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更級【さらしな】

日本大百科全書(ニッポニカ)

更級
さらしな
「更科」とも書く。長野盆地南西部にある姨捨山(おばすてやま)を中心にした地域で、東は千曲(ちくま)川、西は犀(さい)川に限られる。古代からの信濃(しなの)国更級郡の地で、現在の長野市南部のほか、埴科(はにしな)郡、東筑摩(ひがしちくま)郡、千曲市に及ぶ。更級郡の郡名は正倉院(しょうそういん)文書の748年(天平20)に見えるものが早い。平城宮跡出土品の木簡(もっかん)には「更科郡」と記されている。姨捨山は月の名所で、「わが心なぐさめかねつ更級や姨捨山に照る月を見て」(『古今集』)など多くの古歌に詠まれている。1688年(貞享5)8月芭蕉(ばしょう)は姨捨の月を見るため岐阜から木曽路(きそじ)をたどった。そのときの旅の記録が『更科紀行』で、「俤(おもかげ)や姨(おば)ひとり泣く月の友」「十六夜(いざよい)もまだ更科の郡哉(こおりかな)」の句が記されている。更級の山村ではやせ土にソバが栽培される。[小林寛義]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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