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源信【げんしん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

源信
げんしん
[生]天慶5(942).大和
[没]寛仁1(1017).6.10. 近江
平安時代中期の天台宗の僧。恵心 (慧信) 僧都ともいう。早くから出家して比叡山横川の良源の門に入り,止観業 (天台の哲) ,遮那業 (天台の行法) を学び,良源門下四上足の一人に数えられた。寛弘1 (1004) 年権少都となったが,翌年辞退した。この間『因明論疏四相違略注釈』 (3巻) を,また寛和1 (985) 年には『往生要集』をわし,初めて浄土教の教説を立てた。永延2 (988) 年,覚超らと二十五三昧会を結び,浄土往生の行に励んだ。寛弘1年6月,延暦寺六月会の探題になったが,栄名を嫌って山門を出ず,著作,修行に専念した。同3年,一切衆生成仏を説いた名著一乗要決』 (3巻) を著わし,天台宗義によって法華の一乗思想を解説した。臨終にあたっては,阿弥陀如来像の手に結びつけた糸を手にして,合掌し入滅した。また,源信作といわれる絵画,彫刻も数多くみられるが,真作かどうかは美術史上疑問とされている。

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源信
みなもとのまこと
[生]弘仁1(810)
[没]貞観10(868).閏12.28.
平安時代前期の廷臣。嵯峨天皇の子。母は広井氏または藤井氏。弘仁9 (818) 年勅により源姓を賜わり臣籍となる。兄弟である常 (ときわ) ,定 (さだむ) らとともに政府の要職につき,嵯峨源氏は朝廷の大勢力となった。 22歳で参議になって以来,順調に昇進し,天安1 (857) 年太政大臣藤原良房に次ぐ地位,左大臣となった。貞観8 (866) 年応天門が炎上し,不仲であった伴善男にはかられ,放火の罪を着せられそうになったが,良房の計らいにより事なきを得た (→応天門の変 ) 。没年の翌年正一位を贈られる。

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朝日新聞掲載「キーワード」

源信
奈良・當麻寺(たいまでら)近くで生まれ、比叡山で修行。10代で得度受戒した後に比叡山の横川(よかわ)で隠棲(いんせい)。「往生要集」で浄土教を大成し、法然、親鸞らに影響を与えた。恵心僧都(えしんそうず)と呼ばれ、源氏物語に登場する横川の僧都のモデルとされる。
(2017-07-06 朝日新聞 朝刊 大特集G)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

げんしん【源信】
[942~1017]平安中期の天台宗の僧。俗姓卜部(うらべ)氏。比叡山良源師事。横川(よかわ)恵心院に住んで著述に専念、「往生要集」を著してのちの浄土教成立の基礎を築いた。また、和讃(わさん)などの確立にも貢献。恵心僧都。横川僧都

出典:小学館
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編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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みなもと‐の‐まこと【源信】
[810~869]平安前期の公卿嵯峨天皇皇子通称北辺(きたのべ)左大臣。源のを賜り、臣籍降下応天門の変嫌疑を受けたがを免れた。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus

源信 みなもとの-まこと
810-869* 平安時代前期の公卿(くぎょう)。
弘仁(こうにん)元年生まれ。嵯峨(さが)天皇の皇子。母は広井氏。弘仁5年臣籍にはいり,賜姓源氏の初例となった。天長8年(831)参議。天安元年左大臣となり,2年正二位。貞観(じょうがん)8年応天門の変にまきこまれたが,藤原良房の協力で無実となった。貞観10年閏(うるう)12月28日死去。59歳。贈正一位。北辺(きたのべ)大臣とよばれた。

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源信 げんしん
942-1017 平安時代中期の僧。
天慶(てんぎょう)5年生まれ。天台宗。比叡(ひえい)山で良源に師事。横川(よかわ)の恵心院に隠棲して修行と著述に専念し,恵心僧都(そうず),横川僧都とよばれた。宋(そう)(中国)でもたかく評価された「往生要集」をあらわしたほか,念仏結社を指導するなど,のちの浄土教におおきな影響をあたえた。寛仁(かんにん)元年6月10日死去。76歳。大和(奈良県)出身。俗姓は卜部(うらべ)。著作に「一乗要決」「観心略要集」など。
【格言など】人かずならぬ身のいやしきは,菩提を願うしるべなり(「横川法語」)

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世界大百科事典 第2版

げんしん【源信】
942‐1017(天慶5‐寛仁1)
平安中期の天台宗の学僧。浄土教家として著名で,恵心僧都(えしんそうず),横川(よかわ)僧都とも称された。大和国(奈良県)当麻郷に生まれ,父の名は卜部正親,母は清原氏。7歳で父の死にあい,9歳で比叡山に登る。954年(天暦8)得度受戒し,良源の門下となって経論の研鑽に努め,973年(天延1)32歳で広学竪義となり,内供奉十禅師に補せられた。978年(天元1)に著した《因明論疏四相違略註釈》3巻は撰述年時のわかる最初の著書で,のち宋の慈恩寺弘道の門人に贈られたが,青年時代の著述とみられるものに《六即義私記》がある。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

