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法帖【ほうじょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

法帖
ほうじょう
古今の名筆を鑑賞し手本とするため,原本を写し取り,これを木や石に刻み,さらに拓本にとって折仕立てにしたもの。中国の五代,南唐後主 (李 煜) の作った『昇元帖』が最初のものとされるが,現存する最古のものは宋の淳化3 (992) 年に作られた『淳化閣帖』。その他明の文徴明による『停雲館帖』,呉廷の『余清斎帖』,董其昌 (とうきしょう) の『戯鴻堂帖』,清代の乾隆帝勅撰の『三希堂帖』などが著名。日本のものでは細井広沢の『太極帖』が古く,韓天寿の『酔晋斎法帖』などがすぐれている。

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デジタル大辞泉

ほう‐じょう〔ハフデフ〕【法×帖】
書の手本とすべき古人の筆跡を石・木に刻して拓本にとり、折り本に仕立てたもの。広義には真跡・模写、碑文の拓本などを折り本にしたものも含む。墨帖墨本

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世界大百科事典 第2版

ほうじょう【法帖 fǎ tiè】
法とは習字の手本とすべき法書,帖は冊子のことで,狭義には中国において古人の名跡を複製して書の学習や鑑賞の用に備えたものをいう。その製法は,はじめ原跡から双鉤塡墨(そうこうてんぼく)で写し取ったものを木板または石材に陰字に鐫刻(せんこく)し,それを拓本にとって白文墨摺りとし,帖冊に仕立てる。帖末には多くは〈謀年謀月某摸勒上石〉という刊記を付け加えている。その拓し方により,淡墨で蟬の羽のように透明感のある蟬翼(せんよく)拓本,濃墨で光沢のある烏金(うきん)拓本,麻布を石と紙の間にあててその布目を出した隔麻拓本があり,興趣を異にしている。

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大辞林 第三版

ほうじょう【法帖】
習字の手本や鑑賞用に、先人の筆跡を模写したり臨写したもの。また、石や木に刻んで印刷した折り本。法書。墨帖。墨本。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

法帖
ほうじょう
古人の書の名跡を石や木に模刻して拓本をとり、学書や鑑賞のために折本(おりほん)に仕立てたもの。広義には真跡本や臨模本、碑誌の拓本を剪装本(せんそうぼん)に仕立てたものをも含めていうことがある。一種類の作品を収めたものを単帖といい、王羲之(おうぎし)の『蘭亭(らんてい)序』『十七帖』、孫過庭(そんかてい)の『書譜』などがある。一書家の書跡を集めたものを専帖といい、顔真卿(がんしんけい)の『忠義堂帖』、蘇軾(そしょく)の『晩香堂蘇帖』、王鐸(おうたく)の『擬山園帖』などがある。多くの人の書跡を集めたものを集帖または彙帖(いじょう)といい、法帖の大部分を占める。
 文献によれば、五代十国の南唐において『昇元帖』『澄清堂帖』などが刻されたとされるが、現存する法帖としては、北宋(ほくそう)の淳化3年(992)太宗の命によってつくられた『淳化閣帖』がもっとも古く、一般に法帖の祖と考えられている。宋代には『大観帖』や『群玉堂帖』など数多くの法帖がつくられた。明(みん)代も法帖の制作が盛んに行われ、『停雲館帖』『餘清斎(よせいさい)帖』『鬱岡斎(うつこうさい)帖』『戯鴻堂(ぎこうどう)帖』『快雪堂帖』などがあり、清(しん)代には乾隆帝が『三希堂帖』をつくらせ、このほか『秋碧堂(しゅうへきどう)帖』『隣蘇園(りんそえん)法帖』などがある。清朝末期に写真製版技術が西洋から伝えられ、法帖の制作はしだいに行われなくなった。これらの主要な法帖は各時代の「新版書道全集」ともいえるもので、これによって多くの人々が名跡を直接に学ぶことができるようになった。法帖は複製本であるが、編者の鑑識眼が優れ、かつ精刻のものは、今日からみても驚くほどみごとなものである。また、法帖でしか伝わらない名品も数多い。[筒井茂徳]
『福本雅一編『法帖大系〈淳化閣帖〉』(1980・二玄社) ▽宇野雪村編著『法帖事典』(1984・雄山閣出版)』

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図書館情報学用語辞典

法帖
「ほうじょう」と読む.中国渡来の金石文の拓本を書道の手本にするため,折本の形に装丁したもの.江戸期に整版印刷(木版印刷)が一般化するとともに,文字を木板に印刻し,黒地に白抜きに刷り上げて,書道の手本に作っているものもある.法帖は折本に仕立てたものが多いために,折本のことを法帖仕立てと呼ぶこともある.

出典:図書館情報学用語辞典 第4版
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精選版 日本国語大辞典

ほう‐じょう ハフデフ【法帖】
〘名〙 先人の筆跡または碑文などを習字の手本や鑑賞用に模写、臨写したもの。また、石または木に刻み、これを石摺(いしずり)にした折本。一種類の筆跡を刻したものを単帖といい、多くの人の筆跡を集めたものを集帖という。集帖としては中国、宋の淳化閣帖、明の停雲館帖、清の三希堂帖などが有名。墨帖。法書。
※語孟字義(1705)下「猶書者初只得摹法帖其筆意点画」 〔輟耕録‐六〕

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