2)
筋生検(muscle biopsy)
 骨格筋は全身に分布しているのでどの筋からも生検は可能であるが,一般的には筋量が豊富でアプローチしやすく,また,通常生検が頻繁に行われる筋からの採取が望ましい.この点から選択されるのは上腕二頭筋,三角筋,大腿直筋,外側広筋,前脛骨筋,腓腹筋などである.上述の神経生検時に同時に採取可能な短腓骨筋もよく選択される.筋痛や筋把握痛を強く訴える場合はあわせて筋膜の採取も必要である.生検終了後は必ず筋膜を縫合閉鎖する.
 生検部位の決定は十分な検討を加えて決定する.筋力低下や筋萎縮があまり著明でない軽度から中等度の罹患部を選択するのがふつうで,筋力正常部位からは陽性所見が得られないことがあり,一方,筋力低下・筋萎縮がきわめて著明な部位を選択すると筋線維がほとんど脂肪や結合織に置換され,必要な情報が得られないこともしばしば経験する.徒手筋力テスト,視診,触診に加えて筋電図・筋CTからの情報が必須である.また,多発筋炎・皮膚筋炎を疑う場合は筋MRIが有用で,炎症所見が病理学的に証明される可能性が高い部位(T1高信号を伴わないT2
高信号領域)を特定することが可能となる.
a.筋生検所見
 神経生検と同様,通常のホルマリン固定パラフィン標本が有用であるのは筋炎(血管炎を含む),サルコイドーシス,アミロイドーシスなど一部の疾患に限られる.凍結標本と電顕標本による観察が国際標準である.
 ⅰ)凍結標本
)H-E染色標本:
最も基本的かつ重要な染色法で,診断の80%は1枚の凍結H-E標本でつくといっても過言ではない(図15-4-22).筋の大小不同の有無,萎縮筋の形状を観察する.一般に筋原性萎縮線維は円形を,神経原性萎縮線維は角化した形(angular fiber)をとる.神経原性の萎縮では小角化線維の集簇が起こることが多く(grouped atrophy),筋萎縮性側索硬化症のような急速な筋萎縮では小群集萎縮が,Charcot-Marie-Tooth病や頸椎症のようなゆっくりとした過程では大群集萎縮がみられる.筋炎では細胞浸潤のほか,筋線維の壊死再生がみられる.壊死線維はエオジンの赤色が薄くなってマクロファージによる貪食が観察され,再生線維はbasophilicで核が大きく目立つという特徴を有する.筋束周辺部の筋線維の萎縮(perifascicular atrophy)は皮膚筋炎を示唆する重要な所見である.筋ジストロフィ症では筋線維の壊死再生や間質増生・脂肪化がみられ,過収縮して濃染する線維(opaque fiber)が多数観察される.サルコイド結節や血管炎の有無もH-E
染色で確認できる.
2)Gomoriトリクローム変法
(modified Gomori trichrome)

ミトコンドリアやライソゾームなどが赤く染まるので,異常ミトコンドリアの集積するミトコンドリア病の診断に有用である.本症では赤色ぼろ線維(ragged red fiber)が多数観察される.rimmed vacuole型遠位型ミオパチーに観察される縁どり空胞(rimmed vacuole
)や,ネマリンミオパチーでみられるネマリン小体もこの染色法で観察される.
3)ミオシンATPase染色標本:
筋線維タイプの分別に用いられる.pH10.5前後の前処理を行ったときに染色される線維をタイプ2線維,染色されない線維をタイプ1線維という.タイプ2線維は白筋(速筋)に,タイプ1線維は赤筋(遅筋)に相当する.正常筋肉ではタイプ1線維・タイプ2線維は交互に配列している(checker-board pattern)が,長期にわたる神経原性筋萎縮では筋がどちらかのタイプにかたよって集簇し,fiber type groupingとよばれる(図15-4-22B).タイプ1線維に限局した筋萎縮(type 1 atrophy)は筋強直性ジストロフィに比較的特異的にみられるのに対し,タイプ2線維に限局した筋萎縮(type 2 atrophy
)は非特異的所見で,筋炎,廃用性萎縮,低栄養などで観察される.
4)免疫組織化学:
筋ジストロフィ症の診断に現在では欠くことのできないものとなっている.たとえば,Duchenne型筋ジストロフィ症,Becker型筋ジストロフィ症ではジストロフィン染色で異常が認められ,前者ではジストロフィンが筋線維膜に欠損しているため全く染色されず,後者では筋線維膜上にまだらに染色される.このほかにもジスフェルリン,カルパイン,エメリン,メロシン,αジストログリカンなどに対する特異抗体が市販されており,診断確定に寄与している.
5)その他:
NADH-TR染色(筋原線維内部の乱れを観察する),PAS染色(糖質の蓄積を診断する),アセチルコリンエステラーゼ染色(神経筋接合部の形態をみる)などが汎用される染色法である.
 ⅱ)電顕標本
 ほとんどの筋疾患は光顕レベルで診断可能であるが,封入体筋炎(約10 nmの太さのフィラメント状の核内・細胞質内封入体が観察される),ネマリンミオパチー,ミトコンドリア脳筋症(異常ミトコンドリアとその内部に類結晶状封入体(paracrystalline inclusion)がみられる)をはじめとする多数の疾患で特異的な所見が観察される.
b.筋生検の適応
 末梢血からの遺伝子診断手技が確立している疾患(筋強直性ジストロフィなど)での意義は乏しいが,すべての筋疾患が筋生検の適応となる.成人で重要なのは炎症性筋疾患とミトコンドリア病であり,小児科領域を含めると膨大な種類の筋疾患が本手技の対象となる.
c.筋生検の合併症
 骨格筋は再生力に富む臓器であり,筋生検による後遺症は皆無といってよいが,筋肉採取後の圧迫止血や安静が十分でないと,局所に大きな血腫を形成することがしばしばある.筋肉の採取時や生検終了時の縫合の際に大きな血管や神経を巻きこまないようにする注意も必須である.[神田 隆]
■文献
神田 隆:末梢神経疾患.神経病理カラーアトラス(朝長正徳,桶田理喜編),pp234-253,朝倉書店,東京,1992.
埜中征哉:臨床のための筋病理,第3版,日本医事新報社,1999.
岡 伸幸:カラーアトラス末梢神経の病理,中外医学社,東京,2010.

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栄養・生化学辞典

生検

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