みなもとのまこと【源信】

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大辞林 第三版

げんしん【源信】
942~1017 平安中期の天台宗の僧。恵心僧都・横川よかわ僧都。大和の人。比叡山で良源に師事し、横川恵心院に住す。「往生要集」を著して浄土教の興隆に大きく貢献し、また文学・芸術にも多くの影響を与えた。一方、天台宗恵心流の祖とされ、中古・中世の天台本覚思想の先駆をなした。著「一乗要訣」「観心略要集」「阿弥陀経略記」など。

出典:三省堂
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みなもとのまこと【源信】
810~868 平安初期の廷臣。嵯峨天皇の皇子。814年源姓を賜り臣籍に降下、皇子で源姓を賜る初例となった。857年左大臣。応天門の変では放火の罪に問われたが疑いは晴れた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

源信
げんしん
(942―1017)
平安中期の天台宗の学僧。大和(やまと)国(奈良県)葛城(かづらき)郡当麻(たいま)郷に生まれる。父は卜部正親(うらべまさちか)、母は清原氏。伝えによれば、7歳で父と死別、その遺命により出家し、9歳のとき比叡山(ひえいざん)に登り良源(りょうげん)(慈慧大師(じえだいし))に師事、13歳のとき得度受戒したという。横川恵心院(よかわえしんいん)にあって修行と著述に従事したので、横川僧都(そうず)、恵心僧都とも称された。978年(天元1)37歳にして『因明論疏(いんみょうろんしょ)四相違略註釈(ちゅうしゃく)』を著す。因明とは仏教論理学であり、この著作が今日知られる限りでの源信の処女作であるから、この年から彼は学僧として出発したことになる。985年(寛和1)主著『往生要集(おうじょうようしゅう)』を著す。彼はここで多くの経典のほかに、インド、中国、日本の諸師の論疏を引用して、人間は穢土(えど)を厭離(おんり)し極楽(ごくらく)に往生することにより初めて仏陀(ぶっだ)の悟りに分け入ることができると述べ、「往生の業は、念仏をもって本となす」と説く。『往生要集』はこの後、宋(そう)人の手により中国の天台山国清寺にもたらされて賛仰の的となり、源信の名は中国の仏教界にも知られるに至った。986年(および988年)に著された『二十五三昧(さんまい)式』は、『往生要集』の教説に基づいて念仏三昧を勤修する三昧会(さんまいえ)の結衆の指針となるもので、三昧会が25人の発起衆の呼びかけにより結成されたので、この名称がある。正暦(しょうりゃく)年中(990~995)、霊山院を造営、また華台(けだい)院に丈六弥陀(みだ)三尊を安置し、迎講(むかえこう)を始めた。1005年(寛弘2)には、大乗仏教概論ともいうべき『大乗対倶舎抄(くしゃしょう)』を完成させ、また翌1006年には、一切衆生(いっさいしゅじょう)の成仏(じょうぶつ)を説く『一乗要決(いちじょうようけつ)』をまとめた。1007年撰述(せんじゅつ)の『観心略要集』は、理観の念仏を強調した書として『往生要集』と並び称される。さらに1014年(長和3)には『阿弥陀経(あみだきょう)略記』を著し、生涯を学問と修行に終始して、寛仁(かんにん)元年6月10日、76歳で示寂した。彼の伝記は『楞厳院(りょうごんいん)源信僧都伝』のほか多数あり、さらに往生伝、説話集などにも採録されている。[広神 清]
『石田瑞麿校注『日本思想大系6 源信』(1970・岩波書店) ▽川崎庸之校注『日本の名著4 源信』(1983・中央公論社) ▽八木昊恵著『恵心教学の基礎的研究』(1962・永田弘文堂)』

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精選版 日本国語大辞典

げんしん【源信】
平安中期の天台宗の僧。卜部(うらべ)氏。大和の人。比叡山の良源に師事。横川の恵心院に住んで修行と著述に専念し、恵心僧都、横川僧都と呼ばれる。「往生要集」を著わして、のちの浄土教成立の基盤を築き、平安時代の思想、学芸に深い影響を与えた。著はほかに「一乗要訣」「観心略要集」「台宗二十七疑」など。天慶五~寛仁元年(九四二‐一〇一七

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みなもと‐の‐まこと【源信】
平安前期の廷臣。嵯峨天皇の皇子。母は広井氏。弘仁五年(八一四)源姓を賜わって臣籍に降り、官は左大臣に至る。貞観八年(八六六)応天門が炎上したとき、信の放火であると告発されたが、藤原良房の弁護により、大納言伴善男(とものよしお)の陰謀であることが発覚し、難を免れた。和歌をよくし、「後撰和歌集」に北辺左大臣として一首採録された。弘仁元~貞観一〇年(八一〇‐八六八

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旺文社日本史事典 三訂版

源信
げんしん
942〜1017
平安中期の天台僧
比叡山横川 (よかわ) の恵心 (えしん) 院に住んだので恵心僧都ともいう。大和の当麻 (たいま) の卜部 (うらべ) 氏の出身。9歳で比叡山に登り,良源に師事。顕密 (けんみつ) の学を修め,『往生要集』を著して念仏往生の教えを説き,貴族庶民に大きな影響を与えた。

出典:旺文社日本史事典 三訂版
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源信
みなもとのまこと
810〜868
平安前期の公卿
左大臣。嵯峨天皇の皇子。866年応天門の変に際し伴善男 (とものよしお) の陰謀で失脚するところを藤原良房に救われた。

出典:旺文社日本史事典 三訂版
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