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横穴式石室【よこあなしきせきしつ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

横穴式石室
よこあなしきせきしつ
古墳の内部構造の一種。一方の側に外に通じる出入口をもつ石室をいう。遺体を納める部屋 (玄室) と外に通じる通路 (羨道) とから成る。中国では漢代に発達し,朝鮮を経て日本に伝わり,古墳時代の後半期に盛んに造られるようになった。石室の位置は墳丘中にあって,旧地表面より下になることはほとんどない。石室の方向は墳丘の主軸にこだわらない。前方後円墳では,くびれ部に開口しているものもある。用いられた石は塊石,割り石が多いが,なかにはきれいに削った切り石を整然と積んであるものもある。平面形でみると,玄室につながる羨道の位置が中央にあるもの (両袖式) と,片側にあるもの (片袖式) とがある。なかには玄室と羨道の区別のつかないものもある。内部に石棺を置いてあるものもあるが,隔障や石棚のあるものもある。また壁面に絵具や線刻で絵や文様を描いたものもある。

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デジタル大辞泉

よこあなしき‐せきしつ【横穴式石室】
横方向に開口する石積みの墓室。日本では古墳時代後半を代表する墓室。石室とそれに連絡する通路とからなり、石積みの壁と天井石でつくる。→竪穴式石室

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防府市歴史用語集

横穴式石室
 古墳の石室[せきしつ]の一種で、朝鮮半島より伝わりました。石室の横に出入口があります。そのため、一度死者をほうむった後に、石室の中をきれいにして、別の死者をほうむることができます。

出典:ほうふWeb歴史館
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世界大百科事典 第2版

よこあなしきせきしつ【横穴式石室】

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大辞林 第三版

よこあなしきせきしつ【横穴式石室】
埋葬施設の一。遺骸を安置する玄室を割り石・切り石などで築き、これに通じる羨道せんどうを前面に設ける。入り口が開閉でき、追葬が容易。古墳時代後期に行われた。 → 竪穴たてあな式石室

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日本大百科全書(ニッポニカ)

横穴式石室
よこあなしきせきしつ
古墳の埋葬施設の形式の一つで、石室の一方の壁面に外部に通じる出入口が設けられているものをいう。形態、構造には種々の変化があるが、遺体を安置する主室である玄室は広く高い空間をもち、外部から玄室への通路である羨道(せんどう)をもつのが普通である。羨道入口である羨門封鎖設備の外部に墓道(ぼどう)があり、墓前祭祀(さいし)の遺物が残される。
 横穴式石室の内部には家形石棺、箱式石棺、陶棺、木棺などの棺が置かれる。横穴式石室はもともと追葬可能の構造であるから、玄室内に複数の棺が安置されることが多いが、なかには玄室だけでなく羨道にも棺が置かれ九棺24体の埋葬例もある。奥壁近くまたは玄室中央の棺が入念につくられ、もっとも豊富多量の遺物が副葬される。
 玄室と羨道の平面形から、玄室が羨道幅より両側に広い両袖(りょうそで)式、片側のみ広い片袖式、羨道と玄室の幅がほとんど変わらない袖無式の形態があり、玄室が前室と後室に分けられた複室構造をとるものや、末期には玄室が丸みをもつ胴張ものもある。
 石室の構築手法には、扁平割石小口積(へんぺいわりいしこぐちづみ)、持長石持送積(もちおくりづみ)、巨石野積、切石積(きりいしづみ)のほか、石材の乏しい地方では礫(れき)積などがある。巨大石室の場合には床面の下に排水施設をもつものもある。石室の壁面に朱、緑などの彩色で文様を描いたり、線刻を施した装飾古墳とよばれるものが、九州のほか各地に群をなして散在する。
 横穴式石室の葬法は、朝鮮を経て渡来した大陸系の墓制であるが、日本列島では竪穴(たてあな)系横口式とよばれる福岡県老司(ろうじ)古墳など5世紀初頭ないし前半のものを先駆的形態とし、九州のほか近畿、吉備(きび)では5世紀代に出現し、6世紀中葉には北陸、関東まで大形墳を主体に普及した。さらに6世紀後半には群小墳にまで採用された。巨石を用いた長大な横穴式石室は巨石墳とよばれ、6世紀中葉には出現するが、6世紀後半から6世紀末に極に達する。7世紀には、切石積石室が出現し、石室を巨大にすることから、石室内部を美しくする方向に変わる。[今井 尭]

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精選版 日本国語大辞典

よこあなしき‐せきしつ【横穴式石室】
〘名〙 古墳時代中期に九州北部に現われて全国に波及し、後期に盛行した古墳の内部構造の一つ。竪穴式石室に対し側面から埋納する構造のもの。四壁自然石・切り石を積み、天井に自然石を構架し、四壁の一つに入り口を設けた石室で、追葬・合葬を目的とした。原則として、遺骸を安置する玄室(げんしつ)とこれを結ぶ羨道(せんどう)とからなる。平面の形状から両袖式・片袖式(包丁形)・無袖式などがある。

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