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瀋陽【シンヨウ】

デジタル大辞泉

しんよう〔シンヤウ〕【瀋陽】
中国遼寧(りょうねい)省都。東北地区の政治・経済・文化の中心地。重工業が盛ん。1625年から後金)の都。のち、盛京改称。1644年からは奉天とよばれた。日露戦争会戦地。郊外柳条湖満州事変の勃発地。人口、行政区530万(2000)。シェンヤン

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朝日新聞掲載「キーワード」

瀋陽
中国遼寧省の省都で人口は約700万人。同省大連や丹東、吉林省長春、黒竜江省ハルビンなどに向けた東北地域の鉄道や高速道路網の中核都市の役割を担う。鉄鉱石石炭などの資源が豊富で、機械工業などの重工業を中心に発展してきた。農業では、トウモロコシ水稲などの生産が盛んだ。清朝北京に遷都するまでは国都とされ、盛京と呼ばれた。その後は奉天とも呼ばれたが、辛亥革命(1911年)を経て瀋陽と変わった。太祖ヌルハチがつくった故宮やその墓である東陵は街の観光名所となっている。「旧満州国」の時代には再び奉天と呼ばれ、「首都」となった新京(現在の吉林省長春)などと並んで、日本支配の拠点となった。満州事変勃発(ぼっぱつ)のきっかけとなった柳条湖事件(1931年)の現場近くには今、旧日本軍の中国侵略の歴史を伝える「九・一八歴史博物館」が建てられている。冬場は、1月の平均気温がマイナス13度と厳しく、最低気温がマイナス30度近くまで下がる日も多い。瀋陽出身の有名人には、中国を代表する女優の鞏俐(コン・リー)さんらがいる。
(2006-03-14 朝日新聞 朝刊 アジア)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

世界大百科事典 第2版

しんよう【瀋陽 Shěn yáng】
中国東北部,遼寧省の省都。満州語ではムクデンMukdenといい,ヨーロッパではこの呼称を用いることが多い。同省中央部にあり,渾河北岸に位置する。面積8515km2(うち市部3495km2),人口662万(うち市部467万,1994)。京哈(北京~ハルビン),哈大(ハルビン~大連),瀋丹(瀋陽~丹東),瀋吉(瀋陽~吉林)等の鉄道が放射する交通上の要衝で,大連との間に高速道路を建設中。東北地区における交通,経済,軍事,文化の中心。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

しんよう【瀋陽】
中国、遼寧りようねい省の省都。機械・化学・冶金やきんなどの工業が発達。清代には国都として盛京と称し、のち奉天と称した。シェンヤン。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

瀋陽
しんよう / シェンヤン
中国、遼寧(りょうねい)省中部の副省級市(省と同程度の自主権を与えられた地級市)で、同省の省都。旧称奉天(ほうてん)。略称は瀋。和平(わへい)、瀋河(しんが)、大東(だいとう)、皇姑(こうこ)、鉄西(てつせい)、蘇家屯(そかとん)、渾南(こんなん)、于洪(うこう)、遼中(りょうちゅう)、瀋北(しんほく)新区の10市轄区と2県を管轄し、新民(しんみん)市の管轄代行を行う(2017年時点)。人口730万4000、市轄区人口529万9000(2015)。東北地区最大の総合工業都市であるとともに、同地区の政治、経済、文化の中心で、交通上の中枢ともなっている。年平均気温は8.5℃、年降水量は725.5ミリメートル。札幌市、川崎市、浜松市と姉妹都市提携を結ぶ。[浅井辰郎・編集部]

