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民事再生法【みんじさいせいほう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

民事再生法
みんじさいせいほう
平成11年法律225号。中小企業や個人などが経営危機に陥った場合の倒産手続きを簡略かつ迅速に進め,早期再建を支援するための法律。1999年12月成立,2000年4月施行。民事再生法の成立により,従来の和議法は廃止された。民事再生法は,和議法と違って「倒産のおそれがある」段階で手続きの申し立てができ,原則として債務者経営権,財産管理・処分権を保持できる。さらに保存命令の執行が早く,資産の分散化も阻止できる。2004年の現行の破産法制定や 2005年の会社法制定に伴い改正がなされた。(→会社更生法

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朝日新聞掲載「キーワード」

民事再生法
経営破綻(はたん)した企業の事業を再建するための「法的整理」の手続きの一つ。大企業を想定した会社更生法に比べ、中小企業向けに使われることが多い。裁判所の監督のもと、強制力を持つ形で債権者の利害を調整し、破綻企業が負う債務の削減を進める。債権者の合意にもとづく「私的整理」に比べ、透明性が高いとされる。
(2017-06-16 朝日新聞 夕刊 1総合)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

みんじさいせい‐ほう〔‐ハフ〕【民事再生法】
経済的に窮境にある債務者とその債権者の民事上の権利関係を適切に調整し、債務者の事業・経済生活の再生を図ることを目的として制定された法律。再建型の倒産法の一。それまでの和議法に代わるものとして平成12年(2000)から施行された。和議法では支払不能や債務超過など実質的な経営破綻状態に陥らないと手続きを開始できなかったが、民事再生法ではより早い段階で迅速に再建手続きを進めることができる。会社更生法を適用した場合、経営者経営権を失うが、民事再生法の場合、債務者である経営者が事業を継続しながら再建を図ることができる。

出典:小学館
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事業再生用語集

民事再生法
「再建型」の倒産処理手続きを定めた新法で、平成12年4月1日に施行された。債務の返済が困難な会社や個人(債務者)が、債権者の同意の上で再生計画に従って債務を弁済し、事業の継続や経済生活の安定をはかっていく制度。倒産に伴う資産の劣化や従業員離散を食い止め、早期の再建を促すとともに、営業譲渡などをスムーズに進めるのが狙い。民事再生法施行前の従来の和議法は、破産のように廃業・清算で処理する清算型の倒産処理をしていたが、廃止された。

出典:(株)セントラル総合研究所

外国為替用語集

民事再生法
法人の再建を目的とする倒産法。2000年4月に施行。経営不振企業の再建をしやすくしたことが特徴。それまでの旧和議法や会社更正法と比べ、会社の再建計画が認められるまで期間を大幅に短縮できる。

出典:(株)マネーパートナーズ

M&A用語集

民事再生法
再建型の倒産手続きを定めた法律で主に中小企業の再生を想定としている。旧和議法が今日の経済実態に合致しなくなってきたため、この欠陥を是正した。破産原因がなくても再生手続き開始が可能となり、申し立ても容易となって、担保処分権の濫用防止も定められる。会社更生法と異なり、現経営陣の残存も可能となった。

出典:株式会社ストライク
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ナビゲート ビジネス基本用語集

民事再生法
企業倒産手続きの新しい法律。経営が行き詰まった企業の早期再建を目的として制定されたもので、2000年4月から施行された。 従来の再建手続にも、経営者が再建業務を行う和議や会社更生法などがあるが、それらは手続きに時間が掛かり、その間に資産価値が劣化したり、取引先や従業員が離散するなどの問題点があった。 これに対し民事再生法では、破綻する前に適用申請が可能となるなど、再生手続が速やかに着手されるよう改善された。

出典:ナビゲート
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大辞林 第三版

みんじさいせいほう【民事再生法】
破綻はたん後でないと再建手続きが開始申し立てできない和議法に代わり、経営不振の企業が破綻前に裁判所に再建手続きを申し出て、事業の維持・再建を図ることを定めた法。1999年(平成11)制定、同法の施行(2000年)に伴い和議法は廃止。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

民事再生法
みんじさいせいほう
経済的に窮境にあるが再生の見込みがある、とりわけ中小事業者のための再建型の倒産処理手続である。1999年(平成11)12月に制定され、2000年4月に施行された。平成11年法律第225号。これまでは民事再生法に相当するものとしては和議法(大正11年法律第72号)が存在していたが、民事再生法の制定に伴って、和議法は2000年3月に廃止された。[加藤哲夫]

成立の背景

これまで存在した和議手続(和議法1条以下)とは、債務者と債権者との間で債務の弁済条件(権利変更)を詰め、その条件を内容とする和議を債権者の多数決によって確定し、裁判所が認可することにより和議に一定の法律効果が付与されるという構造をもつ、簡易な仕組みをもった倒産処理手続であった。しかし、それは、手続開始原因が破産原因と同じであったために、破綻(はたん)の度合いがかなり深刻な状況になって手続が開始されること、裁判所が必要最小限にしか手続に介入できないとともに、債権者には受動的な手続参加しか許されないこと、和議認可決定が確定した段階で和議手続は終結するから、その後に和議がその内容どおりに履行されるかどうかは、債務者の誠実性を信じるしかないこと、債権保全の多様な手法が取引に不可欠とされる今日にあって、担保権の実行について何の制約も加えられないことなどの欠点が指摘されていた。
 そこで、このような欠点を是正するとともに、厳格な会社更生手続を簡素化した手続が待望されていたところであった。[加藤哲夫]

