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熱傷【ねっしょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

熱傷
ねっしょう
やけど」のページをご覧ください

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デジタル大辞泉

ねっ‐しょう〔‐シヤウ〕【熱傷】
熱湯などによるやけど

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

熱傷

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

ねっしょう【熱傷】

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

ねっしょう【熱傷】

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

熱傷
ねっしょう

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ねつ‐しょう ‥シャウ【熱傷】
〘名〙 火焔、高温気体または液体などによって生じる皮膚損傷火傷。やけど。

出典:精選版 日本国語大辞典
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六訂版 家庭医学大全科

熱傷(やけど)
ねっしょう(やけど)
Burn
(皮膚の病気)

どんな障害か

 熱傷(やけど)は高熱による皮膚の障害です。受傷部位に発赤(ほっせき)、水ぶくれ、痛みが現れます。熱傷の面積が広いと血圧低下、尿量の減少、頻脈(ひんみゃく)、感染症などの全身症状が現れます。

原因は何か

 熱源としては熱湯が最も多く、次いで暖房器具、バイクの排気などが多いのですが、火災や爆発による場合もあります。爆発による熱傷では、気道の熱傷もみられることがあります。アンカや温風による低温熱傷では、みかけより損傷が深くなります。特殊なものとしては酸、アルカリなどによる化学熱傷があります。

症状の現れ方

 強い痛みが初期症状ですが、深い熱傷では神経の障害のため痛みがない場合があります。熱傷の深さによって1度、2度、3度の熱傷に分けられています。

●1度熱傷

 最も軽いタイプで、表皮のみが障害を受けて、皮膚が赤くなってヒリヒリと痛みますが、水疱(すいほう)(水ぶくれ)にはなりません。通常は1週間以内に治ります。

●2度熱傷

 表皮の下の真皮に達する熱傷です。強い痛みがあり、熱傷受傷後24時間以内に水疱ができます。浅い2度熱傷は2~3週間程度で治り、跡形を残しませんが、深い2度熱傷は治るまでに3週間以上かかり、痕形を残します。

●3度熱傷

 皮膚は壊死(えし)を起こして神経も変性するため、むしろ痛みを感じません。皮膚表面は白くなり、あるいは黒く硬い焼痂(しょうか)(焼けこげて黒くなった状態)でおおわれていることもあります。壊死を起こした皮膚はやがて脱落しますが、その後は深い潰瘍となります。

 熱傷を起こした部分に感染を起こすと、傷は深くなり、治りにくくなるとともに痕形も残りやすくなります。

 広範囲の熱傷では、循環血液量の減少に伴って尿量の減少や頻脈がみられることがあります。受傷面積が10%以上あればショック(血圧低下を来す)を起こす可能性があり、小児では5%でもそのおそれがあります。

 深い熱傷が治ったあとは、隆起した肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)ケロイド様の痕形)となりますが、関節部では拘縮(こうしゅく)(硬くなってひきつれること)を起こして、伸展・屈曲の際に可動制限が生じることがあります。

検査と診断

 3度熱傷かどうかの検査は、針による痛覚試験を行いますが、痛みがある場合はその必要はありません。熱傷範囲が広い場合は、血圧や尿量のチェックのほかに、さまざまな合併症が起こる可能性があるので注意深い観察と検査が必要です。

治療の方法

 初期治療は、冷やすことです。1度熱傷のような軽症であれば、無治療またはステロイド外用薬のみの使用で軽快します。

 2度熱傷の場合は、水疱部を消毒のうえ穿刺(せんし)して、なかにたまった液体を抜きますが、水疱の蓋は取り除きません。水疱の(ふた)が取れてしまった場合は、ブタの乾燥皮膚やハイドロコロイドなどの被覆材を貼付(ちょうふ)したり、創部にトラフェルミン(創傷治療促進薬)を使用する場合もありますが、必ずしも必要ではありません。

 ワセリンなど症状に適した外用薬をガーゼに伸ばして患部にあて、ぬらさないように注意をします。ただし、顔面はガーゼをあてないで、開放のままにする開放療法がよいとされています。表皮の形成が遅く潰瘍が続く場合は、壊死組織や変性組織の除去と皮膚移植が行われます。

 3度熱傷では、壊死組織を除去しないと治癒が遅れ、壊死組織の下で細菌が繁殖しやすくなります。

 広範囲の熱傷では血液量が減少し、血圧低下や腎機能低下の原因となるので輸液が必要になります。早期に輸液を行わないと、ショックを起こして生命に危険が及びます。

応急処置はどうする

 初期治療で最も大切なことは冷やすことですが、受傷後ただちに冷やすことが重要です。流水で30分以上冷やすのが効果的ですが、小児や高齢者では冷やした時の体温の低下に気をつけます。

 脱がせにくい衣服を着ている場合は、衣服の上から水道水で冷やし、その後、衣服を脱がしてから再び冷やすようにするのがよいでしょう。それから病院を受診するようにしてください。

 熱傷面積が10%以上(小児は5%)で広範囲にわたる場合は、ショックなどの全身症状が現れる場合があるので、入院治療が必要になります。

堀川 達弥

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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熱傷(やけど)
ねっしょう(やけど)
Burn
(外傷)

