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流産【りゅうざん】

妊娠・子育て用語辞典

りゅうざん【流産】
妊娠22週未満までに、なんらかの理由で胎児が死亡したり、母体の外に出て妊娠が中断してしまうことをいいます。切迫流産進行流産稽留流産、完全流産、不完全流産などがあります。全妊娠の10-15%にみられ、最も多いのは妊娠11週まで、特に8週以前です。この場合、原因のほとんどは受精卵に問題があるためです。なお、妊娠22週以降の場合は早産と呼びます。

出典:母子衛生研究会「赤ちゃん&子育てインフォ」指導/妊娠編:中林正雄(愛育病院院長)、子育て編:多田裕(東邦大学医学部名誉教授)
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デジタル大辞泉

りゅう‐ざん〔リウ‐〕【流産】
[名](スル)
妊娠22週未満で妊娠が中絶すること。妊娠12週以降22週未満で流産した場合は、死産届・埋葬許可証が必要となる。
計画・事業などが実現に至らず中途でだめになること。「新企画は予算がつかず流産した」

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

流産
 妊娠満22週未満の分娩.国により20週とするところもある.子宮外で生育できない時期の分娩.

出典:朝倉書店
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家庭医学館

りゅうざん【流産 (Abortion)】
◎妊娠22週未満の分娩(ぶんべん)
 妊娠22週未満で分娩がおこってしまうことを、流産といいます。
 近年、未熟児保育の医療技術が進歩し、500g前後の胎児(たいじ)が生まれても、救命が可能であった例が報告されています。
 しかし、これらはみな妊娠22週以降の胎児だったため、現在日本では、22週未満を流産の境界として定義しています。
 流産は、妊娠がわかった人の10~15%におこるといわれていますが、妊娠が確認されず、気づかないうちにおこる、ごく初期の流産例も含めると、さらに高い割合でおこっていると推定されます。
 流産のおこる原因はさまざまで、特定できない場合もよくあります。
 おもな原因として、受精卵そのものに異常がある場合や、母体の子宮に病変があったり、お母さんが重篤(じゅうとく)な合併症をもつ場合(コラム「合併症妊娠」)があげられます。
 また、流産の大部分を占める、妊娠3か月以内の流産の約半数例で、胎芽(たいが)(受精後8週未満のまだ人間の外形をしていない胎児)に染色体(せんしょくたい)異常があるともいわれ、これらはもともと発育不能な運命にあり、自然淘汰(とうた)の現われであるとする考え方もあります。
 流産は、症状や進行度によりいくつかに分類されます。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

りゅうざん【流産 abortion】
妊娠初期に妊娠を継続することができなくなり中絶した状態を流産というが,その範囲については種々の定義がなされている。日本では現在〈妊娠第22週未満の分娩をいう〉と流産を定義している。これは,第22週以後の分娩では胎児の母体外生活が可能と考えられるにいたったからである。かつては28週未満,24週未満とされていたこともあり,今後も,医療の進歩につれてこの定義は変わる可能性をもっている。流産の頻度は全妊娠に対して7~10%と考えられているが,妊娠第9~12週におけるものが最も多い。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

りゅうざん【流産】
( 名 ) スル
妊娠第二四週未満に胎児や胎盤が娩出されること。胎児は未熟で育つ可能性はきわめて少ない。 → 死産
計画・構想などが実現しないで終わること。 「改革案が-する」

出典:三省堂
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

流産
りゅうざん
abortion
胎児が子宮外で生存不可能な時期 (現在では妊娠 24週未満) に妊娠が中断して分娩することをいう。全妊娠の約 10%に起る。原因としては,胎児が染色体異常などで生育できない場合が最も多く,初期に流産する。このほか,多胎妊娠,母親が感染,放射線,薬物の影響を受けて胎児が死亡した場合,子宮の内膜異常,筋腫奇形,黄体ホルモン分泌不全,子宮頸管不全,重い全身疾患などがあげられる。妊娠中の過労や過度の運動と流産との直接的な因果関係は不明である。流産の大部分は出血で始るから安静を保ち,診療を受ける。妊娠中期の流産では,破水が最初に起ることもある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)