再生手続の特徴

民事再生手続の特徴を要約すると、次のようになる。
(1)民事再生手続は、自然人、法人を問わず適用され、また学校法人、医療法人などの公益法人などにも適用される。原則として、DIP型(Debtor in Possession型の略。債務者占有継続型の意)の方式が採用され、手続開始後も再生債務者は財産の管理処分権を喪失することなく、事業を継続することができる(民事再生法38条1項)。しかし、この方式では再生債務者が恣意(しい)的な倒産処理を行う可能性も考えられることから、裁判所は、必要があると認めるときは、監督委員を選任し(同法54条1項、民事再生規則20条以下)、再生債務者のなす一定の行為について監督委員の同意を得ることが必要とされている(同法54条2項)。さらに、再生債務者の状況に応じて、裁判所は、管財人による管理を命ずる処分をすることもできる(同法64条1項、同規則27条)。
(2)和議手続では手続開始原因が破産原因(現行法の破産手続開始の原因)と同じであったために、手続の開始が遅れる弊害が指摘されていた。そこで、民事再生法では、これを緩和して、債務者に破産手続開始の原因たる事実の生ずるおそれがあるとき(同法21条1項前段・2項)、あるいは債務者が事業の継続に著しい支障をきたすことなく弁済期にある債務を弁済することができないとき(同法21条1項後段。会社更生法17条比較参照)に、手続開始申立てが可能である。
(3)再生手続開始の申立てから手続開始の決定までにおける債務者財産の散逸を防止するとともに、その劣化を防止するために、民事再生法では、一般的な保全処分(民事再生法30条)のほかに、再生債権に基づく強制執行等の包括的禁止命令、すなわち、裁判所は、すべての再生債権者に対し、再生債務者の財産に対する再生債権に基づく強制執行等の禁止を命ずることができる(同法27条1項本文)。あわせて、保全管理命令の制度も導入されている(同法79条以下)。
(4)手続開始前の一定の時期に再生債務者が行った特定の債権者への弁済行為や、廉価で財産を売却する行為などを無効にする否認制度が採用されている。再生手続が開始された場合に、裁判所は、監督委員に対して、再生債務者が手続開始前になした一定の行為について否認権を行使する権限を付与することができ(民事再生法56条1項)、この権限付与に基づいて監督委員(または管財人が選任された場合には管財人)が否認権を行使する(同法135条1項)。
(5)倒産に至るまでの取締役の責任の追及について、役員等に対する損害賠償請求権の査定の制度が採用され、罰則規定の整備とあわせて、モラル・ハザード(倫理の欠如)の防止が図られている。裁判所は、法人である再生債務者について、必要があると認めるときは、役員(理事、取締役、監事、監査役、清算人またはこれに準ずる者をいう、民事再生法142条1項に規定がある)の責任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判をすることができる(同法143条1項。査定の申立ての方式については、民事再生規則69条)。この制度を実効あるものとするために、再生手続開始決定の前後を問わず、損害賠償請求権につき役員の財産に対する保全処分が可能である(同法142条1項・2項、同規則68条)。罰則については、民事再生法255条以下に規定がある。
(6)再生計画を確実に履行させるために、監督委員が選任されている場合には、監督委員が再生計画の遂行を監督し、計画の内容の履行を監視する(民事再生法186条2項)。再生計画の遂行が完了したとき、または再生計画認可の決定が確定した後3年を経過したときに、裁判所は、再生手続終結の決定をする(同法188条2項。なお、監督委員または管財人が選任されていない場合には、再生計画認可決定が確定したときに手続終結決定がなされる。同法188条1項)。また、再生計画の不履行を極力防止する意味もあって、不履行のサンクション(制裁)として、履行遅滞時において、再生債権者は再生債権者表に基づいて即時に強制執行を行うことができ、著しい遅滞がある場合には、再生計画の取消しが可能である。
(7)再生計画案の立案、可決の手続についても、簡略化が図られている。第一に、再生計画案を書面による決議に付することが可能になり(同法169条2項2号、民事再生規則90条2項1号)、所定の回答期間内に再生計画案に同意するかどうかを回答すべき旨を、議決権者である再生債権者に通知し、再生計画案について賛否を問う(同法171条1項、同規則90条2項・3項)。また、債権者集会の期日における可決要件は、議決権を行使することのできる再生債権者(議決権者)で出席したものの過半数であって、議決権総額の2分の1以上の議決権を有する者の賛成があれば可決される(同法172条の3第1項)、書面による決議の場合であっても、所定の回答期間内に回答した議決権者の過半数であって、議決権総額の2分の1以上の同意があるときは、可決される(同法172条の3第1項)。
 これに関連して、再生債権の調査についても手続が簡素化されている。再生債権の調査は、再生債務者等が作成した認否書ならびに再生債権者および再生債務者(管財人が選任されている場合に限る)の書面による異議に基づいて行われ(民事再生法100条。この方式については、同法101条以下、民事再生規則38条以下)、異議等があった場合における確定手続においては、異議等ある再生債権を有する再生債権者は、再生債権の内容を確定するために、当該再生債務者等および当該異議を述べた届出再生債権者の全員を相手方として、裁判所に査定の申立てをすることができる(同法105条1項本文)。
(8)担保権(再生債務者の財産の上に存する特別の先取特権、質権、抵当権または商法もしくは会社法の規定による留置権)は再生手続上別除権として扱われ(民事再生法53条1項・2項)、さまざまな制約が課されている。手続開始申立ての段階では、裁判所は、担保権実行としての競売手続などを中止させることができるし(同法31条)、手続開始後にあっては、担保権の設定されている財産が再生債務者の事業の継続に欠くことのできないものであるときは、再生債務者等は、裁判所に対し、当該財産の上に存在するすべての担保権を消滅させることについての許可の申立てをすることができる(同法148条1項。その方式などについては、民事再生規則70条以下)。消滅許可の決定があると、再生債務者等は所定の期間内に金銭を裁判所に納付し(同法152条1項)、その金銭が納付されたときに担保権は消滅する(同法152条2項)。この担保権消滅許可の制度は、比較法的にみて類のない制度である。
(9)再生債務者の資産の劣化を防止するうえでは、有効な資源として、再生債務者の営業などの資産を活用する方法が民事再生法では可能である。再生手続開始後において、裁判所の許可を得て、再生債務者等が再生債務者の営業または事業の全部または重要な一部の譲渡をすることができる(同法42条1項)。このような手法がとられるにあたっては、これによって影響を受けることになる再生債権者や労働組合、従業者などの意見を、裁判所は聴かなければならない(同法42条2項・3項)。再生債務者が株式会社である場合に、その財産をもって債務を完済することができないときは、当該再生債務者の事業の全部の譲渡または事業の重要な一部の譲渡は、株主総会の特別決議にかえて裁判所の許可によって可能である(代替許可。同法43条1項本文)。株式会社の資本減少についても、再生債務者が債務超過である場合に、再生計画案に資本減少の定めをおくときは、あらかじめ裁判所の許可を得て資本減少を行うことができる(同法166条1項・2項、154条3項)。
(10)再生計画案の事前提出の手続が認められている。再生債務者等は、再生手続開始の申立て後債権届出期間の満了前に、再生計画案を提出することができる(民事再生法164条)。これは、再生手続を迅速に進めるための仕組みである。
 また、債権調査手続と債権確定手続を省略して、迅速な計画の成立を可能とする簡易再生、同意再生の方式が採用されている。裁判所が評価した届出再生債権者の総債権の5分の3以上にあたる債権を有する届出再生債権者が、書面により、提出した再生計画案について同意しており、かつ、再生債権の調査および確定の手続を経ないことについて同意している場合には、再生債権の調査および確定の手続を経ない簡易再生を行うことができる(同法211条1項)。また、すべての届出再生債権者が、書面により、再生債務者等が提出した再生計画案について同意している場合であって、かつ、再生債権の調査および確定の手続を経ないことについて同意している場合には、同意再生によることができる(同法217条1項)。同意再生の決定が確定すると、その再生計画認可の決定が確定したものとみなされる(同法219条1項)。[加藤哲夫]

