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火災保険【かさいほけん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

火災保険
かさいほけん
fire insurance
火災による損害を填補するための損害保険の一種。海上保険とともに損害保険のなかで最も古い歴史をもち,個人の住宅を主たる対象とするものから,企業の不動産や動産を対象とするものまである。保険のつけられる建物,動産の用法,規模などによって普通物件 (住宅物件,一般物件) ,工場物件,倉庫物件に大別され,建物の所在,構造によって基本になる保険料率が決定し,その他の条件によって割増し,割引きが行われて最終的に適用される保険料率が決定する。火災保険でいう火災とは,適切な安全燃焼器具で発生した火で,自力で延焼する力をもつものをいう。つまり原則として自火,類焼などその発生原因を問わず,普通の用法の範囲外における燃焼作用,いわゆる火事のことである。焦損は特約によって保険の対象に加えることができる。破壊消火による損害,消防注水による濡れ損,避難搬出による損傷,残存物取りかたづけに必要な費用については保険金が給付されるのに対して,火災の際の紛失または盗難,戦争,暴動,原子力などによる損害については填補されない。さらに保険契約者 (保険料負担者) ,被保険者 (保険によって経済的保障を得る者) の故意,重過失,これらの者と特殊な関係にある者 (家族,法定代理人,被用者など) の事故招致による損害についても填補されない。畳,建具,その他の従物や電気,ガス,冷暖房などの付属設備は特約によって除外しないかぎり保険の対象となるが,建物に付属する門,塀,垣,物置,納屋などや通貨,貴金属,宝石,美術品,稿本,有価証券,証書・帳簿などについては,保険証券に明記されていない場合は保険の対象にはならない。また地震による損害については,普通火災保険,住宅総合保険,店舗総合保険,長期総合保険,団地保険によって地震保険が自動付帯されている。最近では経済生活の複雑化,高度化に伴って,各種危険を組合せた総合的な火災保険が普及してきている。このほかに特殊な火災保険として長期火災保険,価額協定保険,新価保険,森林火災保険があり,特約条項として付保されるものにスプリンクラー保険,風水害保険,店舗休業保険 (→利益保険 ) がある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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朝日新聞掲載「キーワード」

火災保険
住宅が火災や落雷強風で受けた被害を補償する金融商品。最近は補償に水害や盗難被害を加えるケースが多い。通常は1~5年で契約内容を見直すが、住宅ローンを借りるのと同時に契約する場合は、借入期間に応じて一括契約する商品もある。契約金額は、住宅の評価額と同じ額に設定するのが一般的だ。
(2014-07-03 朝日新聞 朝刊 1経済)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

かさい‐ほけん〔クワサイ‐〕【火災保険】
火災によって生じる損害の塡補(てんぽ)を目的とする保険。

出典:小学館
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編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
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損害保険用語集

火災保険
火災、落雷、破裂・爆発、台風などによる建物や家財の損害を補償する保険のことをいいます。また、直接的な損害の他、保険事故の際に生じるさまざまな費用(費用保険金)についても補償の対象としています。火災保険の中には、水害や盗難、傷害事故などの損害まで総合的に補償するタイプのものもあります。

出典:自動車保険・医療保険のソニー損保

リフォーム用語集

火災保険
火災・落雷・破裂・爆発などにより建物や動産に損害が生じたときに支払われる保険。地震などが原因で発生した火災による損害は地震保険の範疇(はんちゅう)となり、火災保険の対象外となる。→特約火災保険、特約地震保険

出典:リフォーム ホームプロ
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保険基礎用語集

火災保険
火災によって生じる損害の填補(てんぽ)を目的とする保険を指します。

出典:みんなの生命保険アドバイザー
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世界大百科事典 第2版

かさいほけん【火災保険 fire insurance】
建物やその収容動産等を対象に,火災のほか落雷・爆発・風災等の事故による損害,さらに臨時費用等事故に伴う各種の費用についても保険金を支払う保険。元来は,火災のみによる損害に対して保険金を支払うことを目的とした保険であったが,現在は基本的な火災保険自体がこのように変貌するとともに,盗難・水害等も担保する総合保険や各種特約など商品多様化が進んでいる。なお,地震による(火災・倒壊等の)損害には保険金が支払われない(免責である)。

