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炎症【えんしょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

炎症
えんしょう
inflammation
有害刺激に対する生体の自然の防衛反応であり,組織の変質充血と滲出,組織の増殖を併発する複雑な病変。ギリシア医学では,赤くはれて熱を発し,何かが燃えているようにみえたので「炎」の語が用いられた。ローマのケルススは,発赤 rubor,腫脹 tumor,発熱 calor,疼痛 dolorの4つの orを炎症の主徴とする,病気そのものと考えていた。しかし 18世紀になって,J.ハンターが,炎症は基本的に局所の防衛反応であることを明らかにした。のちになって機能の障害がつけ加えられて5つの徴候を表わすものが炎症であるとされた。肺炎とか中耳炎のように炎の字のつく病気,その他感染症など,日常の多くの病気は炎症に属する。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

えん‐しょう〔‐シヤウ〕【炎症】
生体が微生物侵入や物理的・化学的刺激などを受けて、発熱・発赤・はれ・痛みなどの症状を呈すること。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

炎症
 生体の局所になどの諸種刺激が加わって起こる病変で,発赤,はれ,発熱などが起こること.生体防御反応の一種.

出典:朝倉書店
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生活習慣病用語辞典

炎症
細菌やウイルス外傷などの物理的作用、また薬物などの化学的作用により起こる生体の防御反応で、発熱、発赤、腫脹、疼痛などの症状があります。

出典:あなたの健康をサポート QUPiO(クピオ)
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世界大百科事典 第2版

えんしょう【炎症 inflammation】
炎症の〈炎〉は,肺炎,中耳炎,虫垂炎などと日常使われている言葉で,身体の一部分器官の名前の後に付けて,その部分に起こった熱や痛みを伴う病気を示している。炎症とは,このように〈炎〉の付く病気や,また〈炎〉の付かない病気でも日常よくみる“はれもの”とか“できもの”のように熱,痛み,はれを伴う病気の総称であり,腫瘍とか循環障害とか奇形などとは異なった疾患群を示す医学用語である。
[炎症の研究史]
 炎症の概念はギリシア医学の昔からプレグマphlegma(蜂巣炎,たとえば“できもの”が皮下組織に幅広く広がった状態)の言葉として使われており,この言葉は“燃える”という概念を示していた。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

えんしょう【炎症】
外傷・やけど、細菌の侵入、薬物・放射線の作用などに対して、生体に起こる防御的反応。体の一部に充血・はれ・発熱・痛みなどの症状を起こす。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

炎症
えんしょう
古代ギリシア医学の時代から注目されていた病変で、「燃える」という概念のことばが用いられ、実際には発赤(ほっせき)、腫脹(しゅちょう)、熱感、疼痛(とうつう)、機能障害がおもな徴候とされている。臓器または組織名に「炎」という字をつけ、ラテン語またはギリシア語では-itisという接尾語をつけるのが習慣である(腎炎(じんえん)nephritis、肝炎hepatitisなど)。炎症の定義としては、生体の細胞、組織になんらかの変化、すなわち損傷をもたらす侵襲に対する生体の応答(反応)の表現である、とされている。具体的には局所の細胞組織の受け身の変化と、循環障害、ことに血管内の血漿(けっしょう)や血球がその場に異常に出る現象を意味する滲出(しんしゅつ)、およびその部の細胞増殖を総合して、炎症の語が使われる。とくに滲出傾向の著明なものを滲出性炎と一括し、滲出したものの中に線維素を多く含んでいるものを線維素性炎、白血球を多く含んでいるものを化膿性(かのうせい)炎とよぶなど、種々の型に分類されている。また炎症の場における細胞増殖としては、リンパ球、単球、形質細胞などを除けば、細網内皮系(網内系)細胞の増殖が特徴であり、肉眼的には結節状の病変、すなわち肉芽腫として認められるので、肉芽腫性炎とよばれる。これには結核症、梅毒、ハンセン病などが含まれている。また肉芽腫性炎は、従来から、病原菌により特殊病巣を形成するとの意味から、特殊性(特異性)炎とよばれる習慣があった。肉芽腫性炎といっても原則としては滲出から始まるもので、時間の経過とともに網内系細胞の増殖による肉芽腫を形成するわけで、病因の質、量および個体、局所の条件などの組合せによって複雑な変化を呈する。[渡辺 裕]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

えん‐しょう ‥シャウ【炎症】
〘名〙 細菌、薬品、物理的な作用などのために、身体の一部分に赤み、はれ、熱、痛み、機能障害などを起こすこと。〔医語類聚(1872)〕
[補注]中国渡来の伝道医師合信(ホブソン)の造語。→「いえん(胃炎)」の語誌

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