個人の再生

民事再生法には、2000年(平成12)に追加された個人再生に関する手続が設けられている。個人である債務者のうち、将来において継続的にまたは反復して収入を得る見込みがあり、かつ、再生債権の総額が5000万円を超えないものは、小規模個人再生の手続を行うことを求めることができる(民事再生法221条以下)。また、これらの債務者のうち、給与またはこれに類する定期的な収入を得る見込みがあるものであって、かつ、その額の変動が小さいと見込まれるものは、給与所得者等再生の手続を行うことを求めることができる(同法239条以下)。
 いずれの手続も、将来において安定的に収入を見込むことができる個人である債務者の再生を容易に実現するために設けられた手続である。小規模個人再生は通常の再生手続を簡略化し、給与所得者等再生は小規模個人再生をさらに簡略化した仕組みによっている。
 以上に加えて、通常の再生手続、小規模個人再生、給与所得者等再生を利用する個人である債務者が、住宅ローンを負っているときは、かかるローン債権につき保証会社の主たる債務者に対する求償権を担保するための抵当権がその住宅または敷地に設定されている場合につき、再生計画の中に住宅資金特別条項を設けることができる(民事再生法196条以下)。住宅資金特別条項は、住宅資金貸付債権についての弁済の猶予などを内容とする(同法199条)。[加藤哲夫]
『加藤哲夫著『法律学講義シリーズ 破産法』(2009・弘文堂) ▽伊藤眞著『破産法・民事再生法』(2009・有斐閣)』

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