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楽屋【がくや】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

楽屋
がくや
backstage; greenroom
劇場の舞台のからうしろの部分。俳優,衣装方,大道具方小道具方,その他実際の上演にたずさわる舞台関係者のいる部分全体をさすが,特に化粧や着付けなど出演の支度をしたり,出番の前後の時間に休息したりする,俳優の控室をいうことが多い。日本では,本来神楽,舞楽の楽人が楽を奏したり,舞人が装束を着用したり出を待ったりするところをさした。多くは舞台の背後を幕で仕切ったもので,神聖な場所とされた。その後歌舞伎の確立に従って,立役,女方,頭取狂言作者,床山,大道具小道具など,職掌別あるいは地位の上下によって部屋が分けられるようになった。今日でも端役の俳優を「大部屋」というなどその残りがみられる。

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デジタル大辞泉

がく‐や【楽屋】
劇場寄席などの舞台の裏にあって、出演者が出演の支度をしたり休息したりする部屋。
物事の裏。内情。内幕(うちまく)。楽屋裏。
「奈何(どう)だい、商人(あきんど)の―は驚いたもんだろう」〈魯庵社会百面相
雅楽で、楽人が奏楽する所。

出典:小学館
監修:松村明
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デジタル大辞泉プラス

楽屋
清水邦夫の戯曲副題「流れさるものはやがてなつかしき」。女優のみの4人芝居。1977年7月、清水自身が主宰する演劇企画集団「木冬社」の第2回公演として、渋谷ジァンジァンにて初演

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

がくや【楽屋】
能楽堂や演芸場や演奏場なども含めた,広い意味での〈劇場〉において,俳優,役者,楽人,落語舞踏家(踊子)などの演者と,その関係者が,演技のための支度(したく)(化粧,衣装つけなど)をしたり,休養したり,ときにさまざまな打合せをしたりするための場所。多くの場合,舞台の後部あるいは背後にあって,なんらかの形(幕や板仕切りや壁など)で仕切られている。欧米の演劇史で,この〈楽屋〉(たとえばギリシア語でskēnē,英語でdressing roomとかbackstageと呼ぶ場所)の構造やその劇場(ひいてはそれが置かれた社会)の中に占める位置が,とりたてて問題にされることはあまりないが,日本の伝統演劇ではやや事情が異なる。

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大辞林 第三版

がくや【楽屋】
劇場・寄席などで、出演者が準備・休息をする部屋。
物事の裏面。内幕。
雅楽で、楽人の演奏する所。また、舞人が装束を着用する所。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

