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琵琶法師【びわほうし】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

琵琶法師
びわほうし
琵琶音楽を演奏する僧侶または僧体の芸能者をいい,のちには琵琶演奏を専業とする盲人の俗称として用いられた。起源は宇多,醍醐天皇時代の蝉丸,または仁明天皇第4皇子人康親王 (天夜尊,雨夜尊) とするが,はっきりしない。『新猿楽記』その他の文献から,平安時代に物語を琵琶伴奏で語る法師の存在が確認される。鎌倉時代末期から語り物『平家物語』に限定され,いわゆる平曲演奏家としての琵琶法師が当道 (とうどう) という自治組織を結成してから,大部分の盲人がその組織下に加わった。一方,天台宗系の九州の寺院で法要琵琶を演奏した盲僧たちは,この当道盲人と対立し,江戸時代初めまで軋轢を繰返した。江戸時代には,幕府の当道保護政策もあって,当道盲人は京都の職屋敷と江戸の惣録屋敷の支配下におかれた。彼らは平曲以外に三味線音楽や箏曲も扱い,また,鍼灸その他に従事する者もあったので,琵琶法師というイメージは,それらのなかの中世以来の琵琶弾奏の放浪芸能者からのみ与えられるにいたった。平曲演奏家は幕府および諸大名から厚遇され,いわゆる放浪芸能者としては,実際にはほとんど存在しないようになった。明治4 (1871) 年当道制度の廃止後,平曲は急激にすたれ,その演奏家も激減した。一方,九州の盲僧は,ごくわずかながら法要以外に門付芸能としての琵琶弾奏も行なって現在にいたっている。

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デジタル大辞泉

びわ‐ほうし〔ビハホフシ〕【××琶法師】
琵琶を弾くことを職業とした盲目僧体の芸人。平安中期におこった。鎌倉時代、主として経文を唱える盲僧琵琶と、もっぱら平家物語を語る平家琵琶とに分かれた。→平曲

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世界大百科事典 第2版

びわほうし【琵琶法師】
琵琶を伴奏にして叙事詩を語った盲目の法師形の芸能者。7世紀末ころに中国より伝来した琵琶は,管絃の合奏に用いられる一方,盲僧と結んで経文や語り物の伴奏楽器とされた。《今昔物語集》には琵琶にすぐれた宇多天皇の皇子敦実親王の雑色(ぞうしき)蟬丸(せみまる)が,盲目となって逢坂山に住んだが,そのもとに源博雅(みなもとのひろまさ)が3年間通って秘曲を伝授される話を載せる。蟬丸は琵琶法師の祖とされ,醍醐帝第4の皇子という伝承を生むが,一方彼らの自治組織ともいうべき〈当道(とうどう)〉では,仁明天皇第四皇子人康(さねやす)親王を祖神とし,天夜(あまよ)尊としてまつる。

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大辞林 第三版

びわほうし【琵琶法師】
琵琶の弾き語りを職業とした僧体(法師姿)の盲人音楽家。平安時代から存在した放浪芸人の一種。中世以後は、経文読誦どくじゆを表芸とする盲僧と、専ら平曲を演奏する者の二系統に分かれた。主に後者をさす。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

琵琶法師
びわほうし
琵琶を弾奏しながら物語などを語った僧形(そうぎょう)の芸能者。ほとんどが盲人であったが、なかには晴眼者もあった。平安中期に、中国から渡来した琵琶を用いて経文を読唱する琵琶法師があり、平安末期には寺社縁起譚(たん)や合戦物語を語り歩いた。鎌倉時代に入ると『平家物語』を生仏(しょうぶつ)という盲僧が語ったといわれ、その系譜は平曲(へいきょく)とよばれて進展した。一方(いちかた)流、八坂(やさか)流(城方流)の平曲は15世紀に全盛時代を迎えた。その後、流派が多発したが、江戸時代に入ると三味線に圧倒されてしだいに衰微していった。そのため琵琶法師の流れをくむ盲僧たちは箏曲(そうきょく)のほうに移り、いまでは箏曲を指導する老検校(けんぎょう)のなかに平家琵琶を語る者が残存し、後継者が出始めている。薩摩(さつま)琵琶など平曲以外の琵琶法師は九州などにわずかに残っている。[関山和夫]

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精選版 日本国語大辞典

びわ‐ほうし ビハホフシ【琵琶法師】
〘名〙 (「びわぼうし」とも) 琵琶を弾く盲目、僧体の人。琵琶の伴奏により経文を唱えた盲僧の流れと、琵琶の伴奏により叙事詩を謡った盲目の放浪芸人の流れがあり、後者は鎌倉中期以降、もっぱら平家物語を語るようになった。びわの法師。
※河内本源氏(1001‐14頃)明石「入道ひは法師になりて、いとをかしうめづらしき手一つ二つ弾きたり」

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