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河童【かっぱ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

河童
かっぱ
芥川龍之介短編小説。 1927年3月『改造』に発表。ある狂人の河童の国での体験談という形式の風刺小説機知に富む警句逆説をふんだんに用いながら,人間社会の痛烈な批判を河童の世界に仮託して描いている。芸術至上主義の河童詩人トックの自殺は,芸術と実人生の裂け目に落込んでいった著者投影を強く感じさせる。なお著者は河童の戯画を数多く書残している。

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河童
かっぱ
日本各地に伝わる水界に住む妖怪の一種。水神ないしは水神の一族・従者,あるいはそれの零落したものと考えられている。カッパという呼称は関東を中心とした地方で用いられる方言で,カワランベ,ガタロウ,カワコなどと呼んでいるところもある。地方によって形状にも大きな差異が認められるが,その多くは童児の姿をし,頭のに水をたたえたがあり,髪の形を,いわゆるおかっぱ頭にしている。頭上の皿の水は河童の生命の根源で,そこに水がなくなるとぬという。また,その腕に関しても,伸縮自在だとか,とても抜けやすいとか,左右通り抜けであるとかいう奇妙な伝承が目立ち,自体の色彩は,青ないし青黒色であるとする報告が多い。こうした河童の形態は,猿や亀,子供などからイメージを得て創造されたと考えられる。河童の行動は,東北地方の座敷わらしなどによく似て相撲を好み,いたずら者で,畑を荒したり,を水の中に引入れたりする。しかしその一方では,恩義に厚く,特定の家の守護霊として,田植え草取りなどを手伝ったり,毎日魚を届けたりもする。また,まぬけ者の一面ももっていて,馬を川へ引きずり込もうとして,逆に腕を失ったり,相撲に負けて腕を取られたり,人間に捕えられて,薬の製法を教えるはめに陥ったりする。河童駒引の伝承は,河童を猿とみるところから,猿を厩馬の保護者とする習俗,さらに母子神信仰を基盤とする水神童子信仰などが混交して成立したものと考えられる。また,河童が山の神と田の神の両者の性格を示す場合もあり,これは年に2度春と秋に,山と川の間を移動するというもので,山に入ればヤマタロウ,川に入ればカワタロウと呼ばれる。

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デジタル大辞泉

かっぱ【童】
《「かわわっぱ」の音変化》
水陸両生の想像上の動物。身の丈1メートル内外で、口先がとがり、頭上に皿とよばれるくぼみがあって少量の水を蓄える。背中には甲羅がある。人や他の動物を水中に引き入れて生き血を吸い、尻から腸を抜くという。かわっぱ・河太郎・川子・河伯(かはく)、その他異名が多い。
水泳のうまい人。また、泳いでいる子供。
子供の髪形の一。髪を結ばず耳の辺りまで垂らして下げ、下を切り落としたもの。江戸時代には頭の頂上を丸く剃ったことからこの名がある。→御河童(おかっぱ)
《河童の好物であるというところから》すし屋などで、キュウリのこと。また、河童巻き
《河童が人を引き込むというところから》
㋐見世物小屋などの呼び込み。
㋑江戸の柳原本所辺りの売笑婦。
[補説]書名別項。→河童

出典:小学館
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かっぱ【河童】[書名]
芥川竜之介の小説。昭和2年(1927)発表。河童の国を見たと信じる精神病患者の妄想を借りて、社会や作者自身を辛辣に戯画化した作品。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus

河童 かっぱ
伝承上の妖怪。
川やなどの水界にすみ,童子の姿で頭に水をたくわえた皿をいただき,「おかっぱ頭」の髪形をしているといわれる。キュウリと相撲をこのみ,人や馬にをくわえる反面,田植えや田の草取りを手伝うこともある。その伝承は,日本の各地につたえられている。「かわこ」「めどち」などとも。

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世界大百科事典 第2版

かっぱ【河童】
日本で最もよく知られている妖怪の一つで,川や池などの水界に住むという。カッパという呼称はもともと関東地方で用いられていたもので,エンコウガワタロ,ヒョウスベ,メドチ,スイジンスイコなどと呼んでいるところもある。その形状や属性も地方によりかなり異なっているが,広く各地に流布している一般的特徴は,童児の姿をし,頭の頂に皿があり,髪の形をいわゆる〈おかっぱ頭〉にしている,というものである。頭上の皿の水が生命の根源であって,そこに水がなくなると死んでしまうという。

