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湖沼学【こしょうがく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

湖沼学
こしょうがく
limnology
陸水学の一学問分野で,湖沼を研究対象とする科学。沼の物理学的,化学的,生物学的および地学的現象やそれらの相互作用を研究すると同時に,湖沼を小宇宙として総合的にとらえる。自然科学としての湖沼学は 19世紀の中頃に始る。最初は湖の深度湖盆測量などがおもな仕事で,F.フォーレルの湖沼誌が主流をなした。しかし 20世紀の初めには,湖沼誌のほかに水の化学成分やプランクトンの研究が盛んとなり,1920年代以降になって湖沼型を中心問題とする近代湖沼学が現れ,現在も湖沼の化学成分,湖水生物群集,湖沼型などの研究が中心課題となっている。なお,湖沼堆積物の花粉分析や有機物の分析などから,過去の気候変化を研究する古湖沼学も重要である。

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デジタル大辞泉

こしょう‐がく〔コセウ‐〕【湖沼学】
湖沼の対象として、地学物理学化学生物学などの各方面から総合的に研究する、陸水学の一分科。

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世界大百科事典 第2版

こしょうがく【湖沼学 limnology】
陸水学の一分野で,湖沼の物理的・化学的・生物学的な特質を解明する学問。湖沼を小宇宙microcosmosとする考え方から始まり,湖沼学を体系化するのに,スイスのフォーレルF.A.Forel,ドイツのティーネマンスウェーデンE.ナウマンらの力が大きかった。フォーレルはレマン湖の研究,ナウマンは北欧の湖の研究を行い,現代湖沼学の基礎をつくった。そのほか,オーストリアのルットナーF.Ruttner(1882‐1961),アメリカのバージE.A.Birge(1851‐1950)およびジュデーC.Juday(1871‐1944)をはじめ,現在に至るまで多数の学者により世界各地で湖沼調査が進められてきた。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

こしょうがく【湖沼学】
陸水学の分野の一。湖沼の成因・形態・水質・生態などに関する研究を行う。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

湖沼学
こしょうがく
limnology
湖沼を研究対象とする学問。湖沼は大昔から漁業、交通、水利などを通して、人々と深いかかわり合いをもってきたが、それが科学研究の対象となったのは19世紀末からである。湖沼学は、湖沼に関する地学、物理学、化学、生物学などの諸分野を総合した科学である。これらの諸分野のうち、比較的早く研究が開始されたのは、淡水生物学であった。その後、アメリカのバージE. A. Birge、フォーブスS. A. Forbesらは、淡水生物の研究に物理・化学環境の調査、分析を加え、それぞれの湖に特有な環境と生態系が発達することを示唆した。フォーブスは、外界から独立した湖沼は、それぞれが微小宇宙であるという考えを示した。ヨーロッパでは、スイスのF・A・フォーレルが、レマン湖の総合研究や一般湖沼学の教科書を著し、湖沼学の体系化を試みた。総合科学としての湖沼学は、フォーレルに始まると考えられている。
 日本の湖沼研究は、田中阿歌麿(あかまろ)によって1899年(明治32)に開始された。田中は日本各地の湖沼を調査し、多くの著作を残した。1931年(昭和6)には、吉村信吉(しんきち)らの努力によって日本陸水学会が結成された。
 湖沼や河川では、水の流動、水量、水質、生物、湖底堆積(たいせき)物、沿岸および流域の自然と人間活動など、多くの要因が関連して水の状態がつくられている。それゆえ水の研究には総合的な視野が要求される。なお、リムノロジーlimnologyは狭義には湖沼学であるが、湖沼、河川、地下水を含めた陸水学と解釈するほうが実態にあっている。湖沼学や陸水学は、水域汚染の改善や生態系保全の基礎としても重要な科学になっている。[新井 正]
『上野益三著『陸水学史』(1976・培風館) ▽日本陸水学会編『陸水の事典』(2006・講談社)』

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精選版 日本国語大辞典

こしょう‐がく コセウ‥【湖沼学】
〘名〙 陸水学の一分科。湖沼の成因、形状、水温、水質、化学成分、生物、利用法などを研究する学問。スイスのフォーレルによって開拓され、日本では明治三二年(一八九九)田中阿歌磨によって始められた。

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