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海底堆積物【かいていたいせきぶつ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

海底堆積物
かいていたいせきぶつ
marine sediment
海底に堆積した細粒物質の集合体。堆積した場所の酸化還元環境に応じて含まれる鉄分の状態に変化が生じ,酸化的な環境では赤褐色,還元的な環境では緑色から黒色を帯びる。一般に海洋に生息する微小生物の遺骸を含むことが多く,この量が 30%以上になるものは軟泥と呼ばれる。おもに動植物性プランクトンの遺骸からなる生物源堆積物(→遠洋性堆積物深海堆積物),河川乱泥流によってから運ばれた土砂主体とする陸源堆積物(→陸性堆積物),海水から直接沈積したり海水との反応で生成した化学的堆積物に区分されるが,多くの場合はこれらが混在している。

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世界大百科事典 第2版

かいていたいせきぶつ【海底堆積物 marine sediments】
陸地を構成する岩石は,風化作用風雨流水浸食運搬作用によって砕屑物となり,凹所に堆積する。堆積場所は陸上(たとえば,湖沼砂漠など)の場合もあるが,それは一般に広大な大陸内の場合に限られ,大部分は海底である。海は地球の表面の約72%を占め,海底では水中のいろいろな物質(鉱物や生物の遺骸など)がつぎつぎと絶え間なく沈殿・堆積している。 1872‐76年にイギリスのチャレンジャー6世号は世界を周航し,約1万2000個の海底堆積物を採集,これによって近代的な海底堆積物の研究が開始された。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

海底堆積物
かいていたいせきぶつ
海水により運搬され沈積した堆積物。何を基準にとるかにより多様な分類法がある。河川から搬入された堆積物は、海水に懸濁し溶解し、あるいは海底を移動する。この海水流動の指標として、粒子の大きさによる分類がある。この場合は礫(れき)、砂、泥(シルトと粘土)に分けられる。生成環境を陸からの距離で分けると、沿岸・近海・半遠洋・遠洋堆積物となる。水深で分けると、海浜・浅海・中深海・深海堆積物となる。堆積物粒子の起源を基準とすれば、岩圏起源・生物圏起源・水圏起源・宇宙起源堆積物に分けられる。これらを組み合わせると、陸源堆積物(礫、砂、泥、青泥、赤泥、緑泥、タービダイト、氷河堆積物、遠洋粘土)、化学源堆積物(マンガン団塊、リン酸塩団塊、パラゴナイト、フィリップ石、重晶石など)、生物源堆積物として石灰質堆積物(有孔虫軟泥、翼足虫軟泥、ココリス軟泥、サンゴ堆積物など)と珪質(けいしつ)堆積物(放散虫軟泥・珪藻軟泥)などに分けられる。
 運搬経路あるいは形成過程によって、河川、海流、風、氷河、氷山、混濁流、生物遺骸(いがい)、無機的沈殿、風化などを指標に分けることもできる。一般的にみると大陸棚では陸源の砕屑(さいせつ)物、火山堆積物、サンゴ堆積物が多く、大陸斜面とその沖合いにはタービダイトが多い。大洋底ではプランクトン遺骸(有孔虫軟泥、ココリス軟泥、珪藻軟泥)、海水からの沈殿物(マンガン団塊)、風成堆積物(遠洋粘土)と、その海底風化物質などが多い。大洋底は堆積速度がきわめて遅く、層を乱さずにこれを採取すれば、過去にさかのぼって堆積環境を知ることができる。深海掘削によってジュラ紀の堆積物(1億6200万年前)が北大西洋のバハマ沖で得られている。
 堆積物の生成年代の決定は、放射性同位体による方法、古地磁気学的方法、火山灰層による方法、生物層序学的方法(放散虫、珪藻、ココリス、有孔虫などの種の変遷の組合せ)があり、これらによって過去の気候変化、海流変化、プレート移動などを推定することも可能である。最近、問題になっているのは、深海堆積物中の堆積間隙(かんげき)の存在である。その原因は解明されていないが、プレートの移動に伴う水陸分布の変化と南極底層水の流路の変遷によって、堆積間隙の分布を説明する底層流説がある。また大気中の台風やサイクロンに似た大洋の西側に発生する中規模渦による無堆積という説明の可能性も示唆されている。[佐藤任弘]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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