流産
りゅうざん

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

りゅう‐ざん リウ‥【流産】
〘名〙
① 胎児が月満たずに死んで生まれること。妊娠七か月未満で胎児が死んで生まれること。半産。
※中右記‐長治元年(1104)八月一五日「今日新大納言経実卿妻卒去、依流産」
② 計画・事業などが途中でだめになり実現しないこと。
※江戸から東京へ(1921)〈矢田挿雲〉七「蛮船焼討の壮挙は惜しいかな流産(リウザン)した」

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六訂版 家庭医学大全科

流産
りゅうざん
Miscarriage
(女性の病気と妊娠・出産)

どんな病気か

 流産とは、胎児が胎外で生存不可能な時期の分娩と定義されています。実際には妊娠22週未満の分娩をいい、このうちほとんどの自然流産は、前半の妊娠12週までに起こる初期流産です。

 初期流産では、胎芽(たいが)(胎児になる前の状態)が認められないか、認められても生存していない状態なので、正常妊娠へと治療する方法はなく、妊娠は継続できません。

 流産はまれなものではなく、妊娠がわかった人の10~20%ほどでみられます。つまり、ヒトの妊娠で正常に育ってくるのは80~90%だということになります。

 胎芽が育っていないことは、超音波検査でわかるため、出血や痛みなどの症状がなくても診断が可能です。妊娠12週を過ぎて起こる流産は少数で、ここで説明するものとは性質が異なります。

原因は何か

 自然流産の原因の65~70%は、受精卵の染色体に異常が起こったためです。そのため正常な胎芽へと発育せず、妊娠が継続できません。染色体異常は母体の年齢が高いほど頻度が増すため、流産の頻度は、健常な女性でも20代で10~20%、30代で20~30%、40代では30%以上といわれています。

 このほかの原因に、妊娠前後の卵巣ホルモン分泌不良や不育症(ふいくしょう)習慣流産(しゅうかんりゅうざん)がありますが、多くの妊婦さんが心配する「動きすぎ」「冷え」「ころんだ」「おなかをぶつけた」などは、あまり原因とは考えられません。

症状の現れ方

 妊娠初期の出血イコール流産と考える人が多いようですが、痛みや出血がまったくない状態で、流産と診断されることもしばしばあります。反対に少量の出血があっても、その多くは正常に妊娠が継続します。

 もちろん、流産では少量の出血がみられることが多く、子宮内容が排出される時には多めの出血と下腹部痛を伴うので、出血は注目すべき症状です。

検査と診断

 初期流産の診断には、超音波検査が欠かせません。流産は妊娠の継続が絶たれた状態なので、子宮内には生存している胎芽を認めません。

 妊娠7週以降であることが確実なら、必ず超音波検査で心拍が確認できるので、7週以降で心拍を認めなければ流産です。また、胎嚢(たいのう)が認められれば確実に妊娠4週以降ですから、それから3週を過ぎても心拍がみられなければ流産です。

 成長して心拍が現れてくるのかどうか、2~3週間経過を観察することがあります。もっと早い時期では、心拍はみられなくても当然ですが、子宮内の胎芽が入る胎嚢と呼ばれる袋は、必ず少しずつ成長するので、その成長がなければ流産です。

 流産と診断できるもののうち、症状がない状態を稽留流産(けいりゅうりゅうざん)といいます。超音波検査を行わなくても、多めの出血とともに胎嚢が子宮から排出されれば、流産(進行流産)の診断は容易です。

治療の方法

 稽留流産や進行流産と診断された時は、子宮内容を取り除く処置(麻酔・手術)を受けるのが普通です。自然に子宮内容が排出されてしまっても、一部が残ることがある(不全流産)からです。通常は1~2日の入院となります。

 ただし、胎嚢が見えないくらい初期の流産や、胎嚢が1~2㎝など小さい場合は、完全流産となって処置が不要なこともあります。

病気に気づいたらどうする

 帯下(たいげ)(おりもの)に混じる程度の出血、少量の茶色の帯下は経過をみて、次回の受診時に医師に告げましょう。月経くらいの出血がある場合は、病院に相談しましょう。受診しても胎児が発育していくか流産となるかの結果は変わりませんが状況は確認できます。

 出血があれば、激しい運動は避けたほうがよいでしょう。しかし、安静にすれば流産を防げるというわけではありません。

 流産後は1~2カ月で月経が再開し、3カ月ほどたてば再び妊娠してもかまいません。次回も流産する可能性は同率で、高くなることはありません。

坂井 昌人

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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