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梁塵秘抄【りょうじんひしょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

梁塵秘抄
りょうじんひしょう
平安時代後期の歌謡集。後白河法皇撰。『本朝書籍目録』によるともと 20巻。現在伝わるのは「歌詞集」巻一の断簡と巻二,「口伝集」巻一の断簡と巻十のみ。治承3 (1179) 年までに成立か。一条天皇の頃から約 150年に及ぶ広義今様 (いまよう) の歌詞とその伝承についての口伝を集めたもの。「歌詞集」の残っている中心の巻二は,法文歌 (ほうもんか) 220首,四句神歌 204首,二句神歌 122首,巻一は長歌 10首,古柳1首,今様 (狭義) 10首。法文歌は仏法僧の賛歌で,長句短句の組合せを4回繰返す形式が多い。四句神歌は大部分世俗の歌謡で,当時の民衆の生活を反映し,形式は不整形が多い。二句神歌も不整形で,2句ないし3句から成るものが多い。本書現存するのがごく一部分にすぎないが,今様の主たる資料であるばかりでなく,当時の風俗,社会などを知るためにも貴重。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

りょうじんひしょう〔リヤウヂンヒセウ〕【梁塵秘抄】
平安末期の歌謡集。もとは歌詞集10巻と口伝集10巻とからなっていたといわれるが、巻1の抄出と巻2および口伝集巻1の一部と巻10のみが現存する。後白河法皇撰。12世紀後半の成立。今様などの雑芸の歌謡を分類・集成したもの。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

りょうじんひしょう【梁塵秘抄】
平安後期の今様とその周辺歌謡の集成。後白河法皇撰。明確な成立年時は未詳。《梁塵秘抄口伝集》と同じころか。もと20巻で,歌詞の集成である《梁塵秘抄》10巻と口伝(くでん)を記した《梁塵秘抄口伝集》10巻があったと思われる。1世紀ほど後に成った《本朝書籍(しよじやく)目録》に〈梁塵秘抄廿巻 後白河院勅撰〉とある。現存のものは,天理図書館蔵の巻子(かんす)本である巻一の断簡21首と,袋綴2冊本の巻二(近世後期書写の孤本)の545首,ほかに《夫木和歌抄》に引く2首など。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

梁塵秘抄
りょうじんひしょう

広義の今様(いまよう)歌謡の集成。もと10巻、現存本は巻1/巻2の2巻のみ。書名は「梁塵殆(ほと)んど動く可(べ)し」(『吾妻鏡(あづまかがみ)』文治(ぶんじ)2年4月8日条)のごとく、歌声がきわめて微妙なることの形容に基づく。『本朝書籍(しょじゃく)目録』(鎌倉末期の成立)に「梁塵秘抄。廿巻(にじっかん)。後白河(ごしらかわ)院勅撰(ちょくせん)」とあるのは、本書が本来『梁塵秘抄口伝(くでん)集』10巻と一括されたものであることを示すものと考えられる。巻1~巻9は嘉応(かおう)元年(1169)までに成った。本書の成立もほぼ同時代か。現存本巻1は抄出本(しょうしゅつぼん)と考えられ、長歌(ながうた)10首、古柳(こやなぎ)1首、今様10首の計21首。長歌は短歌体の謡い物、古柳は囃子詞(はやしことば)を伴う不整形式のものが多く、今様は狭義の今様歌謡(七五調または八五調四句)。巻2は法文歌(ほうもんうた)220首、四句神歌(しくのかみうた)204首、二句神歌121首の545首をそれぞれ収める。ほかに『夫木(ふぼく)和歌抄』が2首引用している。法文歌は仏・法・僧・雑の順、四句神歌は神分(じんぶん)・仏歌・経歌・僧歌・霊験所歌・雑歌の順で構成され、二句神歌は短歌体のもので、神社歌61首を含む。半数の謡い物は仏法をたたえたもので、法文歌中の法華経二十八品歌百十数首の群作は本書の白眉(はくび)、四句神歌中の雑86首は、四句の定型から外れた、庶民の哀歓をあからさまに訴える謡い物が多く、二句神歌のなかには生気あふれる民謡風の短章が少なくない。また、本書の旋律面にかかわった白拍子(しらびょうし)・くぐつ・遊女を詠み込んだものもある。

 本書は、久しく埋もれていたが、近代になってその転写本が発見された。ともに天理図書館蔵。『梁塵秘抄口伝集』(巻1の断簡と巻10のみ現存)からは、今様の唱法・伝承など、後白河法皇の今様に対する熱烈な傾倒が如実にうかがわれる。

[徳江元正]

『志田延義校注『梁塵秘抄』(『日本古典文学大系73』所収・1965・岩波書店)』『新間進一校注・訳『梁塵秘抄』(『日本古典文学全集25』所収・1976・小学館)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

りょうじんひしょう リャウヂンヒセウ【梁塵秘抄】
平安末期の歌謡集。後白河院編。巻一残簡・巻二、および口伝集巻一・巻一〇が現存。もとは歌詞集「梁塵秘抄」一〇巻と「梁塵秘抄口伝集」一〇巻であったらしい。嘉応元年(一一六九)までに口伝集の巻一から巻九までが成立。巻一〇は治承三年(一一七九)成立説と同四年~文治元年(一一八五)成立説などがある。その他の部分も相前後して成ったものか。現存本では五百数十の今様が長歌、古柳(こやなぎ)、今様、法文歌、四句神歌(しくのかみうた)、二句神歌などに分類され収載されている。日本歌謡史上の代表的歌謡集。

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旺文社日本史事典 三訂版

梁塵秘抄
りょうじんひしょう
平安末期の流行歌謡集
12世紀末ころ成立。20巻。現存は2巻ほどで約570首ある。撰者は後白河法皇。当時流行した今様 (いまよう) ・催馬楽 (さいばら) などの歌謡を分類集成した。当時の信仰・風俗・生活感情を知る好史料。

出典:旺文社日本史事典 三訂版
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