歴史

古くから北方遊牧民族と漢民族との争奪の地であった。明(みん)のとき瀋陽中衛が置かれ、明末、満洲(まんしゅう)族が興ると清(しん)の太祖ヌルハチは1625年、ここを都とし盛京(せいけい)とよんだ。1644年の北京(ペキン)遷都後は陪都(ばいと)とされた。このため盛京将軍が置かれ、別に民政機関として奉天府も設置された。このことから瀋陽は以後しばしば奉天ともよばれるようになった。
 19世紀末、ロシア、日本が東北に進出すると、瀋陽はその重要な目標となった。1920年代、軍閥張作霖(ちょうさくりん)はここを根拠として全東北を支配したので奉天軍閥とよばれた。1931年(昭和6)、関東軍が中心となって瀋陽北郊の柳条湖(現、大東区)で鉄道爆破事件を起こした(柳条湖事件)。事件を発端に満州事変が勃発し、翌1932年には日本の傀儡(かいらい)国家である「満州国」が成立している。「満州国」時代に日本が重工業をおこしたこともあって、瀋陽地方は中国有数の重工業地帯となった。
 なお、ヨーロッパ人には、満州語に由来するムクデンMukdenの名で知られている。[倉橋正直]

産業・交通

周辺に石炭、油母頁岩(ゆぼけつがん)、鉄、銅の産地をもち、近隣には鉄鋼の鞍山(あんざん)市、石炭の撫順(ぶじゅん)市を控える。これらを背景として、機械工業を中心に重工業が発達しており、戦闘機製造で有名な瀋陽飛機工業集団、自動車メーカーの華晨(かしん)汽車集団、大型機械メーカーの北方重工集団などの大手企業を擁する。このほか、冶金、化学、建築材料、紡績、製紙、食品加工なども盛んである。
 交通では、京哈(けいは)線および哈大線(ハルビン―大連(だいれん))が通じるうえに、瀋吉線(瀋陽―吉林(きつりん))、瀋丹線(瀋陽―丹東(たんとう))、瀋大線の起点となり、自動車道も市を結節点として八方に広がる。市街の南東部には瀋陽桃仙国際空港があり、航空路が国内30以上の都市へ延びるほか、日本、韓国、北朝鮮などの国とも結ばれている。[浅井辰郎・編集部]

文化・観光

市街地には、遼寧大学、東北大学、瀋陽医学院、遼寧省図書館、遼寧省歴史博物館、遼寧工業展覧館、遼寧体育館、遼寧芸術劇場などの高等教育機関、文化施設が置かれ、中山公園、南湖公園をはじめとして公園が各所に設けられている。また西部の鉄西区は工業地域で、多数の工場、労働者の高層住宅のほか、工人文化宮や労働公園がある。
 史跡としては、清初の宮城であった瀋陽故宮があり、2004年「北京と瀋陽の明・清朝の皇宮群」の構成資産として世界遺産の文化遺産に追加登録された(世界文化遺産)。このほか、清の太祖ヌルハチの墓の東陵、清の太宗ホンタイジの墓の北陵、張作霖・張学良(ちょうがくりょう)父子の官邸であった張氏帥府などがある。
 日本の領事館が設置されているが、2002年5月、その領事館に北朝鮮からの亡命希望者が逃げこむという事件が発生した。[浅井辰郎・編集部]

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精選版 日本国語大辞典

しんよう シンヤウ【瀋陽】
中国東北部、遼寧省の省都。省中央部、遼河の支流渾河(こんが)の北岸にある。鞍山(あんざん)・撫順(ぶじゅん)・本渓などの鉄鉱石・石炭産地をひかえ重工業がさかん。旧名、盛京・奉天。

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旺文社世界史事典 三訂版

瀋陽
しんよう
Xìnyáng
中国,遼寧省中部にある同省の省都で,東北地方最大の都市
8世紀,渤海 (ぼつかい) 時代から政治の一中心地。1625年清の太祖ヌルハチが都を置いて盛京といい,19年間首都。以後は副都として奉天府といった。19世紀末の東清鉄道建設に伴ってロシアの進出がめだち,1905年日露戦争の決戦場となった。中華民国時代は奉天派軍閥の作霖の拠点で,日本軍部の陰謀(張の爆死,柳条湖事件)もこの郊外で起こり,1945年まで日本の勢力下にあった。

出典:旺文社世界史事典 三訂版
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