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気候学【きこうがく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

気候学
きこうがく
climatology
大気科学の一部門。気象学が主として気象現象を物理的に研究するのに対し,気候学は正常状態における総合的な大気現象を,主として統計的,地理的手法で研究する。近年では,気象現象の過程やメカニズムをとらえることに重点をおく学問へと変化してきている。気候は人間とのかかわりが深く,自然地理学の一部門ともいえる。気候学は一般理論と気候誌に大別される。また気候学の時代的流れからは,古典気候学と近代気候学,あるいは静気候学動気候学に区別される。(→気候

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デジタル大辞泉

きこう‐がく【気候学】
気候の形成過程や各地の気候の正確な記述、気候と人間生活との関係などを研究する学問。気象学・地理学と深い関連をもつ。

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監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

きこうがく【気候学 climatology】
気候について研究する学問で,一般気候学または系統的気候学と,地方気候学または気候誌とに分けられ,広義における気象学の一分野をなす。別の基準で分類すれば,物理的気候学と地理的気候学とになる。系統的気候学は,さらに静気候学(統計気候学),動気候学(気団に注目する気団気候学天候推移に注目する天候気候学,天気図に注目する総観気候学などに細分),古気候学(過去の時代の気候変化などを研究する分野),応用気候学に分けられる。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

きこうがく【気候学】
大気現象の総合状態を時間的・空間的に明らかにする大気科学の一分野。地理学と気象学の境界分野でもあり、気候と生物、人間生活との関係や気候の分布を記述する気候誌も含まれる。

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(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

気候学
きこうがく
climatology
気候について研究する学問。気候という語climateがギリシア語の傾斜(地軸の傾き)を意味するklineinからできたといわれていることから明らかなように、ギリシア時代には気候に関する認識があり、アリストテレスやヒポクラテスは気象あるいは気候についての最初の書物を著したとされている。その時代の気候は環境としての認識である。その後西洋においては、中世以後まで特別の発達はみられない。しかし東洋においては15世紀になると、中国の明(みん)、朝鮮の李朝(りちょう)では降水量の観測が行われた。17世紀に入ると西洋でも温度計、気圧計が発明され、特定地点であるが計器による観測が始まり、徐々に連続観測が拡大し気候資料が累積する。19世紀は気候学上の発見時代であり、各地の気候についての知識が急増した時代であった。日本においては、天候、季節の推移についての感覚は鋭く、記述も多いが、気候学的に意味のある観察、記述は江戸時代に入ってからで、天文学者である渋川春海(はるみ)、西川如見(じょけん)、農学者の宮崎安貞(やすさだ)、医者であり文筆家の橘南谿(たちばななんけい)(1753―1805)らにより行われている。西欧で19世紀から20世紀にかけての気候学の確立期に活躍した学者にフンボルト、ボエイコフ、ハン、ケッペンらがいる。日本では幕末期から気候学の知識が輸入され、従来からの知識と混じり、小出房吉(こいでふさきち)(1869―?)、中村精男(きよお)、岡田武松(たけまつ)、福井英一郎(1905―2000)らにより確立された。[吉村 稔]

気候学の分野

今日の気候学は多岐にわたり、各地の気候について正確に記述することを目的とする気候誌や気候区分論、気候の形成のメカニズムを物理学的に研究する物理気候学、気候を総観場(ある地域の気候を、天気の集合として天気図や上層風向などとの関係で調査する)との関係から研究する総観気候学が、純粋気候学の分野である。それに対して、気候を環境の構成要素と考えて、生物との関係を明らかにする気候学の立場があり、人間生活に関連した分野と、植物・動物を対象としたものとに大別される。前者はさらに、人間の生理的な面を対象としたものと、人間の活動と気候との関係を対象としたものとがある。また、この分野とは別に純粋気候学の一分野として、過去の気候、すなわち地質時代、先史時代、歴史時代から観測時代を通じての気候の変化、その現象を明らかにすると同時にその原因について研究する古気候学ないし気候変化論があり、近年の不順な天候との関係から、取り組む研究者も多くなった。気候学の対象とする大気の状態は、人間生活に密接に関係する地上1.2メートルないし1.5メートルの気層についてであるが、上層大気と地表付近との関係が明らかになるにしたがって、高層気候学が分化し、さらに現在の都市のように、人間活動が地表面から地下にまで拡大し、大地の構造に変化を与えるようになると、その分野の気候についても研究が必要になってきている。
 さらに気候学に特色的な概念に、気候のスケールの概念がある。これは、対象とする空間の広さ、ひいては垂直的な広がりによって、作用する大気の大きさ、気候として把握される現象に差があるためで、大気候、中気候、局地気候(小気候)、微気候に分けられる。このスケールの概念は、時間についても考慮される。したがって、特定地点の気候についてもこれらを考慮していく必要がある。
 気候学は大気の総合的な状態を対象としており、また観測は特別観測を除いては気象観測に依存する面が大きい。その意味からは気候学は気象学の一分野であるが、場所の限定のない気候学はない。また、どのように空間を設定するかが、気候を把握するうえにきわめて重要である。その意味では地理学の知識も不可欠である。
 最近のリモート・センシング(遠隔計測)や情報処理技術の発展により、未知の地域の気候が明らかにされると同時に、人間活動の気候に対する影響あるいは気候変動の研究に、多くの成果が出ている。[吉村 稔]
『吉野正敏著『気候学』(1968・地人書館) ▽福井英一郎・吉野正敏編『気候環境学概論』(1979・東京大学出版会)』

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精選版 日本国語大辞典

きこう‐がく【気候学】
〘名〙 気候を対象とする地球科学の一分科。気候要素の平均値や、気候の生成、気団前線などの動的要素、産業や生物との関連などを研究する。〔物理学術語和英仏独対訳字書(1888)〕

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