楽屋
がくや
劇場または芸能の演じられる場所で、演技者、演奏者など舞台の関係者が準備をしたり、休息したりするための施設をいう。この名称は、舞楽(ぶがく)において、楽人(がくにん)が舞台の後方の幕の内で楽を演奏した場所を「楽之屋(がくのや)」とよんだことに始まる。幕や屏風(びょうぶ)で間仕切りをして、一方で舞人が装束を着けたり、休息したりするためにも用いられた。これが後世の能や歌舞伎(かぶき)に引き継がれ、劇場構造の整備とともに独特の構造を備えるようになり、さまざまなしきたりをもつようになった。ただし能では、囃子方(はやしかた)が舞台上の定められた位置に出て演奏するため、楽屋はもっぱら演技者の準備と休息のための場所となり、名称と実態とが離れた。歌舞伎はこの様式を受け継ぎ、やがて囃子は下座(げざ)とよぶ別の場所に入って演奏するようになる。歌舞伎の劇場では、初期には能の場合と同じく、舞台の後方の「後座(あとざ)」の背後を幕で仕切り、ここを演技者のたまり場すなわち楽屋にしていた。芝居の内容が複雑化し、組織が大きくなり、楽屋の職分が分化してくると、俳優の役柄や身分、衣装、床山(とこやま)、小道具などの職掌による個室を必要とするに至り、内部構造はしだいに複雑になった。
 江戸時代の楽屋は3階建てを原則としたが、3階建築は許可されなかったため、実際の3階を「本二階」、2階を「中二階(ちゅうにかい)」と名づけ、表向き2階建てを装っていた。その1階は「稲荷町(いなりまち)」とよぶ最下級の俳優の部屋以外は舞台関係者の部屋にあてられ、頭取(とうどり)部屋、作者部屋、囃子部屋、大道具部屋、小道具部屋、衣装部屋などがあった。女方(おんながた)は中二階と定め、その奥に一座の立女方(たておやま)の部屋があった。本二階には奥に座頭(ざがしら)の部屋、それに続いてその他の立者(たてもの)の部屋が並び、さらに名題(なだい)役者以下の俳優が雑居する「大部屋」があった。大部屋は開場前の稽古(けいこ)や諸種の劇場行事にも使われた。ここは初期の単純な楽屋の時代の中心であった場所で、中央にいろりがあり、神聖視されていた。
 楽屋の構造は、江戸と上方(かみがた)とで違いがあり、上方は原則的に2階建築になっていた。上方の楽屋の特徴は、控え室、休息所という性格を越えて、俳優の私生活の場としての性格が濃く、室内装飾や調度品に強く俳優の好みが反映している点であった。この傾向は明治末期以後、東京にも伝わった。なお、「楽屋」の呼称は民俗芸能にも古い用法の例が残っており、変身の場として神聖視される傾向がある。また、現代一般語に内幕(うちまく)、内緒など他人にみせたくない裏面を表すことばとして、楽屋内、楽屋裏などとも使われている。[服部幸雄]

西洋

西洋では、古代のギリシア劇場におけるスケネskeneが楽屋の始まりとされている。スケネは、円形のオルケストラ(合唱隊(コロス)の演技場)後方に設けられた方形の小屋で、臨時のテント張りのものから石造の常設のものまであった。前面の一部が舞台背景ないし出入口として用いられ、内部は俳優の控え所となっていた。近世以降、舞台や客席が屋内に移るにつれて楽屋の構造も変化したが、機能的にはほとんど変わらず、ドレッシング・ルームdressing room、アンクライデラウムAnkleideraum(ドイツ語)、ロッジュ・ダルチストloge d'artistes(フランス語)のように、もっぱら俳優のための化粧、着替え室の意味に用いられている。[大島 勉]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

がく‐や【楽屋】
〘名〙
① 雅楽で、楽人の演奏する場所、および舞人の装束着用の場所、また、それらの人が休息に用いる場所をいう。
※宇津保(970‐999頃)内侍督「楽人ども、がくやの遊びの人も遊びやみて」
※平家(13C前)四「朝覲のために法住寺殿へ行幸ありしには、楽屋に乱声を奏し」
② 劇場や演奏場などで、出演者が出演の準備のため化粧をしたり衣装をつけたり、または、休息をしたりする舞台裏などの部屋。
※太平記(14C後)二三「様々の装束共下人に持せて楽屋(ガクヤ)へ行けるが」
※役者論語(1776)あやめぐさ「女形はがく屋にても、女形といふ心を持べし」
③ 出演者、裏方など、②に出入りする者。
※仮名草子・浮世物語(1665頃)一「大諍(いさかひ)になりければ、楽屋(ガクヤ)芝居の者共出合て、二人ながら鼠戸の外へ引出す」
物事内情や真相。ないしょ。内幕
※浮世草子・傾城禁短気(1711)二「留守居どのの腹を見れば福島の雀鮨見るやうになって、生れぬ前から襁褓の穿鑿、楽屋を見ぬが花」

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たのし‐や【楽屋】
〘名〙 裕福で安楽な家。生活の豊かな家。
※浮世草子・西鶴諸国はなし(1685)三「春夏は暇なるたのし屋有」

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