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民兵【みんぺい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

民兵
みんぺい
militia
常時在営の常備兵に対して,平時はそれぞれの職業に従事しながら定期的に軍事訓練を受け,有事の際召集されて部隊を形成するのこと。古代ギリシア・ローマ時代から民兵は存在し,軍の主力となっていた。戦闘の技術や団体精神などでは常備軍に劣るが,常備軍を多数かかえるよりは財政的に安価ですみ,一般産業の労働力とも両立できるという有利さをもっている。第1次世界大戦以前はまだ武器の操作が簡単で,戦争の勝敗動員可能の兵力数で決るとされており,民兵制は有力であった。その後兵器の進歩や戦争様式の変化もあって,20世紀に入ると,各国は常備軍の強化に傾いた。しかし民兵はゲリラ戦あるいは人民戦争では主役をになうもので,現在では,スイスを例外とすれば,中国,ベトナム,キューバなどの社会主義国で採用されている。国際法上,民兵は,責任ある指揮官のもとに隊を構成し,識別できる特殊な標識をつけ,公然と武器をたずさえて交戦法規に従って戦う場合に,交戦資格を認められ,捕えられた場合に捕虜待遇を受ける。

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デジタル大辞泉

みん‐ぺい【民兵】
民間人で編制した軍隊。また、その兵。

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世界大百科事典 第2版

みんぺい【民兵 militia】
常時在営して軍務に服するのではなく,日常は家業その他一般的職業に従事し,有事に際しては緊急に動員されて編成される武装集団または兵士をいう。したがって,平時は産業労働力として経済活動に活用され,有事には人口に比し多数の武装力が迅速に造成できるほか,愛国心など国民的な精神基盤の強化が図られるとともに国家の財政的負担が軽減できる等の長所がある。反面,民兵制度は兵器操作の熟練度など高い戦闘能力の維持が困難で,奇襲侵攻に対する即応性に欠け,軍隊としての団結規律の維持に限界があり,戦闘力発揮において常備軍には及ばない。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

みんぺい【民兵】
正規軍・常備軍に対し、民間人で組織する軍隊。また、その兵。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

民兵
みんぺい
militia
常備軍が一般に常時兵営に起居して、一定年数にわたって軍事訓練に専念するのに対し、定期的に短期間の訓練は受けはするが、平時には家にあって職につき、緊急時には動員されて、主として地域防衛の任にあたる市民の軍事組織を民兵とよぶ。
 民兵の起源は、自由民が軍務に服する義務をもっていた古代のギリシア・ローマにまでさかのぼれる。この民兵制はやがて傭兵(ようへい)や常備軍によって代替され、中世には民兵はほとんど消滅した。近代ヨーロッパでは、イギリスが長く市民軍の伝統を守り、フランスも革命期に民兵制度を採用したが、19世紀に入るとしだいに義務兵役制にとってかわられるか、正規軍の予備的な役割を果たすだけになる。民兵を重視したアメリカも同様である。革命後のソ連では、人民の軍隊としての民兵が軍隊の基本となるべきか否かについて激しい論争があったが、正規軍派が最終的に勝利した(旧ソ連で「民兵(ミリツイア)」の名でよばれたのは民警である)。一方、イスラエル、中国、キューバなどの国々は、いまでも民兵を補助的な軍隊としてもっており、また、永世中立国スイスは常備軍をもたず、国土防衛を民兵的組織にゆだねている。
 民兵制度は国家財政への負担が軽く、国民的な組織としてけっして軽視はできないが、軍事技術の進歩に訓練面で迅速に適応できず、攻勢型の機動戦にも向かない。また、市民生活とつねに接触しているため、よほど国論が一致していない限り、政治的な不和や対立を軍事組織内に持ち込む可能性が強くあり、為政者や正規軍は深刻な事態に一時的に民兵制を採用することがあっても、その恒久化にはだいたいにおいて反対してきた。[山崎 馨]

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精選版 日本国語大辞典

みん‐ぺい【民兵】
〘名〙 民間人で編成した軍隊。また、その兵。
※新論(1825)国体中「古者用来目物部之兵、而参以民兵
※夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村〉第一部「民兵や浮浪兵の離散するものも多かった」 〔玉海‐兵制四・慶暦兵録〕

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