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権利【けんり】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

権利
けんり
right
人間の生活関係において各人に帰属すべき利益 (たとえば所有者の現に有する利益,買主の物を取得しうるという利益など) を保護するため,法が各人に与えた利益を主張しうる力。権利の本質については古くから争われており,それを法によって保護された意思の力とみる説と,法によって保護された利益とみる説とが対立しているが,権利にはこの両面があるというのが,現在一般に認められている見解である。権利には,公権 (公法上の権利) と私権とがあり,私権はさらに,物権と債権,支配権と請求権,形成権など種々に分類される。なお,自然権のように,権利が超法的な意味で用いられることもある。

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デジタル大辞泉

けん‐り【権利】
ある物事を自分の意志によって自由に行ったり、他人に要求したりすることのできる資格・能力。「邪魔する権利は誰にもない」「当然の権利」「権利を主張する」⇔義務
一定の利益を自分のために主張し、また、これを享受することができる法律上の能力。私権公権とに分かれる。「店の権利を譲る」⇔義務。→ライツ(rights)
権勢と利益。

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世界大百科事典 第2版

けんり【権利 right】
人が社会的に一定の行為をなすとき,その主体の観点からみた行為の正当性の根拠となる基本概念の一つ。広義には規範(ルール)によってつくり出される正当性,法律用語としては法規範によってつくり出される正当性,狭義にはみずからの意思によって法的救済を求めうる法的可能性の意味に用いられる。〈私は被害者として加害者を糾弾する道徳的権利がある〉とか〈第1回戦の勝者は第2回戦に進む権利がある〉とかという場合の権利は広義の場合の例で,権利を意味する上記の英・仏・独語が元来〈正当性〉を意味することとかかわっている。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

けんり【権利】
〘法〙
ある利益を主張し、これを享受することのできる資格。社会的・道徳的正当性に裏づけられ、法律によって一定の主体、特に人に賦与される資格。法的正当性。 「生きる-」 「 -をおかす」
何らかの原理や存在によって一定の主体に賦与される、ある行為をなし、またはなさぬことができる能力・資格。
義務
権力とそれに伴う利益。 〔「荀子」にあり、「権勢と利益」の意で用いられる。中国近代の洋学書である丁韙良訳「万国公法」(1864年)で right の訳語としたものを借用したものか〕

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

権利
けんり
right
「権利とは何か」について、さまざまな考え方があり、これまで多くの議論がなされてきた。広くは、一定の利益を享受しようとする意思、あるいは利益そのものが権利であるとする考え方があるが、一般に、法あるいは法規範との関連において、「一定の利益あるいはその利益を守ろうとする意思が法によって承認され、その実現について国家機関、とくに裁判所による保障を与えられているもの」と説明される。しかし、このような定義づけをしても問題は残る。「法によって承認され」というが、それでは、法があるから権利があるのか、たとえば自然法上の権利、道徳的権利は権利ではないのか。また、「裁判所による保障」というが、それでは、裁判で認められなければ、つまり裁判以前には権利はないのか、などの問題である。権利の実現の保障という観点からすれば、裁判によって認められたものだけが権利であるということになるが、そこまで厳密に考える必要はなく、一般に法律によって認められていれば権利であるといってよいと思われる。また、法律がその条文で権利として認知していなくても、国民が権利として確信し、権利主張をし、それが裁判所によって認められ権利として定着した場合には、これを権利ということができる(たとえば、日照権、プライバシーの権利、知る権利、入浜(いりはま)権など)。したがって、権利が制度的なものであるにしても、国民の権利意識の形成、権利主張を通して、新たな権利が形成されていくという側面を見落とすことはできない。[本間義信]

法と権利

権利は法とともに語られてきた。法規範によって規制される社会関係あるいは人間関係はつねに権利義務の関係として構成される。権利はそれに対応するものとしての義務とともに考えることができる(たとえば、売買契約に基づく売り主の代金債権と買い主の支払債務など。例外的に、契約の取消権・解除権などの形成権はそれに対応する義務を考えることができない)。したがって、権利関係は一般に権利義務の関係といえる。そして、この権利義務関係を定めているのが法(近代法)であるから、法と権利は表裏一体をなしているのであって、権利は法の主観的側面であるといえる。フランス語のdroit(subjectif)、ドイツ語の(subjektives) Rechtなどのように、ヨーロッパの言語では、法と権利が同じことばで表現されるのはこれを物語っている。
 権利の種類としては、まず公法上の権利(公権)と私法上の権利(私権)とがある。さらに、公権には、国家主権、自衛権、租税徴収権などの国権と、幸福追求権、思想の自由、良心の自由、表現の自由、信教の自由、教育権、労働基本権などの基本的人権がある。また、私権は種々であるが、権利の内容によって財産権と非財産権に、その作用から支配権、請求権、形成権および抗弁権に分類される。私法上の権利・義務の主体たりうる一般的資格を権利能力という。
 権利を有する者は、原則として権利行使の自由を有する。しかし、その権利行使がある限界を超えて行われ、他人の利益を不当に妨害した場合(ある企業が企業活動の結果、周辺住民に公害を及ぼした場合など)には、それは許されるべきでなく、これを権利の濫用という(民法1条3項)。権利の本来有する社会性からして当然のことと認められているが、ただ、いかなる場合に権利の濫用と認めるのかは、公益、公共の福祉との関連でとらえなければならない多くの問題を含んでいる。[本間義信]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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