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【なつめ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典


なつめ
薄茶を入れる漆器。茄子茶入の挽家 (ひきや。茶器を保存する容器) を応用したものが始めといわれ,形がなつめの実に似ることによる名称。東山時代からとされるが作品は桃山時代以後が多い。形のうえでは大,中,小,平,尻張,胴張,長丸その他がある。素地は木材 (挽物) ,乾漆,竹,紙など。塗りには黒ろう,朱,溜,潤 (うるみ) ,掻合,春慶根来 (ねごろ) ,変り塗,摺漆などがあり,木地のままのものもある。

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デジタル大辞泉

なつめ【×棗】
クロウメモドキ科の落葉高木。葉は卵形で、3本の脈が目立ち、互生する。夏、黄緑色の小花をつけ、楕円形の実を結び、暗赤褐色に熟す。実は食用に、また漢方で乾燥させたものを大棗(たいそう)といい、強壮薬に用いる。中国北部の原産。名は、初夏になって葉の芽を出すことによる。 実=秋 花=夏》「竿をもて―をたたく巡査かな/素十
染料の一。1の実を乾燥し、刻んだものを煎(せん)じて染め汁を作る。茶系統の色。
薄茶器の一。木製漆器の容器で、形状1の実に似ている。古くは棗形茶入れといい、室町中期に京都妙覚寺法界門付近に住んでいた羽田五郎(はねだごろう)が始めたという。

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世界大百科事典 第2版

なつめ【棗】
ナツメの実の形状に由来する抹茶の容器をいう。中国(宋代)から渡来した抹茶の製法と喫茶の習俗は,茶の湯の成立の中で,濃茶こいちや)と薄茶の二様の点茶法に分立した。濃茶は儀式的な,薄茶は寛潤な雰囲気を伴っている。そこで濃茶の容器としては中国伝来の陶製小壺が用いられたのに対し,薄茶器は漆塗の和製の容器がくふうされた。棗は広義には,この和製の薄(茶)器の別称といえる。つまり形状が必ずしも棗型でなくても,薄器と同義語として,むしろ茶の湯になじむ語として用いられている。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

なつめ【棗】
クロウメモドキ科ナツメ属の一群の落葉小高木。ヨーロッパ南東部から中国北部の原産。庭木・果樹とする。葉は長卵形。初夏、葉腋に淡黄色の小五弁花をつける。核果は楕円形で、長さ約2センチメートル。秋、暗紅褐色に熟し食用。また、乾燥した果実は生薬の大棗だいそうで、利尿・滋養強壮薬として各種の漢方薬に配合。 [季] 秋。
の実から採った染料。乾燥させて煎じた汁で茶色を染める。
ナツメの実形の薄茶器。素地きじは挽き物・乾漆・竹・紙などで、黒漆塗りが最も多い。木地のものもある。形は、大・中・小・尻張り・胴張り・河太郎などさまざま。

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食器・調理器具がわかる辞典

なつめ【棗】
茶道で、薄茶器(薄茶を入れる容器)の一種。縦に長い球形で、クロウメモドキ科の落葉小高木・なつめの果実に似る。

出典:講談社
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日本大百科全書(ニッポニカ)


なつめ
抹茶(まっちゃ)を入れる茶器。薄茶器(うすちゃき)の一種で、主として薄茶を入れる漆塗り製の茶入であるが、黒塗りのものは袋に入れて濃茶(こいちゃ)を入れることがある。その形姿が植物のナツメの実に似ているところからの呼称。総体は楕円(だえん)形であるが、だいたい上部3割のところで蓋(ふた)と身が分かれるようになっている。[筒井紘一]

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動植物名よみかた辞典 普及版

棗 (ナツメ)
学名:Ziziphus jujuba var.inermis
植物。クロウメモドキ科の落葉低木・小高木,園芸植物,薬用植物

出典:日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」
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精選版 日本国語大辞典

なつめ【棗】
〘名〙
① クロウメモドキ科の落葉小高木。ヨーロッパ南東部からアジア東部原産で、古くから栽培され、日本へも古く渡来し、家庭果樹として人家に植えられている。高さ六メートルぐらい。幹にはまばらにとげがあり、一節から二~三本の小枝が出る。葉は短柄をもち、長さ二~四センチメートルの先のとがった卵形または長卵形で三脈がめだち、縁に細鋸歯(きょし)がある。初夏、葉腋に淡黄色の小さな五弁花が集まって咲く。果実は長さ約二センチメートルの楕円形で中に紡錘形の大きな核があり、暗紅色に熟し甘酸っぱい味がする。生食するほか、乾果や砂糖漬にしてから干した蜜棗が愛用される。漢方では果実を解熱・強壮剤に用いる。漢名、棗。《季・秋》
※大安寺伽藍縁起并流記資財帳‐天平一九年(747)「合水瓶〈略〉仏物卅六口之中〈略〉十九口棗瓶」
② 染料の一種。棗の果実を乾燥させ、刻み煎じて染汁を作ったもの。茶系統の色。
③ 薄茶器の一種。漆工の容器で、形状が棗の実に似るので棗形茶入ともいう。室町中期に羽田五郎が創案したといわれる。〔松屋会記‐久政茶会記・天正六年(1578)一〇月二七日〕

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