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流体【りゅうたい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

流体
りゅうたい
fluid
気体や液体のように,少しの力を加えると容易に変形する物質を一般に流体という。流体が静止しているときには,その中の任意の面に対して流体が及ぼす力は,常に面に垂直であり,かつ力の大きさは面の方向には依存しない。この力を圧力という。流体が運動するときには,一般に流体の内部摩擦のために,圧力のほかに面に平行な力が現れる。この性質を粘性という。一般に流体は粘性流体であるが,粘性を無視した取扱いをするとき,これを完全流体という。また,流体の密度は一般に圧力によって変化するが,その変化は,流体の速度が流体中の音速に比べてきわめて小さい場合には無視でき,音速と同程度またはそれ以上の場合には大きくなる。この密度変化を考慮したとき,流体を圧縮性流体といい,無視した取扱いをするとき,非圧縮性流体という。

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デジタル大辞泉

りゅう‐たい〔リウ‐〕【流体】
気体液体との総称外力に対して容易に形を変える性質をもつもの。流動体

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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岩石学辞典

流体
運動状態に着目した場合の液体と気体を総称したもの.臨界状態を超えた条件の下では液体と気体の明確な区別がなくなり,このような流体を超臨界流体という.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

りゅうたい【流体 fluid】
気体および液体はともに変形しやすいという性質をもっているので,この共通性をとらえて両者を流体と総称する。空気や水は流体の代表例である。流体は一定の形をもたず,わずかな力が加わっても有限の変形を起こしその運動を持続するので,有限の力が加わってもわずかしか変形しない固体とは対照的である。このような流体の動きを流れといい,流体における力のつりあい,運動の関係などを議論する学問を流体力学と呼ぶ。 静止している流体中では,その中にとった面を通して両側の流体が及ぼし合う力は面に垂直に押し合う圧力であるが,運動している流体では変形(ひずみ)速度にさからう粘性による力(粘性応力)が現れる。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

りゅうたい【流体】
液体と気体との総称。外力に対し、自由に形を変え、また流動する。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

流体
りゅうたい
fluid
物体は通常、固体、液体、気体の三つに分類される。そのうち液体と気体は容易に変形するという性質を共有するために、その運動の仕方も似通っている。すなわち「流れる」というのがその運動である。それゆえ、液体と気体を一括して流体という。流体の運動を議論するのが流体力学である。
 現実の物体は多数の原子・分子から成り立っているが、このような微細な構造に立ち入らないで、多数の分子について平均をとって物体の性質や運動を考えるのが便利である。このような方法を用いるとき、物体を連続物体という。液体と気体を流体という場合、連続物体の立場がとられる。
 力を加えられた物体は一種の緊張状態にある。これを数量的に示すために応力stressの概念が使われる。すなわち、物体内部の任意の点Pを通る任意の平面Sを考え、Sの両側の物体部分が互いに及ぼし合う(単位面積当りの)力を応力というのである。面に垂直な応力の成分を法線応力normal stress、面に平行な成分を接線応力tangential stressという。また、面の両側の物体部分が互いに押し合う場合には法線応力は圧力pressure、引っ張り合う場合には張力tensionという。同一の点Pについても、面Sのとり方によって応力はいろいろ変わる。流体が容易に変形するという性質は、「静止状態では接線応力はゼロで、法線応力は圧力である」と表現することができる。なぜなら、もしも接線応力が存在すれば、流体はずり動かされるし、もし法線応力が張力であれば流体は張り裂けるので、いずれにしても流体は静止状態にはありえないからである。さらに、静止状態にある流体では、圧力の大きさが応力を考える面の選び方によらず一定値をもつことになる。このような応力を静水圧という。すなわち、静止流体の内部の各点での緊張状態は圧力のみで表される。[今井 功]

流体の運動

流体が運動する場合には接線応力も存在しうる。たとえば、円筒形の容器に水を入れ、軸を鉛直にして回転させると、最初静止していた水は容器の壁に接する部分からしだいに動き始め、ついには容器と一体となって回転する。これは運動中の流体が接線応力をもちうることを示すものである。このように、運動中の流体に接線応力を生じさせる性質を流体の粘性という。空気や水のような流体では粘性が小さい。そこで、運動中でも接線応力が現れないという仮想的な流体を考え、これを完全流体perfect fluidあるいは非粘性流体という。実在の流体はすべて粘性流体viscous fluidである。
 液体の密度は運動中ほとんど変化しない。そこで、これを理想化して、密度がつねに一定であるような流体を「縮まない流体incompressible fluid」という。これに反して、密度が変化しうる流体を「縮む流体compressible fluid」という。常識的には気体は縮む流体である。一般に、流体が運動する場合、流れの中の各点の圧力は速度によって変化する。しかし、速度変化が小さければ圧力変化は小さく、したがって、気体でも密度変化は小さい。その場合、気体を縮まない流体とみなすことができる。たとえば、速度Uの気流が静止物体に当たる場合、その気体中を伝わる音波の速度をcとすると、マッハ数MUcが0.5程度以下であれば、気体を縮まない流体とみなすことができる。逆に液体は縮む流体としての取り扱いが必要になることがある。音波は媒質中を密度および圧力の変化が波動として伝わる現象であり、液体中でも音波が伝わりうるからである。なお、アスファルト、氷河、地殻なども常識的には固体であるが、長期的には変形しながら流動する。すなわち、流体として議論することができる。つまり、流体、完全流体、粘性流体、縮まない流体などの概念は、物体の力学的な挙動を議論するために導入されたものであって、固体・液体・気体という常識的な分野とはかならずしも一致しないのである。[今井 功]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

りゅう‐たい リウ‥【流体】
〘名〙
① 気体と液体の総称。流動して、一定の形をもたないもの。流動体。
※厚生新編(1811‐39頃)「凝体並に流体各自の引力、此理は凝体諸物の中に流体を吸引するなり」
② 水の流れ。流水。
※曲附次第(1423頃)「曲をただし、音律を習知するは流躰を作付する也」

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