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炭酸カルシウム【たんさんカルシウム】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

炭酸カルシウム
たんさんカルシウム
calcium carbonate
化学式 CaCO3 。天然には方解石霰石石灰岩大理石白亜貝殻などとして多量に産出する。カルシウム塩溶液に炭酸アルカリを加えると,無色沈殿 (沈降性炭酸カルシウム) として得られる。無色,無臭,無味の粉末または結晶。工業的に重要な2つの結晶があり,その1つは霰石型で斜方晶系,他は方解石型で三方晶系である。ほぼ 825℃で二酸化炭素酸化カルシウムに分解する。工業的に生石灰,二酸化炭素をつくるには,この反応を利用する。酸により容易に分解し二酸化炭素を発生するので,この反応は実験室における二酸化炭素の製法にも利用される。工業上は石灰岩を湿式粉砕してつくった重質炭酸カルシウム,石灰岩を焼成して得た生石灰を石灰乳とし炭酸ガスを吹込んで得た軽質炭酸カルシウム,カキ,ハマグリなどの貝殻を風化,粉砕して得た胡粉などの種類がつくられている。肥料 (酸性土壌の中和) ,ゴム (充填剤) ,塗料および顔料,製紙,歯磨き粉などに用いられる。

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デジタル大辞泉

たんさん‐カルシウム【炭酸カルシウム】
炭酸カルシウム塩。天然には石灰石大理石方解石などとして産する。強熱すると二酸化炭素酸化カルシウムに分解する。水には溶けにくい。セメント顔料酸性土壌の中和剤として使用。化学式CaCO3

出典:小学館
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栄養・生化学辞典

炭酸カルシウム
 CaCO3 (mw100.09).カルシウム強化,酒の脱炭酸剤,中和剤などとして使われる食品添加物.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

たんさんカルシウム【炭酸カルシウム calcium carbonate】
化学式CaCO3。天然には,方解石,氷州石,アラゴナイト(アラレ石),石灰岩,大理石,チョーク(白亜)などとして多量に産出する。また,貝殻の主成分は炭酸カルシウムであり,これを微粉砕したものは胡粉(ごふん)と呼ばれ,白色顔料となる。実験室では,カルシウム塩の水溶液に炭酸アルカリ水溶液を加えると,白色の沈殿(沈降炭酸カルシウム)として得られる。Ca2+イオンと平面正三角形のCO32-イオンから成る結晶であるが,それらの空間的配列の違いによって方解石型(比重2.71),アラレ石型(比重2.93)の2種の結晶形のものができる。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

たんさんカルシウム【炭酸カルシウム】
カルシウムの炭酸塩。化学式 CaCO3 石灰石・方解石・大理石などの主成分として天然に広く産出する。加熱すると分解して二酸化炭素と酸化カルシウム(生石灰)とを生ずる。セメントの主原料、白色顔料・歯磨き粉・医薬品などになる。炭酸石灰。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

炭酸カルシウム
たんさんかるしうむ
calcium carbonate
炭酸のカルシウム塩。工業部門では炭カルともいう。天然には方解石、大理石、石灰石、あられ石、白亜などの鉱石として産出する。工業的には、石灰岩を乾式粉砕し、ふるい分けまたは風簸(ふうひ)(空気中での自然沈降速度の違いを利用する粉体分別操作)によって微粉を集め製品とする(重質炭カル)。石灰乳に二酸化炭素を吹き込んで生じた沈殿を乾燥、粉砕することによっても製造される(沈降炭酸カルシウムまたは軽質炭カル)。貝類を湿式粉砕したものも利用される(胡粉(ごふん))。一般に白色固体または無色の結晶。結晶には二つの変態がある。熱すると次の反応式に従って解離する。これは吸熱反応である。
 CaCO3CaO+CO2-42.0kcal
 898℃で解離圧は1気圧に達する。この反応は二酸化炭素と酸化カルシウムの工業的製造に用いられる。酸と反応して二酸化炭素を発生する。純粋な水にはほとんど溶けないが、二酸化炭素を含んだ水には炭酸水素カルシウムとなって溶ける。
 CaCO3+CO2+H2OCa(HCO3)2
 二酸化炭素を含んだ天然水が石灰岩を溶解した結果生じた空洞が鍾乳洞(しょうにゅうどう)である。その中で温度の上昇や分圧の低下によって二酸化炭素の溶存量が減少すると平衡は左に偏り、炭酸カルシウムが沈積する。このようにして生成したのが鍾乳石や石筍(せきじゅん)である。
 石灰石はポルトランドセメント、酸化カルシウムなどの原料、大理石は建築材料として用いられる。重質炭カルは顔料、紙やゴムの充填(じゅうてん)剤に用いられ、沈降炭酸カルシウムは顔料、塗料、製紙、歯みがき粉に、胡粉も白色顔料や水性塗料に用いられる。[鳥居泰男]

農業への利用

土壌の酸性を中和することを目的に使用される。純度の高いものは薬品用、工業用に適するので、比較的不純物の多いものが農業用として用いられている。通常アルカリ分53~60%を含み、粒度の粗いものほど土壌酸性矯正速度が遅い。炭酸カルシウムは生石灰(せいせっかい)、消石灰よりも塩基性は弱いが、大気中での安定性がもっとも大きく、貯蔵中に変質することがない。カーボンブラックで黒く着色したものは融雪を促進する効果があるため、北海道などの寒冷地で早春に用いられる。なお酸化マグネシウム(苦土)を含むものは苦土炭カルといい、マグネシウムが欠乏している酸性土壌に効果がある。[小山雄生]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

たんさん‐カルシウム【炭酸カルシウム】
〘名〙 (カルシウムはcalcium) カルシウムの炭酸塩。化学式 CaCO3 無色の結晶。六方晶系と斜方晶系とがある。天然には方解石、霰石(あられいし)、石灰石、大理石、貝殻などとして産出。水には溶けにくい。ポルトランドセメント・酸化カルシウムの原料、製鉄・建築用材などのほか、胡粉は白色顔料、水性塗料などに、沈降炭酸カルシウムは顔料、塗料、製紙、歯みがき粉、医薬品などに用いられる。炭酸石灰。
※小学化学書(1874)〈文部省〉三「大理石、石灰石、珊瑚等は炭酸『カルシユム』」

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化学辞典 第2版

炭酸カルシウム
タンサンカルシウム
calcium carbonate

CaCO3(100.09).天然には方解石,石灰石,大理石あられ石,白亜として産出し,工業的にはこれらを粉砕して利用する.化学的製法で得られるものは沈降炭酸カルシウムとよばれ,カルシウムの可溶性塩の水溶液にアルカリの炭酸塩を加えると沈殿として得られる.結晶構造は次の2種類が存在する.あられ石型構造は斜方晶系.密度2.93 g cm-3.方解石型構造は六方晶系.密度2.71 g cm-3.融点1339 ℃(10.38 MPa).いずれも水には難溶であるが,二酸化炭素を含む水には炭酸水素カルシウムを生じて溶ける.強熱すると二酸化炭素と酸化カルシウムとに解離する.酸を作用させると二酸化炭素を放出してカルシウム塩を生じる(二酸化炭素の実験室的製法).セメントの主原料,建材,石灰乳白色顔料,塗料,歯磨き粉,食塩の凝固防止剤,ゴムタイヤの製造,医薬品(制酸剤)などに用いられる.[CAS 471-34-1]

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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