出典:株式会社平凡社
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かっぱ【河童】
芥川竜之介の短編小説。1927年(昭和2)3月《改造》に掲載。河童の世界を舞台とした寓意的物語。ある精神病患者の体験談として語られるが,河童の世界はすべてが人間の社会とは逆であり,出生はその子供の意志に任され,恋愛はひたすらの攻撃性を示し,失業者は肉にされて売られる。宗教飲食や交合をとする生活教が盛んだが,その長老も自分の神を信じてはいない。〈僕〉は憂鬱になり人間の世界に帰って来るわけだが,ここには文明批判という以上に晩期芥川の抱いた暗澹(あんたん)たる鬱情が込められている。

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大辞林 第三版

かっぱ【河童】
かはわらはの転
水界にすむと考えられている動物。くちばしがとがり、甲羅や鱗があり、頭の頂に水をたたえた皿がある。人間に相撲を挑んだとか、人馬を水中に引き入れたとか、田植えを手伝ってくれたとか、人間界との交渉を説く話が多い。水神もしくはそのお使いの零落したものかといわれている。かわっぱ。かわこ。かわたろう。みずち。しばてん。
水泳の上手な人。また、水泳ぎをしている子供。
子供の髪形。髪を下げ、耳のあたりで切りそろえたもの。江戸時代は頭のてっぺんを丸く剃った。 → おかっぱ
河童の好物だからという キュウリ。また、キュウリをしんに巻いた海苔のり巻き。かっぱ巻き。
見世物・劇場などの木戸口にいて客を呼び込む人。呼び込み。合羽カツパ
川に浮かべた舟に客を引き込むので 船饅頭ふなまんじゆうの別名。下級の私娼。
[句項目] 河童の川流れ 河童の屁

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かっぱ【河童】
小説。芥川竜之介作。1927年(昭和2)「改造」に発表。河童の世界を借りた風刺小説。死を決意した人間の眼でみた現実の世界、作者の心象風景が戯画化されている。

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動植物名よみかた辞典 普及版

河童 (カッパ)
動物。想像上の動物

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精選版 日本国語大辞典

かっぱ【河童】
[1] 〘名〙 (「河童(かはわらは)」の変化した語)
① 想像上の動物。水陸両棲で、四、五歳の子どもくらいの大きさをし、口先がとがり、背には甲羅や鱗(うろこ)があり、手足には水かきがある。頭には皿と呼ばれる少量の水のはいっているくぼみがあり、その水があるうちは陸上でも力が強く、なくなると死ぬ。水中に他の動物を引き入れ、その生血を吸う。河童小僧。かわたろう。がたろ。がたろう。川立ち男。川小法師。川小僧。川子。河伯(かはく)
※俳諧・桃青三百韻附両吟二百韻(1678)「かねのあみかかれとてしも浪の月 河童子(カッパ)のいけどり秋をかなしむ〈信章〉」
② (①の大好物とされるところから) 植物「きゅうり(胡瓜)」の異称。また、「かっぱまき(河童巻)」の略。
※随筆・筠庭雑録(1832頃)「河童 〈略〉其さま胡瓜に似たれば、胡瓜を江戸の俗にカッパと呼ぶとおもへる者多し」
③ 川に舟を浮かべて客を呼ぶ水上売春婦のことをいう隠語。船饅頭(ふなまんじゅう)
※歌舞伎・助六廓夜桜(1779)「何ぢゃの姫御前を河童(カッパ)とは、モウ女子の一分が廃った」
④ 子どもの髪形。髪を結ばず、耳の辺まで垂らして下を切り落としたもの。江戸時代には頭の頂上を丸く剃ったことからいう。男の子に多く、のちに女の子がするようになった。かっぱあたま。おかっぱ。
※雑俳・柳多留‐一五(1780)「こりゃかっぱ十六もんが持ってこい」
⑤ 泳ぎのうまい人。水泳の達人。また、泳いでいる子ども。
※新版大東京案内(1929)〈今和次郎〉東京の郊外「大森は海水浴場として夏ごとに都下の河童(カッパ)連を呼び寄せ」→河童の川流れ
[2] 短編小説。芥川龍之介作。昭和二年(一九二七)発表。社会批評、自己批評を、戯画化された世界を借り、風刺的に描いた。

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かわっぱ かはっぱ【河童】
〘名〙 =かっぱ(河童)
※俳諧・桃青門弟独吟廿歌仙(1680)一山独吟「河童(カワッパ)も若衆盛の花咲いて 獺(をそ)のたはれの心中の春」

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