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浄土【じょうど】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

浄土
じょうど
仏陀の住む清浄な国土のことで,煩悩に汚染されている穢土 (えど) に対する。大乗仏教では,多くの求道者が修行を積んだ結果,悟りを開いて仏陀となり,それぞれの国土に住む無数の人々を救済すると主張する。浄土にも種々あり,現実のこの世界が,悟りを開いた人間には浄土であるとしたり,たとえば,阿弥陀仏極楽浄土のように現実の世界を離れて存在するとされる浄土もある。そのほか薬師浄土,弥勒浄土,観音浄土なども説かれる。なお,極楽浄土の観念は,『リグ・ベーダ』に始るベーダ文献にその起源を求めることも可能で,おそらくインドのクシャン朝の富裕な資産階級の生活欲求をある程度反映しているものといわれる。日本では「浄土」といえば,特に阿弥陀仏の極楽浄土のことであると解されるようになった。

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デジタル大辞泉

じょう‐ど〔ジヤウ‐〕【浄土】
仏語。一切の煩悩(ぼんのう)やけがれを離れた、清浄な国土。仏の住む世界。特に、阿弥陀仏の住む極楽浄土西方浄土。「欣求(ごんぐ)浄土」⇔穢土(えど)
浄土宗」の略。

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世界大百科事典 第2版

じょうど【浄土】
清浄な国土という意味で,菩薩として衆生を救済せんという誓願を立てて悟りに達した仏陀が住む清浄な国土のことであり,煩悩(ぼんのう)でけがれた凡夫の住む穢土(えど)つまり現実のこの世界に対比していう。浄土は大乗仏教における宗教的理想郷を指す言葉としても広く用いられたが,阿弥陀仏の信仰が鼓吹され流行するにつれて,阿弥陀仏の仏国土である極楽と同一視され,ついには同義語となる。サンスクリットには浄土を意味する術語はないが,漢訳仏典の訳語の用例からみて,仏国土を意味するブッダ・クシェートラbuddha‐kṣetraの訳語とされている。

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大辞林 第三版

じょうど【浄土】
〘仏〙
仏が住む欲望や苦しみのない世界。釈迦の西方無勝世界、弥勒仏みろくぶつの兜率天とそつてんなどがあるが、平安後期以降、浄土教が広まるにつれて主として阿弥陀の西方極楽浄土をさすようになった。 ⇔ 穢土えど
「浄土宗しゆう」の略。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

浄土
じょうど
大乗仏教の用語。仏や将来仏となる菩薩(ぼさつ)の住む清浄な国土をいう。煩悩(ぼんのう)で穢(けが)れている衆生(しゅじょう)の住む現実の世界を穢土(えど)というのに対する。浄土という漢語は中国において成語化されたが、しかしこの漢語によって表される観念はすでにインドにおいて成立していた。大乗仏教では、仏の悟りを求める修行者(菩薩)たちは、生きとし生ける者(衆生)を救済しようという誓願をたてて修行し、ついにそれを完成して仏となることを説くが、こうして出現する仏の世界が浄土にほかならない。諸仏の出現すべき国土は、一世界に二仏の並存する道理がないため、われわれのこの世界以外のところにそれぞれ現に存在するという。阿弥陀仏(あみだぶつ)の西方極楽(さいほうごくらく)世界、阿(あしゅくぶつ)の東方妙喜(みょうき)世界、薬師仏の東方浄瑠璃(じょうるり)世界などがそれであり、これら諸仏の浄土はこの世界から四方、四維、上下の他の方角に存在するから、他方浄土あるいは十方(じっぽう)浄土という。
 中国・日本の仏教では、このうち阿弥陀仏の極楽世界が他の仏の浄土に比べてもっとも多く信仰の対象とされてきたので、今日一般に浄土といえば西方の極楽浄土をさし、極楽浄土への往生(おうじょう)を説く教えを浄土教と称し、浄土宗、浄土真宗が成立した。
 しかし、このような極楽浄土によって代表される浄土観とは異なった説もたてられている。菩薩がその心を浄(きよ)めるならばこの国土も浄まり(心浄土浄(しんじょうどじょう))、悟りを開けば娑婆(しゃば)世界も浄土となる(娑婆即浄土)という説は禅宗系に認められる。また日蓮(にちれん)宗系では釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)が説法をした霊鷲山(りょうじゅせん)をもって浄土(霊山(りょうぜん)浄土)とみる説を、華厳(けごん)宗系ではこの世界が毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)の現れで蓮華(れんげ)に包まれた浄土(蓮華蔵(れんげぞう)世界)とみる説を、真言宗系では現世がそのまま大日如来(だいにちにょらい)の不思議な働きによって飾られた浄土(密厳(みつごん)浄土)とみる説をたてている。このほかに、仏ではなく菩薩の浄土も説かれており、とくに弥勒(みろく)菩薩の住する兜率天(とそつてん)や観世音(かんぜおん)菩薩の住する補陀落山(ふだらくせん)も一般に浄土とよばれる。[藤田宏達]

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精選版 日本国語大辞典

じょう‐ど ジャウ‥【浄土】
〘名〙 仏語
① 仏がその悟りによって形造った、仏の住む国土。三毒(貪欲・瞋恚・愚痴)、五濁(ごじょく)(=劫濁・見濁・命濁・煩悩濁・衆生濁)のない清浄な国土。その数は二一〇億といわれるが、最も代表的なものは、阿彌陀仏の極楽浄土。また転じて、彌勒菩薩の住む兜率天(とそつてん)や観世音菩薩の補陀落山(ふだらくせん)をいう。⇔穢土(えど)
※勝鬘経義疏(611)一乗章「但疑、十方浄土無三乗之別
② 阿彌陀仏のいる西方極楽世界。西方一〇万億土の彼方にあり、一〇万の衆生をここに往生せしめるという。生死、寒暑、憂悩などの苦しみのない理想境。極楽浄土。極楽。安養浄土。浄邦。
※霊異記(810‐824)上「父母に孝養すれば、浄土に往生す」
※末燈鈔(1333)一「浄土宗にはまた有念あり、無念あり〈略〉浄土の無念は、聖道の無念にはにず」
[語誌](1)漢訳仏典において buddhakṣetra-pariśuddhi あるいは、buddha-kṣetra など「清浄な国土」「仏陀の領域」などの意の梵語を簡約した訳語としてつくられた語。厳浄仏土・浄刹・妙土・仏刹などとも訳す。
(2)当初は①の挙例「勝鬘経義疏」のように、一般に広く十方浄土をさし、特定浄土に限定されていない。平安時代に入って阿彌陀仏信仰が広まるにつれて、②の用法が主となって今日に至る。

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