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浮雲【うきぐも】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

浮雲
うきぐも
二葉亭四迷長編小説。第1編 1887年,第2編 88年,第3編 89年刊。下級官吏内海文三は,自我をかたくなに守ることで職を失い,寄宿先の叔父の家でも孤立,叔父の娘お勢との恋にも破れる。孤独な近代知識人の内面を初めて描き,日本近代小説の先駆となった。た,その清新な言文一致体の文章は後世の国語に大きな影響を与えた。

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浮雲
うきぐも
日本映画。東宝 1955年作品。監督成瀬巳喜男。脚本水木洋子。原作林芙美子。撮影玉井正夫。音楽斎藤一郎。主演森雅之高峰秀子。第2次世界大戦直後の荒廃した社会を背景に,一女性の不実な男への断ち切れぬ愛を描く。荒涼とした風景と人々の暗鬱な気分とが一体化し一種のニヒリズムとなって漂い,男女の絆が「業」とでも呼べそうな無常感を伴って画面ににじみ出た。成瀬巳喜男の代表的作品。

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デジタル大辞泉

うきぐも【浮雲】[書名]
二葉亭四迷の小説。明治20~22年(1887~1889)発表。明治中期の功利主義や官僚制の中で挫折(ざせつ)していく青年の姿を、言文一致体で描いたもの。近代写実小説の先駆とされる。
林芙美子の小説。昭和26年(1951)刊。自堕落な男を愛し続ける女の悲劇的な人生を描く。昭和30年(1955)、成瀬巳喜男監督により映画化。出演、高峰秀子、森雅之ほか。第29回キネマ旬報ベストテンの日本映画ベストワン作品。第6回ブルーリボン賞作品賞、第10回毎日映画コンクール日本映画大賞受賞。

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うき‐ぐも【浮(き)雲】
《古くは「うきくも」とも》
空中に浮かび漂っている雲。
物事の落ち着きがなく不安定なさまのたとえ。「浮き」と「憂き」をかけて用いることが多い。「浮き雲の生活」
[補説]書名別項。→浮雲

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ふ‐うん【浮雲】
空に浮かんでいる雲。うきぐも。
定まらないこと、また、はかなく頼りないことのたとえ。

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デジタル大辞泉プラス

浮雲
1955年公開の日本映画。監督:成瀬巳喜男、原作:林芙美子、脚色:水木洋子、撮影:玉井正夫、録音:下永尚。出演:高峰秀子、森雅之、中北千枝子、木村貞子、山形勲岡田茉莉子、加東大介ほか。第29回キネマ旬報ベスト・テンの日本映画ベスト・ワン作品。第6回ブルーリボン賞作品賞受賞。第10回毎日映画コンクール日本映画大賞、監督賞、録音賞、女優主演賞(高峰秀子)受賞。

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浮雲
TBS系列放映による日本の昼帯ドラマ。花王愛の劇場。放映は1976年1~3月。出演:佐藤オリエ、木村功ほか。

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浮雲
日本のポピュラー音楽。歌は女性演歌歌手、香西(こうざい)かおり。1998年発売。作詞:悠木圭子、作曲:鈴木淳。

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世界大百科事典 第2版

うきぐも【浮雲】
二葉亭四迷の長編小説。1887年(明治20)第1編刊,88年第2編刊,89年第3編を《都の花》に連載。官制の改革が行われた86年の東京を舞台に,内海文三と従妹のお勢の相思相愛の関係が,文三が役所を免職になったのち変貌していくありさまを描く。世俗的なお勢の母親はともかく,新時代の教育を身につけたお勢までがなぜ,卑しい出世主義者の本田昇に惹(ひ)かれていくのか,文三にはわからない。異様なものとして現れてきた世界の姿を問い続けながら,文三は孤独のうちに発狂寸前まで追い詰められていく。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

うきぐも【浮雲】
小説。二葉亭四迷作。1887(明治20)~89年発表。未完。知識青年内海文三を通して明治の文明・風潮を批判し、自我の目覚めと苦悩とを写実的に描く。言文一致体による近代写実小説の先駆。

出典:三省堂
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ふうん【浮雲】
空に浮かんでいる雲。うきぐも。はかなくて頼りないもの、確かでないこと、などにいう。 「 -のはかなきよりもはかなく/思出の記 蘆花

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精選版 日本国語大辞典

うき‐ぐも【浮雲】
[1] 〘名〙 (「うきくも」とも)
① 空中に浮かんで漂う雲。
※兼輔集(933頃)「うきくもに身をしなさねばひさかたの月へだつともしられざりけり」
② 物事が落ち着かないで不安定なさまのたとえ。「浮き」と「憂き」をかけて用いられる場合が多い。
※篁物語(12C後か)「いささめにつけし思ひの煙こそ身をうき雲となりて果てけれ」
[2] 小説。二葉亭四迷作。明治二〇~二二年(一八八七‐八九)に発表、のちに中絶したことが判明。功利主義的明治社会の中で挫折する青年の姿を、言文一致体で描く。日本最初の本格的写実小説で、後世に大きな影響を及ぼした。

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ふ‐うん【浮雲】
〘名〙
① 空中に浮かび漂う雲。うきぐも。
※懐風藻(751)望雪〈紀古麻呂〉「浮雲靉靆縈巖岫、驚飈蕭瑟響庭林」 〔曹丕‐雑詩〕
② 転じて、空に漂う雲のように定まらないこと、境遇の定まらないことのたとえ。
※本朝文粋(1060頃)七・法皇賜渤海裴遡書〈紀長谷雄〉「余栖南山之南。浮雲不定」
③ はかないこと、不確かで頼りないこと、とりとめのないことのたとえ。
※三教指帰(797頃)中「願浮雲富、聚如泡財」
※浄瑠璃・狭夜衣鴛鴦剣翅(1739)一「浮雲(フウン)の富に身をわすれ」
④ 浮かんでいる雲のように自分とは遠く隔たった存在のもの。まったく関係のないもののたとえ。〔論語‐述而〕
⑤ (雲が太陽を隠すところから) 明らかな判断・悟りの妨げとなるもののたとえ。また、邪悪なこと・奸臣のたとえ。
※読本・椿説弓張月(1807‐11)続「君を欺き民を虐、浮雲の驕を極めしかば」 〔古詩十九首‐其一〕
⑥ 名馬につける名の一つ。また、馬のこと。
※明衡往来(11C中か)上本「件馬長等所為甚以非常也、策浮雲轡」

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