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環境JIS【かんきょうじす】

日本大百科全書(ニッポニカ)

環境JIS
かんきょうじす
環境JIS(ジス)とは、環境・資源循環に配慮した工業製品、加工技術、試験・評価方法、設計、表示方法および環境測定に関する日本の工業標準規格。高品質で安全な商品の証明である日本工業規格(JIS)を、環境基準に適合した商品の証明とするのが環境JISであり、循環型社会の実現を目ざすうえで重要な3R(スリーアール)の推進等の役割を果たす規格となる。3Rとは、リデュースReduce(発生抑制)、リユースReuse(再使用)、リサイクルRecycle(再生利用)の三つの頭文字Rによる標語であり、循環型社会を推進するうえで重要な概念である。また、環境JISに加え、国際標準化機構(ISO)や国際電気標準会議(IEC)における国際規格を含めて「環境・資源循環規格」と総称することもある。
 21世紀において良好な環境の維持と持続的な経済成長を両立させるためには、循環型社会の構築が急務である。3Rの総合的推進に寄与する環境配慮製品の市場を拡大することは重要な課題の一つであるが、そのためには環境配慮製品であることを保証する信用できる規格の制定が必要である。また、環境配慮型製品の購入を勧め、消費者の積極的な参加を促すために、製品の適正評価および情報提供、環境汚染のおそれのある物質等の安全性評価等の基準および表示の共有が望まれる。
 こうした状況のなか、日本工業標準調査会(JISC=Japanese Industrial Standards Committee)は、JIS制度を環境行政にも積極的に活用すべく「環境JIS/環境・資源循環規格」の整備を進めている。各規格の策定は、日本工業標準調査会が調査審議、答申を行い、経済産業省が制定するという手順で行われる。
 また、「環境JIS/環境・資源循環規格」は、「環境配慮規格」と「環境測定規格」の二つに大きく分類され、それぞれ以下のような内容となる。
(1)環境配慮規格とは、環境・資源循環に配慮した製品の性能、品質、構造、材料などに関する規格、およびそれらの製品の試験・評価方法、設計、表示方法等に関する規格である。
(2)環境測定規格とは、大気・水質中の環境汚染物質等の濃度、または排出濃度の測定方法、および化学物質等が環境・生物に及ぼす影響にかかわる試験方法等に関する規格である。
 環境JISの最初の製品として、2002年(平成14)7月に都市ごみを焼却した灰を主原料とした「エコセメント」が認定され、その品質、原材料、製造・試験方法、表示などが規定された。その後も、2003年に「シックハウス対策のための環境JIS整備」、「鉛フリーはんだの試験方法」などが環境JISに制定されている。
 環境JISの役割と意義がより広く知られることにより、企業が環境配慮製品の開発を積極的に行い、環境保全に貢献する事業基盤が整備され、環境配慮製品の市場が拡大することが期待される。また、環境JIS策定の過程においては、環境保全にかかわる利害関係各者の意見を反映・調整するという機能も期待される。[田中 勝]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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