どんな外傷か

 熱傷は、一生のうちに誰でもが一度は経験するといっても過言でないほど頻度の高い外傷のひとつで、熱で皮膚の組織が破壊されて、本来もっているべき防御機能が失われてしまった状態のことです。

 熱傷の程度は、皮膚に受けた熱の温度と熱を受けた時間によって決まり、高温でも瞬間的に受けた熱は比較的浅い傷害にとどまりますが、低温でも長い時間受け続けると深い傷害になります。

原因は何か

 原因は日常生活のなかに潜んでいることが多く、お茶やコーヒーなどをこぼす、ポットの湯がかかる、ストーブやアイロンに触る、炊飯器に立ちのぼる蒸気に手を出す、熱湯の浴槽内に落ちる、火遊びをして衣服に引火するなどがあげられます。また、家庭内で10歳未満の小児、とくに2歳未満の乳幼児が受傷する割合が最も多いのが特徴です。

 最近は、高齢者による仏壇のろうそくの火や台所でのガスコンロの火が着衣に燃え移ることによる熱傷も増えています。

 これらの原因は日常生活のなかで注意することにより、多くは未然に防止できることが多いのです。

応急処置と治療の方法

 熱傷を受けてしまった場合には、あわてて医療機関を受診する前に、受傷後いかに早く適切な処置(応急処置)を行えるかどうかが、熱傷による傷を大きくしないために最も重要になります(図56)。

 応急処置は、以下の点に留意しながら行うことが大切です。

①局所の冷却

 熱傷は熱による組織の傷害です。そのため、まず患部(局所)の冷却を行うことが重要で、疼痛の緩和、炎症の抑制、感染の防止などに効果があります。原因や程度を問わず“熱い”と思ったら、まずすぐに冷やすことです。四肢では、水道水を直接、勢いよくかけるのではなく、受傷部の周辺から水を流すように、あるいは清潔な洗面器などに入れた水道水により冷やします。

 顔面や体幹部では、清潔なタオルに水を含ませて冷やします。衣服を着ている場合には、無理に衣服を脱がさずに衣服の上から水をかけ、冷やすようにします。冷やす時間は15~30分を目安にして、痛みが軽くなるまで冷やすのが理想的です。

 患部を氷で直接冷やすのは、患部を過度に冷やすことにより凍傷(とうしょう)をまねく可能性があるため好ましくありません。氷嚢やアイスノンなども、患部には直接触れないように清潔なタオルなどで包んで使います。

 熱傷が広範囲に及ぶ場合は、冷却により低体温状態になる可能性があるため、冷却は行わないようにします。

②装身具の除去

 熱傷の局所では血管からの体液の喪失が亢進し、受傷後時間がたつとともに浮腫(むくみ)が強まります。患部に着けている指輪、腕時計などの装身具は、浮腫が強まってからでは除去が困難となるばかりではなく、患部の循環障害の原因にもなるため、すみやかに取り去っておくべきです。

③局所の清潔保持、保護

 患部を冷やしたあとは同部を清潔なタオルなどでおおい、すみやかに医療機関を受診するようにします。

 民間療法で熱傷に効果があるとされているアロエ、野菜、味噌などを患部へ直接に貼ったり塗ったりするのは、清潔保持の面からは好ましいことではありません。局所から侵入した細菌により生じる傷の感染は熱傷を深くする原因になり、破傷風(はしょうふうきん)が侵入した場合は時に致命的になるので注意が必要です。

 さらに、ある種の消毒薬など患部に色がついてしまうような物を使うと、患部の状態がわかりにくくなり、診断の妨げになります。

 また、患部に水疱(すいほう)(水ぶくれ)ができてきた場合には、可能なかぎり水疱を温存するよう患部の保護に努めるべきです。以前は水疱を除去することが一般的でしたが、近年になって水疱液に皮膚再生の成分が含まれていることがわかり、これを残して治療するようになってきました。

④その他

 広範囲に熱傷を受けた場合には、局所からの体液の喪失が著しくてショック状態に陥り、早期死亡の原因になります。ショックに陥るのを予防するためには、早期から大量の点滴が必要になるため、救急車などを利用してできるだけ早く熱傷専門医による治療などが可能な救命救急センターなどの医療機関を受診する必要があります。

 近年は、人工皮膚や培養皮膚などの医療技術も進歩しているため、以前に比べて広範囲の熱傷の救命率は向上しています。

⑤応急処置のあとすみやかに受診を

 熱傷は治っても肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)ケロイドなど)を形成し、かゆみ、痛みの原因になったり、美容上の問題が生じる場合もあります。熱傷を受けた場合は、応急処置のあとにすみやかに医療機関を受診することが基本です。

 自己管理が可能であると考えられる熱傷は、深さはⅠ度まで、広さは体表面積の1%(手のひらがおおむね体表面積の1%にあたる)未満です。誤った自己判断が、熱傷による傷を悪化させてしまう最大の原因であることを、肝に銘じておくべきです。

佐々木 淳一

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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