出典:株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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大辞林 第三版

かさいほけん【火災保険】
火災によって生ずる財産上の損害を塡補てんぽするための損害保険。建物・家具・商品・貴金属などが対象となる。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

火災保険
かさいほけん
火災保険は、火災という事故によって生ずる損害を填補(てんぽ)することを目的とする損害保険をいう。[坂口光男]

沿革

火災保険は、海上保険と同様、古い歴史を有する。火災保険の起源については種々の見解があるが、中世の初めからドイツに存在していたギルド(ツンフトZunft)すなわち相互扶助団体に求められるといわれている。このギルドは、人の死亡および火災の際における救済を目的としていた。15世紀になると、火災の共済だけを目的とする火災共済組合が多数出現し、今日の相互主義的火災保険経営の先駆となった。この火災共済組合はシュレスウィヒ・ホルシュタイン地方に発達し、その後、そのほかのドイツ北部地方にも多く出現した。そのなかでも、1591年、ハンブルクで100名または101名のビール醸造業者によってつくられた火災組合(Feuerkontrakt)はもっとも有名である。しかし、これは少人数の組合であったので、大火災のときには支払資金に不足が生ずることがあった。そこでハンブルク市は、1676年9月21日、当時46あった火災組合を統合し、全市を対象とする市営の火災金庫(General‐Feur-Cassa)を設立した。これが、ドイツのみならず世界における公営火災保険の最初のものである。
 近代的な意味における火災保険は、1666年のロンドンの大火災(ロンドン大火)が契機となって出現した。1666年9月2日、パン屋から出火した火は4日間燃え続け、全市の家屋の約85%にあたる1万3200戸、400街を焼きつくした。そこで、翌年の1667年、医師のニコラス・バーボンNicholas Barbon(1604ころ―98)が最初の火災保険会社を設立し、建物火災保険の営業を始めた。これに続いて、1683年、相互組織の友愛組合が火災保険の営業を開始した。
 わが国における近代的火災保険は、1878年(明治11)にパウル・マイエットPaul Mayet(1846―1920)が東京で講演をしたのち、『日本家屋保険論』(寺田有吉訳)を著したことに始まる。マイエットは1876年(明治9)、渡欧中の木戸孝允(きどたかよし)のすすめでお雇い外国人として来日し、1893年まで滞在した。そして、わが国における五災、すなわち火災、震災、暴風、洪水、戦災による家屋の損害が多額に及ぶにもかかわらず、これらの損害に対する保険制度が存在しないことに注目した。彼は『日本家屋保険論』でドイツの公営保険を模範とし、国営の強制保険を提唱した。これに対し、賛否の激しい議論が起こったが、約3年間に及ぶマイエットの努力は結実せず、家屋保険法案の成立は不成功に終わった。しかし、公営火災保険計画の調査書類が基となって、1887年7月23日有限責任東京火災保険会社(のちの安田火災海上保険。2002年に日産火災海上保険と合併、損害保険ジャパンとなる)が認可された。これがわが国における最初の火災保険会社である。これに次いで、1891年に明治火災保険、1892年に日本火災海上保険(2001年興亜火災海上保険と合併、日本興亜損害保険となる)が設立された。[坂口光男]

火災保険の種類

ひと口に「火災保険」といっても、担保する損害や契約の方式の相違などにより、さまざまな種類の火災保険が存在する。以下に、そのおもなものを分野別に整理し、内容を説明する。[坂口光男]
家計分野の火災保険

