Rakuten infoseek

辞書

板絵【いたえ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

板絵
いたえ
panel painting
絵画用語。壁画天井画などと異なり,祭壇画,額縁絵のように独立した絵画作品で移動できるもの。普通タブローといい,もともと板に描くところからこのように呼ばれた (→イーゼル画 ) 。技法の面からはテンペラ画油絵が使われる。コプト美術におけるミイラ肖像ビザンチン美術イコンを経て中世には祭壇画として板絵が主であり,その木の性質に従い,いろいろ加工した上に絵が描かれた。木質はもとより各地方の特産の木によって相違があり,かえってそれが様式決定の重要な一因とみなされている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

いた‐え〔‐ヱ〕【板絵】
木の板に描いた絵画。西洋中世の祭壇画、東洋厨子(ずし)扉絵など。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

いたえ【板絵】
板を支持体として描かれた絵画。板は古代から壁体と並んで絵画の重要な支持体として使われ,とくに扉,天井などの建築の部分,家具・儀礼具の装飾画などに多用された。彩色技法について特に制限はない。蠟画による死者の肖像画で飾られたエジプト,ファイユーム地方出土の装飾棺の蓋(ヘレニズム時代)は古い板絵の著名な例として知られる。また岩絵具で彩色した日本の醍醐寺五重塔(10世紀)や平等院(11世紀)の内壁なども板絵と呼ぶ。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

いたえ【板絵】
木板・銅板・カンバスなどに描かれた絵画作品の総称。狭義には、中世ヨーロッパで祭壇画として発達した、板に描いた絵をいう。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

板絵
いたえ
主として日本・中国美術で使われる古美術用語。壁土や布(麻、絹)に描いた絵と区別して、木の板に描いた彩色画を一括して板絵と称する。この場合、板の表面に白土を薄く塗って下地とし、その上に彩色するのと、板に麻布を張り漆を置いて白土を塗り下地にして描くのと2通りのやり方がある。板絵の用いられる分野としては、工芸品の装飾画として描かれる場合と、壁画、つまり堂塔の内部の壁面に描かれる場合の二つに分けることができる。前者を代表するものに法隆寺の玉虫厨子(たまむしずし)および橘夫人念持仏(たちばなふじんねんじぶつ)厨子の須弥座(しゅみざ)にみられる、はめ込みになっている板絵がある。とくに玉虫厨子の両側面に描かれた本生譚(ほんしょうたん)は飛鳥(あすか)期絵画の名品として名高い。後者では板を矧(は)ぎ合わせ大画面を構成するものが多く、奈良室生寺(むろうじ)金堂の伝帝釈天曼荼羅図(たいしゃくてんまんだらず)、京都醍醐寺(だいごじ)五重塔の両界曼荼羅図と真言八祖像などは平安前期の仏画の傑作である。また宇治平等院鳳凰堂(ほうおうどう)の本尊の周囲の壁画、扉(とびら)絵も大画面の板絵として描かれた来迎図(らいごうず)で、大和絵(やまとえ)の名品として知られる。鎌倉時代になると奈良薬師寺の鎮守、休ヶ岡八幡宮(やすみがおかはちまんぐう)の板絵神像、滋賀西明寺塔内の法華説相図など絵画史上重要な遺品が多い。日本以外ではスタインが西域南道コータン(ホータン)付近のダンダーン・ウイリク寺院址(し)で発掘将来した蚕種西漸説話の板絵(大英博物館)は、中央アジアにおける寺院の壁画を知る貴重な遺品である。[永井信一]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

いた‐え ‥ヱ【板絵】
〘名〙 板に描いた絵。板扉、板壁などの装飾に用いる。板壁画。板絵図。
※閨秀(1972)〈秦恒平〉一「物思いが凝って形になって、つまり奇妙に頑なな板絵として」

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

板絵」の用語解説はコトバンクが提供しています。

板絵の関連情報

他サービスで検索

「板絵」のスポンサー検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.