(1)住宅火災保険 わが国では、火災保険会社の創業以来、住宅物件は倉庫・工場とともに普通火災保険で取り扱われていた。しかし昭和40年代の家計保険時代の到来とともに、住宅物件のみを対象とする火災保険創設の必要性が唱えられ、1973年(昭和48)、住宅物件は普通火災保険の対象から外されて、住宅火災保険が登場した。これは、保険約款および保険契約の内容を、一般大衆にわかりやすいように簡素化することを目的としていた。住宅火災保険においては、火災、落雷、破裂または爆発によって保険の目的に損害が生じた場合、および台風、旋風、暴風雨などの風災、雹災(ひょうさい)または豪雪、雪崩(なだれ)などの雪災によって保険の目的が損害を受け、その額が20万円以上となった場合に損害保険金が支払われる。
(2)住宅総合保険 総合保険は、1枚の保険証券で火災だけでなく、広い範囲の危険を総合的に担保する保険である。住宅総合保険は、住宅火災保険の担保内容を拡張することによって、保険契約者(保険加入者)の必要に応ずるよう、さまざまな危険を担保している。すなわち、(1)の住宅火災保険の担保事故のほかに、外来物の落下・飛来・衝突、給排水設備に生じた事故、またはほかの戸室で生じた事故による漏水・放水・溢水(いっすい)による水漏れ、騒擾(そうじょう)およびこれと類似の集団行動、または労働争議に伴う暴力・破壊行為、盗難によって建物または家財について生じた盗取・毀損(きそん)・汚損、さらに家財が保険の目的である場合においては、保険証券記載の建物内における通貨または預貯金証書の盗難、持出し家財についての火災・落雷・破裂・爆発・風災などによる損害に対して保険金が支払われる。
(3)団地保険 団地保険は、マンションを代表とする耐火造共同住宅の居住者だけを対象とし、日常生活を取り巻く各種の危険を包括的に担保する保険である。団地・マンションなどの耐火造共同住宅は、住宅用地が高額なわが国の都市部においては、一般的な居住形態となっている。耐火造共同住宅には、ほかの住宅とは異なる固有の危険があることから、1968年(昭和43)に団地保険が誕生した。団地保険は、火災・落雷などによる建物や家財の損害のための物保険、火災などの際の臨時の費用にあてる費用保険、家族の交通事故などによる傷害のための傷害保険、日常生活で起きた第三者に対する賠償事故のための賠償責任保険の、四つの保険商品がセットになっている。団地保険契約は、物保険、費用保険、傷害保険および賠償責任保険のすべてについて引き受けるものとし、これらの一部を除外することはできない。
(4)長期総合保険 保険期間は、3年、5年、10年の3種類の長期の保険で、1968年(昭和43)に誕生した。保険の目的物は、専用住宅または店舗併用住宅の建物、および収容の家財・什器(じゅうき)・備品である。担保範囲は、住宅総合保険とほぼ同様である。保険期間が満了した場合において、保険料全額の払込みが完了しているときは、保険金額の10%に相当する額が満期返戻金(へんれいきん)として支払われる。また、満期時までの払込み保険料の運用益が予定の利回りを超えたときは、契約者配当金が満期返戻金と同時に支払われる。これは「掛け捨て損」の感情に対応しようとするものである。
(5)地震保険 わが国において、地震保険は1964年(昭和39)に発生した新潟地震を契機として、1966年から実施された。この保険の目的物は、居住用の建物(店舗併用住宅を含む)と生活用の動産に限られ、特定の損害保険契約に附帯してのみ締結される。居住の用に供されない店舗・事務所や、機械・什器・商品などは保険の目的物とはならない。保険金額は、主契約の保険金額の30%から50%の範囲で選択することになるが、建物については5000万円、動産については1000万円が限度となる。保険事故および填補される損害は、地震もしくは噴火またはこれらによる津波を直接または間接の原因とする火災・損壊・埋没・流失によるものに限られる。建物・家財が全損となったときのほか、半損、一部損となったときにも保険金が支払われる。
(6)新価保険 保険の目的物の新調達価額を保険価額とする損害保険をいう。一般の物保険においては、物の再調達価額から、経過年数や使用に応じた減価額を控除した時価による損害しか填補されない。しかし、これだと被保険者は支払われた保険金だけでは従来と同じ建物などを再調達することはできず、その差額について自己資金を追加することが必要となる。そこでこの問題を解決するために、保険の目的物の再調達価額まで保険に加入することができるというのが新価保険であり、わが国では1964年(昭和39)に新価保険特約が創設された。適用物件は、建物、機械、設備・装置、器具・工具、什器・備品に限られ、それ以外の家財その他の動産は対象外とされている。新価保険は、放火などの道徳危険を増大させないように、また不当な利得を与えないようにという配慮から、次のような制限が設けられている。まず、減価の割合が50%を超えるときは新価保険を引き受けることはできないが、これは減価が著しい物件を引き受けることは不当利得を生じさせかねないと考えられることに基づいている。また、保険金は2段階に分けて支払われる。
(a)事故時に時価額に見合う保険金が内払いされる。
(b)損害時から2年以内に保険の目的物と同一用途の物を同一構内に復旧したときに、新価による保険金の部分が支払われる。この復旧が行われないときは、上記の(a)のみしか支払われない。
(7)価額協定保険 価額協定保険(特約)とは、一定条件の普通火災保険(一般物件用)・住宅火災保険・住宅総合保険・店舗総合保険・団地保険などにセットする保険(特約)で、再調達価額を基準として、保険金額を限度に実際の損害額を填補するものである。一般に、保険の加入金額(保険金額)が保険の目的物の価額(保険価額)より少ない保険を一部保険という。この場合には、事故による損害額に、保険価額に対する保険金額の割合を乗じて得られた金額が保険金として支払われる。これを比例填補というが、これは保険契約者にとって理解しがたいことであり、支払われる保険金によっては損害の全部がカバーされないため、保険契約者からの苦情が多かった。これを補うものとして、保険金額を限度として実際に生じた損害額まで保険金を支払うという、実損填補方式がある。価額協定保険は、再調達価額を基準として、実際に生じた損害額まで保険金を支払うもので、1975年(昭和50)に実施された。この保険の特色として、保険契約のときに保険者(保険事業者)と保険契約者(保険加入者)が保険の目的物の価額の評価を行うこと、事故が発生したときに保険金額を限度として損害の全額を支払うこと、事故が発生したときの損害額を再調達価額基準によって定める新価損害担保を採用しているという点をあげることができる。[坂口光男]
企業保険分野の火災保険

(1)普通火災保険 普通火災保険は、住宅物件以外の物件(一般物件、工場物件、倉庫物件)を対象としており、物件の種別ごとに、3種類の火災保険普通保険約款が適用される。また、社会生活の複雑化による新しい危険の出現に伴い、種々の拡張担保特約が生まれている。
(2)利益保険 火災や爆発などが発生したときに企業が被る損害は、罹災(りさい)した建物や機械が直接受ける物的損害にとどまらない。罹災した建物や機械を再建するまで休業しなければならないことがあり、休業の期間中は営業利益を得られないという損害を被ることになる。この損害に対して保険金を支払う保険が利益保険である。わが国の利益保険は1938年(昭和13)に営業が開始された。
(3)店舗休業保険 企業に災害などの事故が発生した場合に生ずる間接損害に対して保険金を支払う保険として、(2)の利益保険がある。しかし、利益保険は大企業には適した内容であるが、小規模な企業や商店のための保険としては、複雑すぎて十分に理解することが困難である。そこで、利益保険を簡素化し、契約対象を小規模な物件に限定し、中小企業向けに簡便な引受方式によって普及を図った保険が店舗休業保険である。わが国では、1974年(昭和49)に営業を開始した。
(4)通知保険 企業が有する動産のうち、商品・製品・仕掛品・原料などの「変動する在庫品」について火災保険をつけるために考え出された保険である。保険契約のときに保険金額が定められるが、商品・製品などの在庫品の在庫価額はつねに変動するので、保険金額が変わらない普通の保険をつけると、超過保険になったり一部保険になったりする。この保険の特色は、あらかじめ保険金額を定めるかわりに支払保険金制限額を定めること、保険契約者からの定期的な在庫高の通知を受けて変動する在庫量を把握し、それに見合う保険料を徴収すること、契約のときに定めた支払保険金制限額を限度として実損を填補するということである。
(5)倉庫特約 倉庫業者を保険契約者とし、多数の寄託者(荷主)を被保険者とする、他人のためにする火災保険である。[坂口光男]
『東京海上火災保険株式会社著『損害保険実務講座5 火災保険』(1992・有斐閣)』

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